リモートワークをサボるとどうなる? テレワークに集中できない人向けサボり対策法
おうち時間の増加やワークライフバランスが重視されるようになった昨今、リモートワークを導入する企業が増えています。上司や同僚の目がない状況で行うリモートワークは、ついついサボりやすく集中力を欠いてしまいがちです。この記事では、リモートワークに集中できないときのサボり対策法を解説します。
リモートワークをサボってしまうのはなぜ? 4つの理由と7つのサボり対策を解説!
リモートワークとは?
リモートワークとは、オフィスから離れた場所で仕事をする働き方です。会社へ出勤する必要がなく、就業場所にとらわれないため、地方在住者や海外在住者でも東京など首都圏の企業で働くことができるようになります。
「リモート」は「遠隔」という意味で、オフィス以外のコワーキングスペースやカフェ、自宅などを就業場所としている場合を「リモートワーク」と呼びます。また、就業場所が機密保持などを目的として自宅に限定されている場合は「在宅ワーク」とも呼ばれます。
リモートワーク及び在宅ワークは、育児や介護など家庭の事情があってフルタイムでの就業が難しい人でも、稼働時間を調整しながら働き続けられるようになるため、ワークライフバランスの実現が期待できるとして注目を集めています。
リモートワークのメリットの一つに、通勤時間が削減できることが挙げられます。特に、自宅を就業場所とする場合は、仕事のために外出する必要がありません。自宅なら、カフェやコワーキングスペースのように飲料代やレンタル代などの費用負担がなく、無料でワークスペースを確保できます。
また、営業など従来であれば客先への外出が必要な職種でも、昨今普及しているオンラインミーティングシステムの活用により、オンラインで業務が完結できるようになっています。
リモートワークの課題
リモートワークを導入している企業がよく抱える悩みに、従業員が仕事をサボってしまう問題があります。月給制で働く正社員をはじめ時給制のパートタイマーであっても、給与を支払っている雇用主にとって、サボり対策は大きな課題です。
働き手にとってのリモートワークは、大きなメリットを得られる働き方であると同時に、「サボっていると思われるのではないか」と不安を覚えやすいという懸念点もあります。なぜなら、リモートワークでは、成果は確認できても、その成果を生み出すまでの過程が確認されにくいからです。
よりよい成果を生み出すために試行錯誤していたとしても、上司から「結果が出るまで時間がかかっているから、サボっているかもしれない」と思われることが不安で、リモートワークを負担に感じる人もいます。
しかし、リモートワークが「サボりやすい仕事環境」なのも事実でしょう。担当業務に慣れてくると時間の余裕が生まれるので、つい携帯を触ってしまうなど業務に関係ないことをしてしまうことがあります。サボり癖がつくと、業務効率が落ちたりレスポンスが遅くなったりして、依頼主や上司との信頼関係にヒビが入ってしまうので注意しましょう。
リモートワークをサボるとどうなる?
もし仮に、リモートワークをサボったらどのような処分があり得るのでしょうか。そのリスクを知って、戒めとしておきましょう。
・そもそもどこまでがサボり?
サボっていたかどうかの判断は雇用主や上司がその都度行うので、「〇〇をしたらサボり」などと該当する行動が一覧にまとめられているケースは多くありません。一般的には、お手洗いに立ったり、コーヒーを飲んだり、タバコを吸ったりするのは許容範囲だと認識されています。オフィスへ出社していたときに許されていた行動なら、リモートワーク中に行っても問題ないでしょう。
サボりだと判断されるのは許容範囲以上の行動で、就業時間中に「テレビを見ていた」「ゲームをしていた」「飲酒しながら仕事した」など、業務に関係のないコンテンツを楽しんでいたケースです。企業の判断によってサボりかどうか決まる行動としては、就業時間中に「お菓子を食べながら仕事した」「子どもが泣いたので世話をした」などが考えられます。
育児や介護のために離席する可能性があるなら、業務開始前に担当者へ相談しておくとよいでしょう。事情を伝えた上で就業すれば、「事情を理解してくれている」という安心感から精神的な負担も少なくなりますよ。
・リモートワークでサボるリスク
就業時間内にも関わらず業務外のことをしていたら、雇用主は従業員をどのように処分できるのでしょうか。程度によっては軽い注意で済む場合もありますが、あまりにサボりの程度がひどい場合には、懲戒免職もあり得ます。
リモートワークをサボったときに考えられる、3つのリスクを紹介します。
・信頼を失ってしまう
リモートワークは依頼主や雇用主からの信頼があって任せてもらえているものです。他人の目がなくても業務を進めてくれる人材だという信用があってリモートワークが許可されているのに、サボりが発覚するとその信頼を一気に失いかねません。
信頼を失うと裁量の大きい仕事は任されにくくなり、キャリアアップやスキルアップの機会が減ってしまうでしょう。また、サボりが発覚して信頼を失った結果、リモートワーク中に定期的な報連相(報告・連絡・相談)を求められ、負担が増える可能性もあります。
現在はサボり抑制のため、マウスが動いているかを監視するシステムや、パソコンの内蔵カメラが常にONになりパソコンの前にいるかを監視するシステムが開発されています。サボりを理由にこうした監視システムが導入されると、働き手としてもプレッシャーが大きく働きにくさを感じてしまうため、リモートワークはサボらない方が安心でしょう。
・給与の払い戻しを求められる可能性がある
労働基準法24条では、労務者が「労務」を提供していない場合、つまり働いていない場合、使用者はその部分に対して賃金を支払う義務はないと定められています。「ノーワーク・ノーペイの原則」としてよく知られていますが、リモートワークにおいてもノーワーク・ノーペイの原則は適用されます。
就業時間中にサボった場合、雇用主はサボっている時間分の給与を支払わなくてもよいのです。仮に給与支給後であったとしても、雇用主はサボりが発覚した時点で、支給済みの給与の払い戻しを求めることができます。
・懲戒免職になるケースもある
就業者には、「職務専念義務」があります。職務専念義務とは、「使用者の指揮命令に従い、その職務に専念する義務」のことで、労働契約に記載されているケースが多いでしょう。職務専念義務に違反していると考えられるほどの度を越したサボりは、懲戒処分の対象になる可能性もあるので注意しましょう。
「バレなければ大丈夫」と思って仕事をサボると、大きなリスクを背負うことになります。リモートワークでサボりやすい環境にあっても、仕事には真面目に取り組むのが安心ですね。
ついサボってしまうのはなぜ?
リモートワークがサボりやすいのには理由があります。4つの理由を紹介するので、当てはまる点がないか振り返ってみましょう。
・他者の目がない
リモートワークはオフィスに出社しているときのように、上司や同僚が同じ空間にいるわけではありません。就業場所を自宅やカフェなどにしていると、仕事しているか確認する他者の目がなく、「サボってもとがめられることがない」などの油断が生まれてしまうのです。
例えば、「ちょっと友人とLINEで連絡を取るだけ」のつもりが長時間のネットサーフィンにつながったり、休憩時間を過ぎても配信動画サイトでの動画視聴を「もう少しだけ」と止められなかったりします。
・目的や目標が明確でない
リモートワークに集中できないのは、仕事のゴールが見えていないからかもしれません。「何のためにこの仕事をしているのか」とする目的意識や、「今日中にここまで終わらせよう」といった目標がないと、作業時間を意識することがなくなるでしょう。
時間に対する意識がなくなると、「時間をかけてでもいつか終わらせればよい」といった思いが芽生えやすいので注意が必要です。
・報連相が不足しやすい
リモートワークでのコミュニケーションは、主にビジネスチャットやメールが活用されます。オンラインでのミーティングツールもありますが、日常的なやり取りはチャットによる文字でのコミュニケーションがメインになるでしょう。
文字だけのコミュニケーションは、上司と部下間で認識のズレが発生しやすかったり、部下からの連絡を上司が見逃したりする懸念があります。報連相の伝達不足が起きやすいリモートワークでは、サボっていても連絡の遅れに気づかれないケースもあります。リモートワーク特有のコミュニケーションが、サボりやすさを生んでいるといえるでしょう。
・就業場所の環境が合っていない
リモートワークは、就業規則や契約書で就業場所を定められていない限り、働き手自身が自由に就業場所を選択できます。自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、就業場所の選択肢も多くあるため、就業場所を選ぶ際には、自身が集中しやすい環境を選ぶことが大切です。
リモートワークに集中できず、ついサボってしまう場合、就業場所が合っていない可能性があります。自宅ではなくコワーキングスペースへ行くことや、自宅のデスク環境を整えることなどの工夫で、集中力アップが期待できます。
リモートワークにおすすめの「業務委託」
リモートワークは、テレワークや在宅ワークなどの言葉と共に、新しい働き方として注目されており、リモートワークの求人数も増加しています。リモートワーク求人情報には、正社員や契約社員、アルバイト、パートタイムなどの雇用形態があります。
その他にも、「業務委託契約」という契約形態で働ける求人も多い点がリモートワークの特徴です。サボりやすい人や、リモートワークを始めることに不安がある人は、まずは業務委託から初めてみることをおすすめします。
業務委託とは、企業が業務の一部またはすべてを外部の事業者や個人に委託する契約のことです。業務委託契約では雇用関係は生まれず、委託側と受託側の立場は対等になります。業務委託の場合は、成果物を重視する企業が多く、どの時間帯に何時間働くかは問題になりにくいでしょう。依頼に対してしっかりと成果物を納品できればよいので、時間の使い方も自由になります。
リモートワークに向いている人の特徴
ついサボりたくなる環境が生まれやすいリモートワークですが、リモートワーク中でもサボらずに仕事を続けられる人はどのような特徴を持つのでしょうか。リモートワークに向いている人の特徴を4つ紹介します。
・自己管理力が高い
誰にも見られていない環境にあるリモートワークだからこそ、自分で自分を律することが求められます。スケジュール管理やタスク管理などを徹底できて、効率的に仕事を進める工夫ができる人はリモートワークに向いています。
仕事中の自己管理だけでなく、休憩時間や終業後のONとOFFの切り替えがはっきりしていることも重要です。休憩時間後もプライベートのことに時間を割いたり、終業時間を過ぎても仕事をし続けたりするのではなく、仕事とプライベートを明確に分けられるとよいでしょう。
・能動的に動ける人
リモートワークでは、監視システムを導入していない限り、上司が部下一人ひとりの様子を確認できません。何か悩みや相談、質問がある場合には、自らが積極的に声をかけなければ問題を解決できないので、能動的にアクションを起こせる人の方がリモートワークでの業務をスムーズに進められます。
行動力に加えて質問力があれば、文字だけのコミュニケーションが多いリモートワークにおいても、ミスコミュニケーションの発生なくやり取りできるでしょう。
・孤独に強い人
リモートワークは、普段から社内の誰かと同じ空間で仕事をする機会がありません。オフィスに出社していたら、隣の席の人と雑談することもあれば、一緒にランチを食べに行くこともあったでしょう。しかし、リモートワークはチャットやオンラインミーティングでのやり取りがメインなので、用件以外の雑談や軽口は発しにくく感じるでしょう。
また、ミーティング時間を除けば1人で黙々と仕事を進めることになるので、孤独感を覚えやすいのがリモートワークの特徴です。孤独な環境でも精神的なストレスを感じることなく、むしろ伸び伸びと仕事ができる人は、リモートワークに向いています。
・仕事環境が整っている人
リモートワークは自宅やカフェ、コワーキングスペースを就業場所とするため、まずは就業場所を決めて仕事環境を整える必要があります。仕事をする上で支障ない環境が整えられなければ、リモートワークの継続は難しいでしょう。
例えば、自宅では家族がいて集中できない場合は、カフェやコワーキングスペースを利用します。しかし、カフェやコワーキングスペースは飲食代や利用料がかかるので、長期間続けられないかもしれません。自宅を就業場所とする場合にも、事前にインターネット回線の開通やパソコンの購入が必要です。
就業場所に選んだカフェが交通量の多い道路沿いにあったり客層が合わなかったりして、「音が気になって集中できなかった」とならないように注意しましょう。また、オンラインミーティングをする人が特に気をつけたいのは、雑音や騒音、家族の生活音などです。会話に集中するためにも、周囲の音はできる限り排除した方がよいでしょう。
効果的なサボり対策法7選
リモートワークでサボってしまうのにはいくつかの理由があり、単純に個人の性格のせいではありません。もしかすると、「怠け者の自分にリモートワークはできない」と思っている人がいるかもしれませんが、適切な対策を採ることでサボりを未然に防ぐことができます。
サボり予防に効果的な7つの対策方法を紹介します。
・不安は業務スタート前に解消する
どの行動が「サボり」に認定されるのか、考え方は企業によって異なります。就業時間中にゲームをしたり副業をしたり、一般的に明らかにサボりだと思われるような行動以外にも、懸念する事柄があれば事前に確認しておきましょう。
例えば、「小さな子どもがいるので世話のために不定期で離席する」「病気がちな家族の介護をしているので緊急で病院に行くことがある」など、個人的な事情がある場合には、事前に相談して理解を得ておく必要があります。事情がある旨を正直に伝えれば、雇用主も無理のない働き方を提案してくれるでしょう。
・就業規則や契約書を再確認
契約時はもちろんですが、就業後にも就業規則や契約書の内容を確認しておきましょう。近年、リモートワークを導入する企業も増えたため、新しい就業規則を策定する企業もあります。
就業規則や契約書には、テレワークの定義、テレワークの対象者、テレワーク勤務時の服務規律、テレワークでの出退勤管理など、細かく要件定義されている場合があります。
就労場所については、「自宅、その他自宅に準じる場所」とされるケースがあります。服務規律では、「勤務中の飲酒の禁止、職務専念義務の明示、副業の禁止、勤務場所を離れないこと」などが明記されています。企業ルールを事前に確認して、サボっていると判断されない行動を心がけることが大切です。
・積極的にコミュニケーションを取る
コミュニケーションが希薄になりやすいリモートワークにおいて、自分から積極的に行動できることは業務を効率的に進める上で重要です。上司からの連絡や確認がない時間は、自由時間のように感じられてサボりやすくなりますが、自分からコミュニケーションを取ることでやり取りが活性化し、サボることがなくなります。
さらに、自ら考えて能動的に行動することで仕事へのやりがいを感じられるでしょう。仕事に対して前向きになれれば、リモートワークでも楽しみながら仕事ができます。
・日々の業務目標を立てる
進捗管理や仕事の段取りを立てるリーダーが不在のリモートワークでは、「明日やればいいか」という考えが生まれやすいためサボりにつながります。このようなサボりを防止する策として、日々の業務目標を立てることをおすすめします。
「今日はここまでデータ整理して上司に報告する」「10時には〇〇を終わらせて、14時には〇〇を進めよう」など、具体的なタイムスケジュールも加えながら目標を設定しましょう。タスク管理によって仕事にメリハリがつくとやる気が出て、目標を達成したときには達成感を得られるので、仕事を楽しめるようになります。
・就業場所を見直す
就業場所に定めがないリモートワークは、どこで働くかを選べるメリットがあります。一方、リモートワークに向いていない環境を就業場所に選んでしまう可能性もあるため注意しましょう。
カフェでのリモートワークに憧れて実践したところ、周囲に雑音があると集中できないことに気づくといったケースがあります。人によって適切なワーク環境があるので、どうしても集中力が切れてサボってしまう人は、働いている場所が本当に自分に合っているか一度見直してみるとよいでしょう。
・自宅のデスク環境を整える
自宅を就業場所としている場合は、自宅のデスク環境が適切か確認しましょう。ワークスペースから見える範囲に、プライベートのものが置かれていないでしょうか。家族がよく通る部屋をワークスペースとしていないでしょうか。
仕事と関係のない物事が目に入りやすい自宅は、カフェやコワーキングスペースなどの就業場所候補と比べても、特に環境整備が必要です。集中できない要因は何かを考えて、原因を取り除けばサボり予防につながります。
・成果物重視の仕事を選ぶ
サボっていると判断されるのは、「就業時間」であるにもかかわらず、業務外のことをしているケースです。つまり、就業時間の概念をなくせば、「サボる」という事象もなくなるでしょう。
例えば、業務にあたるコアタイムが決められていない仕事や、納品物のみで評価されるデータ入力や動画編集、Webデザインなどの仕事を選ぶとよいでしょう。業務委託契約の仕事を選ぶと、企業と雇用関係を結ぶよりも制約は少ないといえます。
まとめ
リモートワークは自由度が高いためサボりやすい環境になりがちですが、工夫次第ではサボることを予防できます。ついサボってしまうのを、「怠惰な性格の自分が悪い」と責めずに、なぜサボってしまうのか、環境要因を探るとよいでしょう。
リモートワークはつい気が緩んでサボることもあるかもしれませんが、サボりが発覚したときにはリスクがあります。「注意」で済む場合もあれば、「懲戒処分」となる可能性も踏まえ、仕事とプライベートの境界をはっきりさせることが重要です。
リモートワークをサボる理由として、リモートワーク特有の文字によるコミュニケーションやコミュニケーション頻度の不足、他者の目がない自由な環境が挙げられます。積極的にコミュニケーションを取ったり、毎日の目標を設定したり、働く場所の環境自体を見直したりすることで、集中しやすいリモートワーク環境が整っていくでしょう。
公式サイト:https://rework-s.com/
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