リモートワークで生産性が上がるのは本当?上がらない原因も解説
2020年の新型コロナウイルスをきっかけに、広く普及した働き方がリモートワークです。働く側、企業側の双方に多くのメリットがあるため、5類感染症に分類が移行したあとも導入を継続する企業が多くあります。
しかし、リモートワークは基本的に各自が一人で作業するため、生産性や業務の効率化に影響がないのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、リモートワーク導入による生産性の変化や上がらない原因を解説します。高めるためのポイントも4つ紹介するので、企業全体でリモートワークによる生産性向上を目指したい担当者の皆様はぜひ最後までご覧ください。
リモートワークで生産性が上がるのは本当?
リモートワーク導入によって生産性が上がったと感じる人は、どのくらいいるのでしょうか。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボの「働き方改革に関する動向・意識調査」によると、緊急事態宣言中だった2020年は約6割の人が「生産性が下がった」と感じていたようですが、2022年10月には逆に6割以上の人が「生産性が上がった」と回答していることがわかりました。
リモートワークを導入し始めた頃は、慣れない働き方に企業側も働く側も戸惑いや課題が多かったのではないでしょうか。しかし、改善を経て生産性が上がったと感じる人が増えてきたようです。
とはいえ、約4割は生産性が「変わらない」または「下がった」と回答しているのも事実です。リモートワーク導入で生産性が上がらない原因は次章で詳しく解説します。
リモートワークで生産性が上がらない4つの原因
リモートワークは自由な環境でプライベートも両立させやすいため、基本的に生産性が上がりやすいといわれています。にもかかわらず生産性が上がらないと感じている場合、以下のいずれかに当てはまっているかもしれません。
- 自宅には誘惑が多い
- 作業環境が整っていない
- 社内でのコミュニケーション量が減ってしまう
- 労働管理されていないためサボってしまう
それぞれ詳しく解説します。
1.自宅には誘惑が多い
オフィスと違い、自宅には誘惑が多くあります。上司の目も届かないため、ついスマホをいじったり、動画サイトを視聴したりしてしまう人も多いのではないでしょうか。また自宅に子供がいる場合は、つい様子が気になってしまうものです。誘惑が多いと作業に集中できず、生産性が下がる原因になります。その結果、長時間労働につながることもあるでしょう。
2.作業環境が整っていない
作業環境が整っていないケースも考えられます。オフィスには必要な設備や備品が揃っていますし、足りなければすぐに追加してもらうことも可能です。しかし、自宅だとすべて揃っているとは限りません。作業スペースが狭かったり、机や椅子が適さなかったりする場合は生産性が大幅に低下する恐れがあります。
3.社内でのコミュニケーション量が減ってしまう
テレワークになると基本的に作業は1人で進めることになり、チャットやWeb会議ツールを使ったコミュニケーションがメインとなります。そのためオフィスで仕事するよりも、コミュニケーションの機会が大幅に減る人がほとんどでしょう。
文字だけでは伝わらない微妙なニュアンスを伝えるのは、慣れていないとストレスに感じることも。またコミュニケーション量が減ると、情報共有が十分にされず業務が滞るリスクもあります。結果的に生産性が下がることにつながるでしょう。
4.労働管理されていないためサボってしまう
テレワークの場合、従業員が働いている状況を完璧に把握することが難しくなります。目の届かない場所にいるため、サボっている従業員に気づけないことも多いでしょう。このような状況では、サボる従業員が増える恐れがあります。サボっている従業員がいるとわかれば、これまで真面目に業務遂行していた従業員にも悪い影響を与える可能性があるでしょう。
リモートワーク時の生産性を高める4つのポイント
リモートワーク時の生産性を高めるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。方法はいろいろありますが、ここでは4つのポイントに絞って解説します。
- 自宅の作業環境を整える
- 報告する時間を決める
- コミュニケーション量を増やす
- たまにはリフレッシュもする
それぞれ見ていきましょう。生産性の低下に悩んでいる担当者の皆様は、参考にしてください。
1.自宅の作業環境を整える
まずは自宅の作業環境を整えることが大切です。企業側が率先して作業に集中しやすい環境を整えられるようにサポートしましょう。机や椅子はもちろん、防音パネルなど必要設備の経費を一部負担するのも一つの方法です。企業側が環境整備に積極的であれば、従業員も前向きに取り組めるでしょう。
2.報告する時間を決める
作業状況が把握しにくいリモートワークでは、従業員がサボる可能性もあります。そのため、日々の進捗状況を報告させるようにしましょう。報告時間を決め、なるべくWeb会議ツールなどを活用して対面で話すのが効果的です。報告の義務を与えることで、業務にも前向きな姿勢で取り組むようになるでしょう。
3.コミュニケーション量を増やす
オフィスに出社する働き方に比べると、大幅に減ってしまうコミュニケーション。しかし、放置すれば大事な情報共有もおろそかになって、大きなトラブルに発展するリスクもあります。
またコミュニケーション不足は生産性低下だけでなく、信頼関係の構築も難しくなるでしょう。いつでも気軽に質問できる環境やルールを整え、従業員がスムーズに業務遂行できるよう工夫しましょう。定期的に上司が様子を気にかけるようにするのも効果的です。
4.たまにはリフレッシュもする
どんなに環境が整った状況でも、人の集中力には限界があります。しかし、なかには早く終わらせようと休憩なしで無理して働こうとする従業員もいるでしょう。しかし、集中力のない状態で続けても生産性は上がりません。むしろ下がる可能性が高まります。
そこで従業員が心身共に負担なく働けるよう、定期的なリフレッシュ時間を設けるように指導することも大切です。コーヒーブレイクだけでなく適度に運動するよう促せば、気持ちもリセットされてモチベーションがアップし、生産性の向上につながるでしょう。
まとめ
一般的にリモートワークは生産性を高めやすいといわれていますが、十分な環境でないと逆に下がる可能性もあります。従業員一人ひとりの意識も大切ですが、企業側の配慮も必須です。工夫次第で生産性の向上はできます。課題を洗い出し、できることから改善に努めましょう。