エンジニアの平均年収はどれくらい?~雇用形態・地域・男女・年齢別~

自由な時間で働ける在宅ワークの中でも、IT系の仕事はリモートとの相性がよく、待遇もよいことで注目されています。
エンジニアの平均収入について、正社員とそれ以外の契約形態や地域別、男女別・年齢別など、詳しく紹介します。エンジニアを目指す人、すでにエンジニアとして活躍している人も自身が含まれるカテゴリーを確認して、エンジニアの市場価値をチェックしてみましょう。

エンジニアの平均年収について、いろいろな切り口でご紹介!

契約形態別の平均年収

契約形態別の平均年収を紹介します。エンジニアの年収は2021年4月時点での求人情報を共に算出されています。比較する働き手全体の平均年収は「2018年分民間給与実態統計調査結果(国税庁)」を参照しました。

正社員の場合

エンジニア職の平均年収は約506万円、月収に換算すると42万円です。

日本の給与所得者の平均年収(業種平均)は約440万円、月収に換算すると37万円なので、エンジニア職は平均と比べて年収で66万円高いということになります。

派遣社員の場合(※時間単価換算)

派遣社員の平均時間単価は1,486円です。

日本の非正規雇用者の平均年収は約179万円なので、年間1,206時間、月間では100時間労働で平均を達成できることになります。実働20日とすれば1日あたり5時間勤務なので、比較的短時間労働で平均を超えられる計算です。

パート・アルバイトの場合(※時間単価換算)

パート・アルバイトの平均時間単価は1,142円です。

日本の非正規雇用者の平均年収は約179万円なので、年間1,567時間、月間では131時間労働で平均を達成できることになります。実働20日とすれば1日あたり6.5時間以上仕事をすれば平均を超えられる計算です。

地域別の平均年収

地域別の平均年収を紹介します。エンジニアの地域別年収は2021年4月時点での求人情報を共に算出されています。

エンジニアの地域別平均年収はIT企業との結びつきが強い京都が1位を記録し、次いで兵庫・大阪の順となっています。首都圏にスキルの高い=年収が多い人材が集中しているのではと予想していた人にとっては、意外な結果なのではないでしょうか。

北海道・東北

北海道・東北エリアのエンジニアの平均年収は404万円で、全国比では2割ほどダウンしています。派遣社員の平均時間単価は1,802円で全国比2割アップ、アルバイトの平均時間単価は1,118円で、全国平均に近い数値となっています。

平均年収は少なく感じられるものの、北海道に拠点を置くIT企業は多く、仙台でもIT企業の誘致に力を入れているので、状況は変化していくとみられます。

中部・北陸

中部・北陸エリアのエンジニアの平均年収は443万円で、全国比では1割ほどダウンしています。派遣社員の平均時間単価は1,772円で全国比2割アップとなっています。

中部・北陸エリアの中では愛知・静岡・石川の順で年収が高く、webでもこの3県の求人情報を数多くチェックすることができます。

関東

関東エリアのエンジニアの平均年収は476万円です。派遣社員の平均時間単価は1,820円、アルバイトの平均時間単価は1,369円で、いずれも全国比2割アップという結果でした。

平均年収は全国平均に近い数字ですが、関東エリアの順位は東京・茨城・神奈川・栃木・千葉・埼玉・群馬の順になっており、東京の543万円から群馬の382万円までと差があります。

また、派遣社員の平均時間単価については、東京・神奈川が全国比の5割アップ、千葉が4割アップという数字で、突出しています。

近畿

近畿エリアのエンジニアの平均年収は482万円です。派遣社員の平均時間単価は2,076円で、全国比4割アップと突出しています。アルバイトの平均時間単価は1,301円で、これも全国比では1割以上のアップです。

近畿エリアの平均年収を府県別にみると
・京都 488万円
・兵庫 483万円
・大阪 474万円
となっており、首都圏よりもIT系に強いのではないかという構造がみえてきます。

中国・四国

中国・四国エリアの平均年収は428万円です。派遣社員の平均時間単価は1,826円で全国比2割アップ、アルバイトの平均時間単価は1,251円で全国比1割アップとなっています。

中国経済産業局や四国経済産業局で情報をチェックすると、ローカル5Gの活用やICT支援が進められていることがわかります。

九州・沖縄

九州・沖縄エリアの平均年収は429万円で、全国平均よりも1割以上ダウンしています。

派遣社員の平均時間単価は1,818円で全国比2割アップ、アルバイトの平均時間単価は1,151円で全国平均に近い数字になっています。

九州・沖縄エリアの中でも、福岡の457万円と沖縄の379万円では、78万円の差があります。

男女別の平均年収

ここからは2017年の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)でシステムエンジニアの年収についてチェックしていきます。

システムエンジニアの平均年収は550.8万円で、職種全体の平均年収は454.5万円なので、ここでもエンジニアは収入が多い職種であることがわかります。

男女別に詳しくみてみましょう。

男性

20歳から59歳までの男性システムエンジニアの平均年収は565万円です。

ピークは40代後半で、667.8万円を記録しています。

女性

20歳から59歳までの女性システムエンジニアの平均年収は505万円です。

女性は50代後半にピークを迎え、619.4万円を記録しています。

男性の平均を100とすると女性の平均は89なので、女性の方が少ない傾向にあることがわかります。

年齢別の平均年収

引き続き、2017年の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)から、年齢別の年収についてチェックしてみましょう。すべての年代にわたって、エンジニアは全産業平均の1.6倍以上の年収を得ていました。

IT系のエンジニアは、若手からベテランに至るまで好待遇が期待できる職種だといえます。

20代

20代前半(20~24歳)の平均年収は339.7万円です。全産業では206.7万円なので、比率は164%になります。

20代後半(25~29歳)の平均年収は441.1万円です。全産業では238.9万円なので、比率は185%になります。

30代

30代前半(30~34歳)の平均年収は519.1万円です。全産業では272.2万円なので、比率は191%になります。

30代後半(35~39歳)の平均年収は539.7万円です。全産業では301.1万円なので、比率は179%になります。

40代

40代前半(40~44歳)の平均年収は576.9万円です。全産業では327.4万円なので、比率は176%になります。

40代後半(45~49歳)の平均年収は605.5万円です。全産業では352.3万円なので、比率は172%になります。

50代

50代前半(50~54歳)の平均年収は622.4万円です。全産業では372.5万円なので、比率は167%になります。

50代後半(55~59歳)の平均年収は632.3万円です。全産業では363.7万円なので、比率は174%になります。

まとめ

エンジニアは世代・性別を問わずに好待遇が期待できる職種ですが、地域別にみると差があることもわかりました。

地方在住でも、平均年収を引き上げている首都圏および近畿エリアの企業でフルリモートの対応がなされていけば、地域格差を感じずに仕事ができるようになるでしょう。

エンジニアはIT知識やプログラミングの学習などが必要な専門職ですが、生涯年収を考えるとそれだけの努力をする価値がある職種だといえます。