「エンジニア」にも色々ある!種類・職種別に仕事内容をチェック!

「エンジニア」とは、もともと工業系の技術者を指す言葉でしたが、コンピューター技術の発展により、インターネットやコンピューターのシステムに関する仕事に携わる人も「エンジニア」と呼ばれています。
代表的なものは「システムエンジニア」や「プログラマー」ですが、他にはどんなものがあるのでしょうか。IT系のエンジニア職を20種紹介します。

ありすぎてよくわからない!IT系のエンジニア職、20種類を解説!

エンジニアの種類

インターネット関連の技術やスキルを仕事としているエンジニアには、専門分野ごとに名称が存在します。企業ごとに若干実態が異なることもありますが、名称から仕事内容を推察することもできるので、エンジニア職に興味のある方は基礎知識としておさえておくとよいでしょう。

システムエンジニア

システムエンジニアはコンピューターのシステム開発を主導する職種です。システム開発には「提案」「設計」「開発」「テスト」といった段階がありますが、そのすべてに関わりクライアントの要望整理と人的資材の管理、スケジュール管理などを担当します。

立場の異なる多くの関係者と相対するため、ITスキルに加えてコミュニケーションスキルも重要視される業務です。

プログラマー

プログラマーは、システムエンジニアがまとめた要件定義書に基づいて、プログラミングを行います。プログラマーにも担当システムや得意な言語によってさまざま名称があります。以下はその一例です。

・Webプログラマー
・ゲーム系プログラマー
・アプリケーションプログラマー
・制御・組み込み系プログラマー
・汎用系システムプログラマー
・通信系プログラマー
・オープン系プログラマー
・Javaプログラマー
・PHPプログラマー など

インフラエンジニア

インフラはinfrastructureの略で「基盤」「基本的施設」などの意味があります。社会的インフラが交通網や電気・水道を指すのに対して、ITインフラはサーバーやネットワーク・端末など、インターネット網全般を指しています。ITインフラの安定的な稼働のために、端末設定・管理・監視・メンテナンスなどを担当します。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアはITインフラのなかでも個々の端末をつなげるシステムづくりを担当します。ルーターやスイッチ・ケーブルなどネットワーク機器の知識が必要で、メール設定やファイアウォールなどセキュリティ面も業務内容に含まれることがあります。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、IT系の専門知識を持った営業マンです。自社製品やITトレンドに精通し、クライアントとの商談に臨みます。専門用語をわかりやすく説明するコミュニケーションスキル、クライアントのニーズと自社製品をマッチさせる提案力などが求められる仕事です。

Webエンジニア

WebエンジニアはWebページやアプリケーションの設計・開発・保守・運用を担当する職種です。一般消費者の目に触れることが多い分野なので、ユーザー目線が大切な仕事です。

ユーザーが利用する部分を担当するWebエンジニアを「フロントエンドエンジニア」、データベース化や暗号化などの処理システムを担当するWebエンジニアを「バックエンドエンジニア」と呼び分けることがあります。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、クライアントがサービスを提供したり社内イントラネットで利用したりするサーバーに関する業務を担当します。

クライアントの要望にあわせたサーバーの設計・構築、マシントラブルに対応可能な予備サーバーの設定、サーバーダウンを防ぐための負荷分散、サーバーの設置や配線作業、ネットワーク障害時の保守対応などがサーバーエンジニアの業務になります。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアはWebエンジニアの一種で、WebサイトやITサービスの利用者が直接目に触れたり操作したりする部分を担当します。Webマーケティングの知識とユーザビリティを意識したサイト制作が求められ、近年はスマホからの閲覧を意識したモバイル対応もフロントエンドエンジニアの必須項目といえるでしょう。

マークアップエンジニア

マークアップエンジニアもフロントエンドエンジニアに類似した業務ですが、テキスト部分を担当するため、フロントエンドエンジニアがさまざまなプログラム言語を必要とするのに対し、マークアップエンジニアはHTMLに特化しているという特徴があります。SEOを意識したコーディングやCSSの知識、テキスト主体のデザインスキルも必要です。

データベースエンジニア

データベースエンジニアとは、クライアントが持つ情報資源を有効活用できるようデータ格納のルールづくりや必要なデータを瞬時に取り出せるシステムづくりをします。データベース構築環境での設計・開発・運用・保守が主な業務ですが、データ分析を営業戦略に役立てるコンサル業務やビッグデータの活用など、新たなフィールドが広がっています。

IoTエンジニア

IoTとは「Internet of Things」の略で生活のあらゆるモノがインターネット機能を搭載し、より便利になっていく仕組みのことです。「モノを操作する」「モノの状態を知る」「モノ同士が連携し自律的に稼働する」などIoT技術の開発が進む一方で、技術者不足が課題となっています。

ブリッジエンジニア

ブリッジエンジニアとは日本と国外の提携先とをスムーズにつなげる役割を担うコミュニケーターのことです。

国内のITエンジニア不足やコスト削減のために海外企業や海外駐在所へ業務を委託・移管する際、現地との商習慣や文化の違いが課題となることがあります。そこでシステムエンジニアのスキルに加え、言語力や国際的な感覚を持った人材が求められています。

エンベデッドエンジニア

エンデベットエンジニアとは、「組み込み系エンジニア」とも呼ばれる職種です。家電製品やAV機器・自動車など、独立した機構内に組み込まれるコンピューターやマイコンの制御システムに携わります。

IoT技術への期待感から家電製品のロボット化やスマートフォンとの連携などが進んでおり、今後ますます需要が高まると期待される分野です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアはクライアントが保有する情報を守るために、セキュリティシステムの企画・提案や設計・実装・テスト・運用・保守などを担当します。所属する企業の方針によって、これらすべての管理業務を担ったり専門分野のみを担当したりという違いはありますが、情報漏えいのリスクやサイバー攻撃の手法は日々変化していくので、常に最新の情報へアップデートしていく意欲が大切になる職種です。

クラウドエンジニア

ITインフラとして登場したクラウドシステムは、従来のサーバーシステムに比べ短期間・低コストでサービスの提供が可能になるので、加速度的に利用者が増えています。

クラウドエンジニアはアマゾンやマイクロソフト、グーグルなどが提供するクラウドサービスの知識に加えITインフラのスキルも必要なため、インフラエンジニアからクラウドエンジニアに転向するケースも多くみられます。

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは「現場のエンジニア」という名のとおり、自社製品の利用者の困りごとを解消したり、保守点検などのメンテナンスを担当したりします。

「サービスエンジニア」とも近接する業務ですが、サービスエンジニアが「営業マン」とみなされるのに対し、フィールドエンジニアは「カスタマーサポート」を主軸としているとみてよいでしょう。

類似する名称に「フィールドアプリケーションエンジニア」「フィールドサービスエンジニア」「カスタマーエンジニア」「サポートエンジニア」などがあり、企業体によって定義はさまざまなので、正確に把握するには実際の業務をきちんと確認する必要があります。

テストエンジニア

テストエンジニアはシステム開発の最終工程である「テスト」の計画や実施・分析などを担当します。従来はプロジェクトマネージャーやシステムエンジニアがテスターに指示していた業務ですが、テスト技法に精通した専任のテストエンジニアを据えることで、システムの品質向上が可能になるとして重要性が高まっている職種です。

環境安全エンジニア

環境安全エンジニアは、国内外の生産現場・工場での安全管理について指導するエンジニアです。環境保全エンジニアともいい、働き手の安全を守るだけでなく、廃棄物・リサイクル・CO2排出制限など、環境に配慮した運営のために幅広い知識が必要となります。

フィールドアプリケーションエンジニア

フィールドアプリケーションエンジニアはセールスエンジニアの一種ですが、主に半導体業界で使われる役職名です。半導体や電子部品に精通し、クライアントからの要望があれば世界中から製品を取り寄せて、カスタマイズしていくこともあります。

プラントエンジニア

プラントエンジニアはこれまで述べてきたIT系エンジニアとは異なり、工業系エンジニアに含まれる職種です。化学プラントや製鉄プラント、電気・ガスなどのエネルギー系プラント、廃棄物処理や下水処理などの環境系プラントで、設計から施工管理までを請け負います。

プラントには「定修」やメンテナンス、建て替えなどが必要なので、プラントエンジニアは常に需要のある仕事だといえます。

まとめ

IT系の技術者を指す「エンジニア」には、専門分野ごとにさまざまな名称があります。同じ名称でも企業体によっては職域が異なることもあり、日々進化するIT技術に対応して新たな職種が生まれることもあるでしょう。

必要な資格や適性も専門分野によって異なるので、気になる職種についてはリサーチを深めていくことをおすすめします。