子供がいるとテレワークで集中できない!集中するための方法とは?

新型コロナウイルスの感染対策として、一般企業にも一気に広まったテレワーク。通勤時間がなくなったぶん、家族と過ごす時間が増えたと喜んでいる人も多いでしょう。

その一方で、自宅で仕事していると隣で子供たちが騒いでいて、業務に集中できないという新たな悩みを抱える人も。「これなら出社しているほうが良かった」と感じるケースも少なくないようです。今回は、子供がいてもテレワークに集中する方法を紹介します。今後も子育てしながらテレワークが続きそうな人は、ぜひ参考にしてください。

企業は子供が3歳になるまでテレワークを努力義務としている

2023年5月、厚生労働省は省令として3歳までの子供を持つ従業員がテレワークできる仕組みづくりを企業の努力義務と定めました。

保育園の待機児童問題などがなかなか解消されない現状で、少しでも小さな子供を抱える世帯が働きやすい環境を整える狙いがあります。いまだ多くの企業では、従業員が働きやすいテレワークを実現するための仕組みが整っていませんが、今後この方針に従う企業が少しずつ増えていくでしょう。

「3歳までの乳幼児を見ながら仕事なんてできるだろうか」と不安に思う人もいるかもしれませんが、子育てしながらのテレワークが当たり前の世の中になったときに困らないよう、今から対策を考えておいたほうがよいでしょう。

子供がいてもテレワークで集中する方法

企業は子供が3歳になるまでテレワークを努力義務としている

子育てとテレワークを両立している人たちは、スケジュール通りに作業を進めるため、さまざまな工夫を凝らしています。子供に邪魔されず仕事をするためには、以下の7つの方法がおすすめです。

  1. 子供が寝ている(いない)時間に仕事する
  2. 子供の世話を夫婦で交代しながら行う
  3. 子供の新しいおもちゃを買う
  4. 食事は作り置きする
  5. 家事はできる限り手を抜く
  6. オンラインの見守りサービスを利用する
  7. 家事代行サービスを利用する

それぞれ詳しく解説します。

 

1.子供が寝ている(いない)時間に仕事する

子供が自宅にいる際のテレワークでは、コアタイムは子供が寝ている時間です。午前中に思いきり体を使って遊ばせることができれば、1〜2時間のお昼寝時間を確保できることもあります。

もちろんテレワーク中は公園などに出かけられないため、自宅での遊び方に工夫を凝らす必要があるでしょう。あるいは小さな子供であれば、早ければ夕方頃にベッドに入って眠る子供もいるので、親はそれからゆっくりと作業に集中できます。

本来の就業時間とは違った時間帯に働くことになるため、上司とより柔軟な働き方について話し合っておくのがおすすめです。また子供が保育園や幼稚園に通うようになると、より集中できる時間を長く確保できます。子供の入園の見通しなどを伝えておくと、職場の理解を得やすくなるでしょう。

 

2.子供の世話を夫婦で交代しながら行う

夫婦どちらもテレワークできる場合は、交代で子供の世話をすることで負担を減らせます。オンラインでの打ち合わせなど、どうしても子供にかまう時間がないときは、夫婦のもう片方が子供の相手をして騒がせないようにするなど、互いにサポートし合うことができるでしょう。子供にとっても両親のどちらかが話を聞いてくれるとわかれば、安心感を得られます。

交代で子供を世話するためには、夫婦間のコミュニケーションと思いやりが大切です。「相手がテレワークするのだから、子供の世話は任せて自分は出社してもよいだろう」と考えるのではなく、負担を分け合って乗り越えるようにしましょう。

 

3.子供の新しいおもちゃを買う

短期的な効果を狙うなら、子供に自分一人で遊べる新しいおもちゃを与える方法もあります。子供は興味を惹かれたものへの集中力は高く、面白いおもちゃが手に入るとしばらく没頭して遊んでくれます。現在は知育系の玩具やクリエイティブな要素が強いおもちゃも多く、すぐには飽きることもないでしょう。

ただし、新しいおもちゃの効果が1日持続しない可能性もあるので、大事なミーティングの前に与えるなど、タイミングを考える必要があります。

しばらくテレワークが続く予定のときなど、子供が退屈して騒いだりしないように、おもちゃをいくつか買って備えておく人もいるでしょう。子供におもちゃを与えるときは、1つのおもちゃに飽きたら次のを出すようにし、一度に全部出さないことが肝心です。1日でおもちゃを出し尽くしてしまって、次の日からまた子供が騒がしくなることがないように工夫しましょう。

 

4.食事は作り置きする

子供の世話も仕事も手を抜けない場合、その他の時間を節約して作業時間に回すしかありません。食事は週末などに作り置きし、平日の時間を確保しましょう。

現在は共働き世帯が多数となり、便利な作り置きレシピや食材を下ごしらえして冷凍する方法などをインターネットで簡単に調べられます。「作り置きのご飯では家族が満足できないかも」と心配する人もいますが、インターネット上にはレンジで温めるだけで美味しく食べられる料理のアイデアが溢れています。それらを上手に活用して、テレワークを乗り切りましょう。

どうしても作り置きだけの食事が気になる場合は、カットするだけで食べられる新鮮な野菜や果物を食卓に取り入れるのがおすすめです。食事の満足度が上がり、栄養面も補強できるでしょう。

 

5.家事はできる限り手を抜く

料理以外の家事も、できる限り手を抜く必要があります。掃除・洗濯・皿洗い・片付けなどのやり方を見直し、夫婦の負担にならない方法を取り入れましょう。

例えば、平日の掃除は皆が過ごすリビングだけにする、洗濯は色柄を分けずに1回で回すなど、家事に割く時間を減らす方法はあります。もちろん、家事に関しては一緒に生活する家族の理解や協力が必要なので、テレワークと子育ての両立のためであることをしっかり説明しましょう。さらに家事は、便利家電を取り入れることも可能です。ロボット掃除機・食洗器・乾燥機など、予算が許す範囲で上手に活用しましょう。

 

6.オンラインの見守りサービスを利用する

同じ家の中にいても、テレワーク中に子供から目を離さなくてはならない場面があります。そのようなときは、オンラインで子供を見守りしてくれるサービスを利用するのもおすすめです。

スマホやタブレットを通して、見守りサービスのスタッフが子供に話しかけ、楽しいおしゃべりや手遊びなどで注意を引いてくれます。誰かが子供を見ていてくれると思うと、親が別室で打ち合わせや会議などに入っているときも安心です。

また有料のサービスを利用しなくても、祖父母や子供の友達親子などとオンラインで顔を見て話せるようにするだけでもよいでしょう。知っている人たちのほうが人見知りの心配もありませんし、同じようにテレワークの悩みを抱える家庭であれば、交代で助け合えるかもしれません。

 

7.家事代行サービスを利用する

経済的に余裕がある場合は、家事代行サービスを利用するのもおすすめです。家事を丸ごと外注することで、そのぶんの時間を仕事に充てられるでしょう。家事代行サービスを利用すれば、家事を任せて「仕事以外の時間は子供と過ごす」と割り切ることもできます。子供にも「〇時になったら遊べるから、それまではお仕事させてね」と説明でき、納得してもらいやすくなるでしょう。

仕事以外の時間も何かと家事をやってしまい、十分にかまってやれないと子供の不満も溜まります。「テレワーク期間は家事をしない」と夫婦で決め、仕事以外の時間はできるだけ家族のコミュニケーションに使うようにすれば、親子ともにストレスを軽減できるでしょう。

子供がいるなかでテレワークをするメリット

子供がいるなかでテレワークをするメリット

子供がいるなかでのテレワークは、子育てと仕事で2倍大変と感じるかもしれません。しかし子供の側で働くことには、以下の3つの大きなメリットがあります。

  • 仕事している姿を子供に見せられる
  • 子供が近くにいるので安心感を覚えられる
  • 子供だけではなく夫婦の時間も大切にできる

それぞれ詳しく解説します。

 

仕事している姿を子供に見せられる

テレワークでは、仕事している姿を子供に見せられることが大きなメリットです。親が真剣に働いている様子を見て、子供は仕事の大切さ、あるいはやりがいや楽しさを感じとります。小さな子供には言葉で説明するよりも、実際に働いている姿を見せたほうが伝わりやすいこともあるでしょう。

子供は周りの大人たちの様子を見て、将来自分が働くときのイメージをつくっていきます。そして一番のお手本になれるのは、やはり子供の両親です。普段出社していると、子供は親がどのように仕事しているのか見えません。テレワークは子供に働く姿を見せるチャンスと、前向きにとらえましょう。

 

子供が近くにいるので安心感を覚えられる

子供が近くにいると仕事の差し障りにもなりますが、自分自身で子供を見守れる安心感があります。通常出社しているときは、保育園や祖父母などに子供を預けるのが一般的です。しかし、子供は思いがけない怪我や誤飲も多く、自分が見ていないあいだに何が起きるかわからない不安があります。

同じ家の中にいれば、いつでも声をかけることができ、子供が遊ぶ音や声も聞こえます。何かあればすぐに駆けつけられる安心感は、小さな子供の親にとって何にも替えがたいものでしょう。

 

子供だけではなく夫婦の時間も大切にできる

テレワークは子育ての両立だけでなく、夫婦の時間を大切にすることにもつながります。これまで長距離を通勤していた時間を、夫婦のコミュニケーションの時間に変えれば、互いの愛情を深めることができます。子育てと仕事に追われる生活では、なかなか夫婦でゆっくり過ごす時間を確保できません。テレワークで時間ができたことで、子供の成長のことや将来の計画など、さまざまな会話を楽しめるようになるでしょう。

またテレワークをしながら協力して子供を世話することは、夫婦の絆を強めることになります。日頃は子育てをタスクによって分担していて、別々にこなすことが多い夫婦の場合、テレワークで一緒に子供の成長を見守ることで充実感が感じられるでしょう。

まとめ

子供がいるなかでテレワークしていると、子供に話しかけられたり泣かれたりして、なかなか仕事に集中できないと苛立つこともあるでしょう。そのようなときには無理をせず、パートナーにもテレワークしてもらって頼る、家事は手を抜く、有料のサービスを活用するなどして、少しでも自分の負担を減らすことが大切です。

子育てしながらのテレワークにはデメリットもありますが、子供の近くで働くことで、子供に良い影響を与えたり、家庭生活が円満になったりといったメリットもあります。子育て世代のテレワークは今後ますます普及する見通しなので、今から家族みんなが笑顔で過ごすための対策を考えておきましょう。