テレワーク・リモートワークにおすすめのワークスペースをご紹介!

リモートワークは昨今注目されている働き方ですが、「自宅にネット環境がないので始められない」「自宅では集中できない」などの悩みを抱えている人が少なくありません。リモートワークの普及により、街中でもリモートワーカーのためのスペースやサービスが提供されています。リモートワーカー向けおすすめスペースを、まとめて紹介します。

リモートワークに最適なワークスペースとは?おすすめの場所をまとめてご紹介

リモートワークの普及 

リモートワークとは、オフィスに出社する必要がなく、就業場所を比較的自由に選択できる働き方です。インターネット環境さえあれば全国どこからでも働けるため、地方在住者や海外在住者であっても、東京都や神奈川県などの首都圏の企業で働けるようになります。

リモートワークとほぼ同じ意味を持つ言葉に、「テレワーク」があります。テレワークは2019年に厚生労働省が「テレワーク宣言企業」を公募したことで、耳にする機会も増えた言葉ですが、リモートワーク同様、オフィスから離れた場所での働き方を指しています。

働き方改革の推進など、日本政府の後押しもあって、リモートワークやテレワークの導入を進める企業は増えてきています。2021年に総務省が発表した「令和2年度通信利用動向調査の結果」によると、日本企業○○社のうちリモートワークを導入した企業の割合は、47.5%でした。多くの企業がリモートワークを導入すると同時に、リモートワークの求人数も増加しています。

自宅でリモートワークを始めるメリット・デメリット

自宅でリモートワークを始めるメリット・デメリット

リモートワークの就業場所として、コワーキングスペースやカフェ、貸し会議室などが選択できますが、「どこでリモートワークをすれば良いか分からない」と思う人もいるかもしれません。リモートワークを始めるとき、費用や通勤の手間を考慮して、「まずは自宅で始めよう」と考える人が多いでしょう。

自宅を就業場所としてリモートワークする場合に考えられるメリットとデメリットを紹介します。メリットを知り、デメリットを抑えられるように工夫して、就業場所を選択しましょう。

 

・自宅でリモートワークするメリット 

自宅を就業場所とすると、「通勤時間」「家庭と両立」「費用負担」の3つの面でメリットが得られます。それぞれを詳しく紹介します。

・ 通勤時間が必要なくなる

自宅でリモートワークをすれば、家の中で仕事が完結するので、通勤時間が必要なくなります。通勤時間を削減できるだけでなく、通勤ラッシュの公共交通機関の混雑と、それに伴うストレスなど、通勤時にかかる肉体的・精神的負担の軽減も期待できるでしょう。

通勤時間がなくなると空いた時間をプライベートの時間に使ったり、自分のスキルアップのための勉強時間にしたりすることができます。

・家庭の事情に合わせて柔軟に働ける

育児や介護など、個人的な事情から外へ働きに出られない場合でも、リモートワークなら自宅にいながら働けるようになります。「子どもを保育園へ迎えに行くため就業は15時半まで」「家族を病院に連れて行くため週3日休みが必要」など、それぞれの事情に合わせて就業時間を調整できる点はリモートワークの大きなメリットです。

・費用負担がない

コワーキングスペースなどを利用する場合には利用料金が必要ですが、自宅を利用する場合は費用負担なしでリモートワークを始められます。自宅にインターネット回線やパソコンなどの必要機器がそろっている場合には、コストの心配をせず気軽にリモートワークをスタートできるでしょう。

 

・自宅でリモートワークするデメリット

自宅を就業場所とする場合の3つのデメリットについて知っておきましょう。自宅特有の悩みとして、「仕事に集中しにくい」「ON・OFFの切り替えがしにくい」「デスク環境が必要」の3点が挙げられます。

・集中しにくい

自宅は多くの人にとって、「リラックスする場所」です。テレビやゲーム、本などプライベートに関わる物が目に入りやすい自宅環境では、つい本を読み始めてしまったりテレビを見始めたりと、集中力が切れやすくなります。

就業時間中に家族も在宅している場合には、家族の存在が気になって仕事に集中できないケースもあるでしょう。

・ONとOFFの切り替えが難しい

終業時間を過ぎても、「もう少しで切りの良いところまで終わるから」として働きすぎてしまうなど、真面目な人ほど家族との時間を削って仕事に取り組んでしまいがちです。自宅で仕事をするとあいまいになりがちなプライベートとの境界線を、しっかり引くことが大切です。

また、在宅勤務は周囲の人の目がない分、サボりやすくもなります。休憩時間を規定以上に長く取ったり、テレビをつけながら仕事をしたりしても注意されないので、自己管理力が求められます。

 ・デスク環境を整える必要がある

自宅を就業場所にする場合は、まず自宅のどこをワークスペースにするか考え、最適なデスク環境を整える必要があります。インターネット回線の契約やパソコンの購入、パソコンデスクやワークチェアの購入が必要になる場合もあるでしょう。

「リモートワークを始めたいけれど、初期投資が必要だから躊躇している」という人は、スタート時にはリモートワーカー向けのスペースを利用すると、コストの負担感が軽く済むのでおすすめです。

リモートワークに集中できる環境とは? 

リモートワークに集中できる環境とは? 

仕事に集中して取り組めれば、業務効率がアップします。リモートワークに集中できる環境に必要な3つの条件を解説します。

・快適なインターネット環境

リモートワークにおいて、インターネットの通信速度はかなり重要です。リモートワークはインターネットを活用して仕事をすることが多いので、通信速度が遅いと画面遷移してから表示されるまでの時間が長くなり、業務の進み具合に支障をきたすでしょう。

自宅の場合は安定した通信が期待できる固定回線を引くことをおすすめします。レンタルスペースなどを利用する場合は、Wi-Fiが設置されている場所を選ぶと良いでしょう。

回線速度の目安は利用目的によって異なります。インターネット検索などで使用する場合は、平均で30Mbpsほどあれば問題ありません。高画質の動画視聴が必要なら、100Mbps以上の回線速度があればストレスなく仕事を進められるでしょう。

・静かで雑音が少ない

雑音があると、意識が仕事外に向いて集中できなくなります。仕事をする環境を選ぶときは、就業時間中の雑音の程度を確認しておきましょう。

周囲に人がいなくて静かなほど集中できる人がいる反面、適度に他者の存在を感じられた方が集中できる人もいます。自分の傾向に合わせて、集中できる環境を選ぶことが大切です。

・セキュリティがしっかりしている

リモートワークで扱う情報は、基本的に社外へ漏らしてはいけません。セキュリティ対策は万全にしておくと良いでしょう。

重要な文書を作成する場合、人通りがあり、後ろから覗かれる可能性のあるカフェやファミリーレストランなどは、情報漏えいの危険性が高いので避けた方が良いでしょう。また、個室であってもセキュリティ対策がされてないフリーWi-Fiの使用が原因で情報漏えいする恐れもあります。

リモートワークにおすすめスペース 

リモートワークにおすすめスペース 

リモートワークに適した環境を提供している場所やサービスを紹介します。自宅近くや外出のついでに利用できる施設がないか、チェックしてみましょう。

 

・リモートワークに特化したワークスペース 

・コワーキングスペース/シェアオフィス

コワーキングスペースとシェアオフィスは、他人とスペースを共有しながら仕事ができる施設です。コワーキングスペースとシェアオフィスの違いは明確ではありませんが、コワーキングスペースの方が個人向けのイメージが強く、交流会などを開催している施設もあるので、同じ境遇の人同士でコミュニティが形成されやすいという特徴があります。オープンスペースで仕事をすると、リモートワークで感じやすい孤独感を軽減できるでしょう。会話しやすい雰囲気がつくられている施設なら、人脈づくりにも役立ちます。

コワーキングスペースやシェアオフィスには、Wi-Fiや電源タップ、オフィス向け複合機など、仕事を進める上で必要な環境がそろっています。デスクやチェアもデスクワーク用の疲れにくいものを用意しているところが多く、オフィスに近い快適な環境でリモートワークができます。

利用料金は、1日あたり1000~3000円が平均的です。月額料金だと日額よりもお得になる場合もあり、月に1万~3万円ほどの価格設定が一般的です。長期的な利用を考えている場合には、月額契約がおすすめです。

施設によっては、個室利用やブースの貸し切りが可能なところもあります。利用料金はプラスされますが、重要な情報を扱う職種の人やオンライン会議を行うときには、個室利用も検討すると良いでしょう。

・レンタルスペース

レンタルスペースとは、部屋を時間貸しするサービスです。スタジオやキッチンなどさまざまなサービスがありますが、リモートワーク向けのミニオフィスのレンタルも増えています。

部屋の一角を借りるプランや1室丸ごと借りるプランなど、レンタルスペースの種類は多種多様です。価格は地域や部屋の規模で異なりますが、1室丸ごと借りるなど、レンタルするスペースが広いほど価格は高くなります。

レンタルスペースは、周囲に人がいない静かな環境で集中したい人や、機密情報を扱うため人目を気にせず仕事をしたい人におすすめです。

リモートワーク向けのレンタルスペースには、Wi-Fiや電源タップなどの設備のほか、プロジェクターやスクリーン、ホワイトボードなどのオフィス用品が備えられているところも多くあります。そのため、Web会議やオンラインミーティングのときに便利に使えるでしょう。内装やインテリアにこだわっているレンタルスペースもあるので、「自宅でのWeb会議だと、生活感が出てしまうので困る」という人にもおすすめです。

多くのレンタルスペースでは、利用にあたって事前登録が必要です。また、事前予約が必要なところも多いので、首都圏など混雑する地域では当日の飛び込み利用は難しいでしょう。

 

・リモートワーク向けサービス

・カラオケボックス

カラオケボックスでリモートワーク向けプランを打ち出しているところもあります。カラオケボックスは個室なので、周囲を気にせず作業に取り組める点がメリットです。小腹がすいたら飲食もできる上、比較的安価な費用で利用できます。

メリットがある反面、利用時間帯によっては他の部屋からの音漏れなどで、集中できない場合もあります。お客様への電話やWeb会議には向いていない場所だといえるでしょう。

大手カラオケ店の「ビッグエコー」では、「オフィスボックス」というリモートワークプランが提供されています。「オフィスボックス」プランは、電源・Wi-Fi完備の個室をオフィス用品・フリードリンク付きで利用できます。1時間の利用で1人500円、6人以上1室で2500円なので、カラオケ利用時よりもお得に入室できますよ。

他に、「カラオケ館」「ジャンカラ」「コートダジュール」「JOYSOUND」「歌広場」「カラオケの達人」などでも、同様のサービスが展開されています。

・ビジネスホテル

ビジネスホテルがリモートワーク向けに提供している日帰りプランを利用すれば、人の目を気にせず静かな環境で仕事に取り組めるでしょう。ビジネスホテルであれば、Web会議でも背景を気にして自宅の掃除をしたり、雑音を気にしたりする必要がありません。

ビジネスホテルの最大の特徴は、ベッドとお風呂が部屋にあることでしょう。疲れたらシャワーを浴びてリフレッシュしたり、休憩時間にはベッドで仮眠を取ったりできる点が魅力です。

注意したいのは、Wi-Fiの速度です。多くのビジネスホテルでは無料で使えるWi-Fiを設置していますが、リモートワーク利用を対応しきれていない施設では、接続しにくかったり、速度が遅く不満を感じたりすることがあります。

ビジネスホテルがリモートワーク向けに提供する日帰りプランは、一般的に6~8時間の利用で4000~6000円ほどに設定されています。

 

・その他、リモートワーク可能なスペース・サービス

・各自治体が運営する施設

市や区など、自治体が運営している公共施設が、リモートワーク用のスペースを提供しているケースがあります。例えば、埼玉県加須市では「市民プラザかぞ」という施設の一角を、リモートワーカーのために無料で開放しています。

自治体が運営する施設は誰でも利用できるわけではなく、その自治体の在住者のみ利用可能としているパターンが多いので注意が必要です。設備はWi-Fiと電源、机と椅子などの必要最低限のもので、コピー機やホワイトボードなどは備えられていないか有料である場合が多いでしょう。

・カフェ/ファミリーレストラン

低コストで気軽にリモートワークをしたい人におすすめなのが、カフェやファミリーレストランなどの飲食店を就業場所とすることです。飲食店は、ご存知のとおり事前の契約や月額を前払いするなどの手間が必要ありません。スペースを利用するためには、飲食代だけで済む点が魅力的です。

出先で急なメールの返信や資料作成が必要になったときなど、緊急時かつ短時間の利用に向いているといえます。毎日や長時間の利用となると、飲食代がかさんで意外と費用が高くなるので注意しましょう。

また、リモートワーク専用の場所ではないので、長時間の利用は断られる場合もあるでしょう。混雑している店内ではパソコンの画面を覗かれやすいので、情報漏えいに注意する必要があります。

・短期賃貸マンション/マンスリーマンション

静かな個室で集中して仕事をしたい人には1日単位で契約できる短期賃貸マンションがおすすめです。1か月単位で契約できるマンスリーマンションもあります。

多くの短期賃貸マンションでは、インターネット環境が整えられており、家具や家電も備え付けられているので、自宅にいるかのようにリモートワークができるようになります。リモートワーク向けの短期賃貸マンションも増えており、インターネットを高速化した物件や、Web会議をする人のために防音性能を高めた物件もあります。

短期賃貸マンションを利用するためには事前の契約が必要なので、気軽に利用できるカフェなどに比べて手間がかかりますが、セキュリティ面で安心できる点は魅力でしょう。

ワークスペースを選ぶポイント  

ワークスペースを選ぶポイント

リモートワークでは、さまざまなワークスペースの中から自分の性格やライフスタイルに合った場所選びをすることが重要です。4つのポイントを押さえて、最適なリモートワーク環境で仕事を進めましょう。

・無理なく続けられる料金か

就業場所を自宅ではなくコワーキングスペースやレンタルスペースなどにする場合、利用料が必要です。「月額○円」としているところや、「1日○円」「1時間○円」など、料金のカウント方法はさまざまですが、リモートワークを無理なく続けられるコストに収まるかどうかは重要だといえます。

「静かな個室がいいから短期賃貸マンション」「気分転換になるからビジネスホテル」と、自分に向いているという理由だけで長期滞在すると、想定以上に費用がかさんでしまいます。

・通いやすい場所にあるか

自宅でリモートワークする場合を除き、仕事を始めるときには就業場所へ通う必要があります。そのため、自宅から就業場所までの距離や時間は重視しましょう。毎日通うのが難しい場合には、普段は自宅でリモートワークをして、Web会議やオンラインミーティングがあるときだけレンタルオフィスを利用するなど、使い分けると便利です。

施設の立地だけでなく、周辺環境や設備も重要です。自動車で通う場合には、駐車場の有無を確認しましょう。また、道路の混雑状況によっては、就業場所まで通う時間が負担になることもありえます。

・自分にとって働きやすい場所か

リモートワークでは、どこを就業場所とするかによって効率や生産性に違いが生じるでしょう。効率的にリモートワークを進め、生産性をアップしたいのなら、自分の性格と業務内容から、最適なワークスペースはどういう場所かを検討しましょう。

コスト面だけ考えてカフェで仕事をしようとすると、後ろの人の目線が気になって作業に集中できないかもしれません。コワーキングスペースのような開かれた場所は、誰かの意見を聞きながら作業できる反面、Web会議の場としては使いにくいでしょう。

コワーキングスペースやレンタルスペースなどのリモートワーク向けのスペースには、「鍵付き個室」「完全個室」「防音」「24時間利用可」「駐車場あり」「ホワイトボードあり」など多種多様な特徴があります。自分の生活リズムや使い方も加味しながら選ぶと、無理なく続けられますよ。

まとめ

リモートワークは、オフィスから離れた場所で働けるため、全国どこでも働ける新しい働き方です。リモートワークの就業場所としては、自宅をはじめコワーキングスペースやレンタルスペース、カフェ、ビジネスホテルやカラオケボックスなどがあります。

自宅でリモートワークをする場合、費用負担なしで始められる反面、リラックスしやすい空間のため仕事に集中しにくいという難点があります。集中力を高め、効率的に仕事を進めるためには、自分に適した環境でリモートワークをすると良いでしょう。

リモートワークする場所選びには、コスト、立地、自身にとっての快適さを重視することがポイントです。自分の性格も踏まえて、最適なワークスペースを見つけましょう。