【障害者×在宅ワーク】多様な働き方が認められつつあります!
障害をもっていてもスキルや経験を活かして仕事をすることは可能です。しかし通勤の負担やオフィス環境などによっては思うように仕事で成果を上げられないことも。
その点、在宅ワークであれば自宅で仕事ができるためパフォーマンスを上げやすく相性の良い働き方と言えます。
今回は障害者にとっての在宅ワークのメリットやおすすめの職種を紹介します。
在宅ワークは障害者にとって強い味方
障害をもっていても、スキルや能力がある人はたくさんいます。しかし、通勤の負担やバリアフリー非対応のオフィス環境など、障害者が仕事をするうえでのハードルは少なくありません。
そのような課題を解決し、障害があっても仕事で能力を発揮できるよう、在宅ワークの働き方が注目されています。自宅で仕事をする在宅ワークは出社や通勤の負担がなく、自分のペースで仕事を進めることが可能です。
在宅ワークで働くには、会社に所属して在宅勤務制度を利用する方法や、個人事業主として企業の仕事を業務委託する方法などがあります。
自分に合った働き方で将来の可能性を広げられる在宅ワークは、働く障害者の強い味方になるでしょう。
障害者が在宅ワークに適している理由
在宅ワークという働き方は、障害をもつ人にさまざまなメリットがあります。
オフィスの環境に左右されない
在宅ワークを活用するメリットの一つが、オフィス環境に関係なく仕事ができる点です。
所狭しと配置された椅子や机、ちょっとした段差、狭いトイレなどは障害をもつ人にとって非常にストレスになります。
障害者が快適に仕事をするためにはバリアフリー対応のオフィス環境が求められますが、コストやビルの設計などの問題でバリアフリー工事が不可能な場合もあるでしょう。
しかし在宅ワークであればオフィスに出社する必要がないため、オフィス環境に左右されず円滑に仕事を進めることが可能なのです。
通勤ラッシュに揉まれない
障害者にとって通勤ラッシュは大きな負担になります。人ごみの中を移動したり電車に乗ったりするのは、心身ともに疲弊してしまう原因になり、仕事のパフォーマンスの低下を招くでしょう。
また車椅子で移動する人にとっては、駅の階段やホーム、電車の乗り降りは一人では難しいため、他の人の手を借りなければいけません。
在宅ワークであれば、電車の乗ることも駅に行くことも必要ありません。通勤の負担がなく仕事を開始できるため、生産性向上も期待できます。
周りの目を気にしなくていい
在宅ワークでは一人で仕事を進められるため、周りの目を気にしなくてもいいというメリットもあります。
通勤やオフィスで人の目が気になってしまい、思うように仕事が進まない人もいます。
しかし自宅で仕事をしていれば周りの目を気にする必要もありませんし、自分のペースで仕事を進められて効率的に仕事ができるかもしれません。
障害者雇用は企業にとっても大きなメリットが!
障害を持っていても積極的に仕事をしたい人はたくさんいます。企業もそのような意欲的な障害者を雇用することで、会社の生産性を向上したり社員の満足度を高めたりすることにもつながるでしょう。
企業にとって障害者雇用はハードルがあることは事実ですが、助成金などの支援サービスもあるため積極的に活用して障害者雇用を促進しましょう。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は3つのコースが設けられている助成金です。
1つ目の特定就職困難者コースは、就職が困難な障害者などを雇用した際に給付される助成金で、障害の程度や勤務時間などに応じて支給額や対象期間が異なります。
次の発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースは、発達障害や難治性疾患をもつ人を雇用した際に給付され、企業規模や勤務時間などの条件によって支給額が異なる助成金です。
そして障害者初回雇用コースは、障害者を初めて雇用する場合に120万円の支給を受けられる制度です。ただし令和3年3月31日で廃止されることが予定されています。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金とは、障害者を一定の期間雇用することで毎月支給される助成金です。
働く障害者自身は社会の一員としての意識を高めたり仕事に対する意欲を促進したりするメリットがあり、雇用する会社には障害者雇用の理解を深める効果があります。
障害者雇用安定助成金
職場適応援助者(ジョブコーチ)による援助を必要とする障害者を雇用している会社に支給されるのが障害者雇用安定助成金です。障害者の職場適応や雇用定着の安定を促進する目的があります。
ただし、令和3年度からはキャリアアップ助成金や障害者雇用納付金制度に基づく助成金への移管等を実施するようです。
障害者が在宅ワークを探す際の注意点
障害者が在宅ワークを探す際には、以下のポイントに注意しましょう。
自己管理方法を確立させておく
在宅ワークでは上司や同僚の目がないぶん、自分で仕事のスケジュールを組まなければいけません。スケジュール管理やタスク管理などの管理スキルが求められるため、適切に管理していくための方法を確立しておきましょう。
せっかく在宅ワークを見つけたのに納期に間に合わなかったり作業が漏れていたりしては、会社からの信頼を落としかねません。自分に合った自己管理の方法を確立させて、仕事に取り組みましょう。
同じ障害者でも、在宅ワークの向き不向きがある
在宅ワークは向いている人もいれば向いていない人もいるので、自己分析をして在宅ワークが向いているかどうかを検討しましょう。
一人で仕事をすることが苦にならない人や、周りに人がいると仕事に集中できない人は在宅ワークが向いている傾向があります。
一方、家に籠ってばかりではなく積極的に外出したい人や職場でのコミュニケーションを重視する人、自己管理に自信がない人は、在宅ワークが難しいかもしれません。
障害者全員にとって在宅ワークが良いとは断言できないため、自分の適性を見極めて働き方を検討しましょう。
自分にあった職種を探す
在宅ワークの仕事内容は多岐に渡ります。
データ入力や資料作成など手軽に始められるものから、WEBデザインやプログラミングなどスキルを必要とするものもあります。また梱包やシール貼りなどの、いわゆる内職と言われる仕事も。
出社の負担はないとは言え、自分に合った職種や仕事内容でなければ大きなストレスになってしまうので、職種選びは慎重に行いましょう。
無理をしないペースで働く
在宅ワークではオンオフの切り替えがしにくく、ついオーバーワークになってしまうケースもあります。無理をしすぎて心身の負担になってしまえば、せっかく自宅で仕事をしているのに元も子もありません。自分で一日の仕事量を管理し、無理のないペースで働きましょう。
障害者が働きやすい在宅ワークとは
障害者が自宅で働きやすい仕事内容は、以下の4つの職種になります。自分に合った仕事を見つける参考にしてくださいね。
事務
事務職はパソコンとインターネット環境さえ整っていれば自宅でも仕事が可能な内容も多くおすすめの在宅ワークの一つです。
在宅での事務職にはさまざまな業務内容がありますが、データ入力や書類作成、伝票整理など一般事務と言われる仕事が多いでしょう。
経験やスキルがある人には、経理事務や営業事務、法務事務などのより専門的な事務職を任せられる可能性もあります。
CADオペレーター
CADオペレーターとは、CADソフトを用いて図面のトレースをすることが主な仕事です。
建物の建築の製図から、機械の設計の製図まで、さまざまな仕事があるため活躍できる業界や業種の幅も広く、仕事を見つけやすいというメリットもあります。
CADオペレーターの資格も充実しているので、スキルを磨いてキャリアアップしていける可能性もあります。
内職
梱包やシール貼り、POP作成などの内職も、障害者が始めやすい在宅ワークです。パソコンがなくても可能な仕事も多いので、パソコン操作に自信がない人やパソコンを持っていない人でも働きやすいでしょう。
内職は、会社から材料を提供してもらい成果物を納品する必要があります。自宅まで材料を配送してくれて、成果物を引き取りに来てくれる会社もあるので探してみましょう。
コールセンター
コールセンター業務も自宅でできる仕事です。人とのコミュニケーションや会話が得意な人には適した仕事と言えます。
コールセンター業務には、リストに沿って架電するアウトバウンドタイプと、かかってきた電話に対応するインバウンドタイプがあります。電話システムやパソコンは会社が支給してくれるケースが多いので、仕事のための金銭的な負担もなく気軽に始められます。
障害があっても在宅ワークという働き方であれば様々な可能性が広がります。以前に比べ在宅ワーク可能な職種も増えてきているので、自分に合った仕事をみつけてチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。