リモートワークの勤怠管理はどうする?おすすめのツールと方法を解説

通勤がないため体力的にも時間的にも負担が少なく、多くのビジネスパーソンにとって魅力のあるリモートワーク。その一方で、マネジメントする側にとってはリモートワークの勤怠管理は頭が痛い問題の一つです。

今回は「リモートワークしている従業員の勤怠管理をどうすればよいかわからない」という人のため、おすすめの方法とお役立ちツールを紹介します。

今後も人材をうまく活用していくためには、リモートワークの導入は避けて通れません。勤怠管理に関する社内の体制を整え、従業員が安心してリモートワークに取り組める環境をつくりましょう。

テレワークは勤怠管理ができるかで生産性が大きく変わる

テレワークは勤怠管理ができるかで生産性が大きく変わる

テレワークを導入すれば、すべての従業員がライフステージに関わらず活躍できるようになり、生産性の向上が期待できます。しかし反対に、テレワークが始まってから生産性が落ちたと感じている企業もあるでしょう。テレワークで生産性が上がる企業と下がる企業、その違いはしっかりと勤怠管理ができているか否かです。

勤怠管理では、それぞれの従業員が何時間働いて何時間休み、何時間残業したのか把握します。勤怠管理で大切なのは、ただ労働時間を知ることではなく、従業員のがんばりを認めたり、効率の良さを評価したりすることです。また怠けている従業員に対しては、適切な指導も行います。

勤怠管理は従業員の仕事の成果だけでなく、そこに至る過程も知るための手段です。過程を知ることで、従業員のモチベーションもアップし、チームを正しくマネジメントできるようになるでしょう。結果的にそれがチーム全体の生産性に影響を与えます。

テレワークで勤怠管理ができない4つのデメリット

テレワークで勤怠管理ができない4つのデメリット

テレワークを導入によって勤怠管理ができなくなると、具体的にどのようなデメリットが生じるのでしょうか。考えられるのは以下の3つです。

  1. 従業員を適切に評価できない
  2. コミュニケーション不足に陥る可能性がある
  3. 業務の生産性が落ちる
  4. クライアントからの評価を落とす

それぞれ詳しく解説します。

 

1.従業員を適切に評価できない

勤怠管理をしなくては、従業員を適切に評価できません。仕事はすぐに成果が上がらないこともあります。そのようなときでも正しく勤怠管理していれば、従業員の日々のがんばりが目に見えるので総合的に評価できるでしょう。反対に、日常的に怠けていて周囲の士気を下げている従業員の存在にも気づけます。

しかし勤怠管理という手段がなければ、仕事を成果でしか評価できません。がんばっていても短期的な成果が上がらない従業員が、頻繁に怠けている従業員よりも低く評価される可能性もあります。そうした状態が続けば従業員のあいだで不平・不満が高まり、チーム全体のモチベーションが下がるリスクがあるのです。

 

2.コミュニケーション不足に陥る可能性がある

テレワーク中の勤怠管理は、社内のコミュニケーションにも影響を与えます。通常通り全員がオフィスに出社していれば、在席状況や作業の様子が一目でわかり、ベストなタイミングで報告・連絡・相談が可能です。しかしテレワークでは互いの様子が目に見に見えないため、いつ相手にチャットやメールや電話をするのが良いか迷ってしまいます。

それでもツールによって従業員の勤怠が可視化されていれば、相手の就業時間や在席状況を確認でき、互いにオフィスにいる状況に限りなく近いコミュニケーションが可能になるはずです。

テレワークを進めるのであれば、勤怠管理のシステムもそれに対応させなくてはなりません。そうしなければ、従業員間のコミュニケーションがうまく取れなくなっていき、重要な連絡の重複や漏れといったトラブルにつながるでしょう。

 

3.業務の生産性が落ちる

テレワークで勤怠管理できなくなると、従業員のタイプによって2つの理由から生産性が低下するリスクがあります。まず自己管理能力の低い従業員は、上司にしっかりと勤怠を把握されないと自発的にはタスクや作業時間を管理できません。自宅で作業していて仕事とプライベートの区別がつきにくくなったり、つい怠けたりします。上司は生産性が落ちてから慌てて部下を指導しようとしますが、勤怠の実態を把握していないので、どのように改善すべきか適切な指示が出せません。

反対に責任感が強すぎる従業員の場合、長時間の残業で心身に負担がかかり、かえって生産性が落ちる可能性があります。勤怠管理ができなければ、従業員の残業時間も把握できません。オフィスで働いていれば上司が遅くまで残っている部下に退社するよう注意できますが、自宅では「今日中にここまで終わらせたい」と考えて、つい深夜まで作業してしまうケースがあるのです。

 

4.クライアントからの評価を落とす

テレワークの従業員の勤怠管理をしていない企業は、クライアントからの評価や満足度を下げる可能性もあります。勤怠管理ができていないと、各従業員の出勤や在席の状況をすぐに把握できません。クライアントから問い合わせや要望があったとき、担当の従業員が対応できるかもわからず、クライアントを待たせることになります。1つの案件に関わる従業員が複数人いた場合、一人欠けただけでもクライアントに満足な対応ができないでしょう。

もし納品や請求といった重要な事項に関わる従業員が欠勤していたとき、最悪の場合は期日通りに対応できず、クライアントの信頼を損ねる可能性もあります。勤怠管理は、決して社内の問題だけにとどまらないことを理解しておきましょう。

テレワークで勤怠管理する5つの方法

テレワークで勤怠管理する5つの方法

テレワークの従業員の勤怠管理は、企業の活動を滞りなく進めるために欠かせません。ここでは、テレワークの勤怠管理におすすめの方法を5つ紹介します。

  1. ツールを活用する
  2. 日報を必ず行う
  3. 朝礼でタスクを確認する
  4. 必要に応じて監視ツールを導入する
  5. フレックスタイム制の場合はコアタイムをつくる

それぞれ詳しく解説します。

 

1.ツールを活用する

テレワークの勤怠管理のトラブルを防ぐには、便利なツールの活用がおすすめです。現在は、従業員の出勤・退勤・休憩・一時退席が一目で確認できる、さまざまなクラウドサービスやシステムが生み出されています。テレワークによって各自離れて作業していても、勤怠管理のツールを介すれば、互いの仕事の状況や努力を知ることができます。ツールがあれば、オフィスで集まって働いているときのような円滑なコミュニケーションやモチベーションアップの助けになるでしょう。

また、なかには各従業員のタスクや社内のプロジェクトも同時に管理する機能を備えているものもあり、業務とそれに対して今動いている従業員の状況を併せて把握することで、マネジメントする側は適切な指示が出せるようになります。ツールをうまく活用すれば、テレワークでもチームの生産性を上げることが可能になるでしょう。

 

2.日報を必ず行う

テレワークの勤怠管理では、日報が重要な役割を果たします。各従業員がその日の行動を振り返ることで、自己管理の意識が高まるためです。

自己管理が苦手な従業員は、テレワークで上司の目が届かないところにいると、つい怠けてしまったり、目標に向かって適切なタスク管理ができなかったりといった問題が起きます。しかし日報を必ず行うようにすれば、自身の生産性の低さを反省する機会が得られ、日々の行動を改善しようという意識が生まれるのです。

また、上司は部下の日報を確認することで、離れていても仕事への取り組み方や進捗が把握できます。随時フィードバックを行い、行動を改善するために共に取り組むこともできるでしょう。互いに離れて仕事するテレワークでは、日報は上司と部下の重要なコミュニケーションの手段になるのです。

 

3.朝礼でタスクを確認する

日報は1日を振り返ってのコミュニケーションですが、1日の始まりに朝礼でタスクを確認することも大切です。朝礼でその日1日何を目標として何に取り組むか上司や同僚に報告し、日報でその結果を報告する。それを日々繰り返せば、テレワークでも十分に勤怠管理は可能です。従業員は離れていても上司が自分の仕事ぶりを見ていることを意識し、目標に向かって自己管理できるようになるでしょう。

また上司にとっても、朝礼でのタスク確認は部下にどのようなサポートや指導が必要かを知る機会になります。出勤・退勤・休憩だけをチェックする通常の勤怠管理よりも、日々のマネジメントがしやすいメリットもあるのです。

 

4.必要に応じて監視ツールを導入する

社内の状況によっては、テレワーク中は監視ツールを使用する必要もあるかもしれません。監視ツールとは、従業員のパソコンやスマホの使用状況や画面のキャプチャが確認できるツールです。Webカメラで従業員の在席の状況を直接監視するものもあり、従業員がオフィスに出社しているとき以上に厳格な管理も可能になります。

しかし、従業員の勤怠管理が楽になるからといって、安易な監視ツールの導入はおすすめできません。十分な説明なしに監視ツールを強制されると、従業員側はオフィスにいるとき以上に息苦しさを感じ、企業への不信感も抱く恐れがあります。監視ツールの導入は、成果物だけでは正しく評価できない従業員の努力を見逃さないためのものです。従業員にとってメリットの大きい制度であることを説明し、社内の理解を得るようにしましょう。

 

5.フレックスタイム制の場合はコアタイムをつくる

フレックスタイム制の企業では、コアタイムをつくることも大切です。すべての従業員が必ず在席しているコアタイムがあれば、そのあいだに必要な情報共有や顧客対応ができます。テレワーク特有のコミュニケーション不全や、顧客への対応の遅れを防ぐことが可能です。

従業員は、コアタイム以外の時間で所用を済ませれば周囲に迷惑をかけることもありませんし、企業は従業員のテレワーク中の勤怠管理対策に躍起になる必要もなくなるでしょう。テレワークのメリットである、柔軟でストレスの少ない働き方が可能になります。

テレワークの勤怠管理におすすめのツール

テレワークの勤怠管理におすすめのツール

最後にテレワークの勤怠管理で使える、便利な3つのツールを紹介します。

  • ジョブカン勤怠管理
  • jinjer勤怠
  • TeamSpirit

それぞれの特徴を理解し、自社に合ったツールを選びましょう。

 

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、クラウド型の勤怠管理サービスです。あらゆる業種・契約形態に対応しており、15万社以上の導入実績があります。ジョブカン勤怠管理の特徴は、出勤管理・シフト管理・休暇管理・工数管理・残業管理といった多彩な機能を持ちつつ、それらを単独で利用も可能な点です。

自社に必要な機能だけを導入するため使いこなしやすく、コストも抑えられます。給与計算ソフトとの連携も簡単で、テレワークを機に導入すれば人事・労務の負担を減らせるでしょう。

 

jinjer勤怠

jinjer勤怠も、ジョブカン勤怠管理と同様にクラウド型のサービスです。業種・契約形態を問わず使用できるため、ファストフードチェーンや全国展開しているドラッグストアなどでも導入されています。

jinjer勤怠の特徴は専任担当者がついたり、法改正に合わせてシステムが自動アップデートしたりといった手厚いサポート体制です。勤怠管理ツールの導入に不安がある企業でも、安心して現場に取り入れることができるでしょう。

またjinjer勤怠はさまざまな打刻方法から、それぞれの従業員にとってやりやすいものを選べます。パソコン・スマホ・タブレット・ICカードなどに対応し、誰にとっても使いやすいツールです。

 

TeamSpirit

TeamSpiritとは、Salesforceが提供するプラットフォーム上の勤怠管理システムです。TeamSpiritは勤怠管理・工数管理・予実管理の機能を備えており、社内の人とプロジェクトの動きをトータルで管理できます。さらに蓄積されたデータから労務状況や生産性を分析して数値化するため、長時間残業などの問題にもいち早く気づくことが可能です。

多様な働き方が当たり前となった現在の組織のあり方にも対応しており、テレワークを含めすべての従業員の勤怠状況が可視化されるため、TeamSpiritは人事・労務・マネジメントの強い味方となるでしょう。

まとめ

テレワークは勤怠管理のあり方や、組織内の評価の仕方全体を見直す良い機会になります。仕事の成果と日々の真面目な勤務態度、その両方をバランス良く評価する仕組みができれば、チーム全体のモチベーションをアップし、より生産性を上げられるでしょう。

従業員一人ひとりの自己管理の能力が問われるテレワーク。勤怠管理のためのツールや社内の仕組みを整えたら、そのあとは従業員を信頼して目標に対する日々の行動管理を任せることで、責任感の強い自律的な人材の育成にもつながります。従業員とのコミュニケーションを密にとりながら、テレワーク時代に強い組織づくりを目指しましょう。