在宅勤務やテレワークをするメリットとは? デメリットもあわせて解説!

働き方改革の推進やインターネット技術の発展などを背景に、さまざまな企業が在宅勤務を導入しています。在宅勤務可能な仕事に就くと、どのようなメリットを得られるのでしょうか。今回は在宅勤務を始めるメリットと知っておきたいデメリットを解説します。

在宅勤務を始めたい! 在宅勤務のメリットとデメリット、始めるときのポイントを解説

在宅勤務とは?

在宅勤務はテレワークの一種で、自宅を就業場所として働く勤務形態を指します。オフィスに出勤する働き方と異なり、自宅の一角を仕事用のスペースとして使うためデスクやチェアを用意する必要がありますが、通勤の手間がなくなるというメリットがあります。

在宅勤務を導入している企業のなかには、「週に3日の出社が必要」などと定期的な出社を義務付けている企業があります。一方で、オフィスへの出社が全く必要のない「完全在宅勤務」を認めている企業もあります。

自宅で仕事をしたいと考える人の多くは、オフィスへの出社が必要ない完全在宅勤務を始めたいと思うのではないでしょうか。完全在宅勤務を始めたいなら、気になる求人がオフィスへの出社を義務付けていないか確認しておくと、採用後のミスマッチを防止できますよ。

テレワークとの違いは?

在宅勤務はテレワークの一種ですが、そもそもテレワークとはどのような働き方でしょうか。テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して、時間や場所に制限されずに業務をする就業形態の総称です。

テレワークは働き方の違いから3つに大別されます。具体的には、自宅を就業場所とする「在宅勤務」、移動中の新幹線車内や出張先のカフェなどで働く「モバイルワーク」、企業のオフィスから離れた小規模なオフィスで働く「サテライトオフィスワーク」の3つです。

注目を集める新しい働き方

注目を集める新しい働き方

 

在宅勤務をはじめ、テレワークやリモートワークなど、新しい働き方に関する言葉を耳にする機会が増えた人は多いでしょう。いずれも企業のオフィスに出社せず、時間や場所に縛られない働き方を実現する勤務形態であり、多くの企業が在宅勤務やリモートワークの導入を進めています。

ではなぜ新しい働き方が注目を集めているのでしょうか。導入が進む背景にある3つの理由を解説します。

 

・労働人口の減少

日本は「超少子高齢化社会」と称されるほど、世界的に見ても少子高齢化が進んでいます。高齢化が進んだことで、労働力人口と呼ばれる15歳から64歳の人が減少しており、人材不足に悩む企業が少なくありません。

労働力人口の減少に対する施策として政府が打ち立てたのが「働き方改革」です。働き方改革とは、働く人が個々の事情に応じた働き方を自由に選択できる社会を目指す改革案です。そのための施策の1つとして、在宅勤務を含むテレワークの導入が推奨されています。

在宅勤務を導入する企業への補助金交付やIT化に必要な機材の購入費用への助成金制度などが創設され、テレワークを導入する企業が増加しています。

 

・新型コロナウイルスの拡大

企業が在宅勤務の導入を進めた背景として、2019年12月に報告された新型コロナウイルスが世界的に流行したことが挙げられます。人と人との接触による感染拡大を防ぐため、出社や旅行などの外出を極力避けるように求められ、自宅で過ごす時間が増えました。

2020年4月には非常事態宣言が発令されて出社制限がかかるなど、企業の存続にかかわる事態に発展しました。在宅勤務は、通勤時の混雑を避けつつオフィスでの「3密」を防げるので、感染症対策として有効です。

 

・IT技術の発展と通信デバイスの普及

在宅勤務を実施するためには、快適なインターネット環境やオンラインツール、通信デバイスなどが必要です。インターネット環境がなければ、リアルタイムにコミュニケーションを取ることが困難になるため、スムーズに仕事を進めるには対面でやり取りすることが望まれます。

インターネットが普及した今、多くの人がパソコンやスマートフォン、タブレット端末などの通信デバイスを持つようになりました。オンラインで利用可能なチャットツールやビデオ通話システムが開発され、インターネット上であってもスムーズなやり取りができる時代になっています。

IT技術の発展と通信デバイスの普及により、オンラインで業務が完結する環境を整えやすくなったため、在宅勤務の導入がしやすくなっています。

在宅勤務のメリット8つ

在宅勤務のメリット8つ

在宅勤務に対して、「時間の縛りがなくなる」「通勤しなくて済む」などのイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。在宅勤務を始めると、時間や場所にとらわれない働き方ができる他にも、さまざまなメリットが得られます。

在宅勤務を始めると得られる、具体的なメリットを8つ紹介します。

 

・通勤時間がゼロになる

自宅が仕事場となる在宅勤務は、仕事をするために身支度をして電車に乗るような手間がかかりません。在宅勤務は通勤時間をかけず、すぐに仕事をスタートできる点が大きなメリットです。

在宅勤務なら、通勤のためにオフィスと自宅との往復に数時間を費やす必要がなく、満員電車に苦しめられることがないため、身体的にも消耗しなくなり疲労が軽減するでしょう。通勤時間が不要になって浮いた時間は、プライベートな時間として趣味や勉強、家族との時間にあてられます。

特に都市部のラッシュアワーは、肉体的にも精神的にも負担の多いものです。在宅勤務を始めればプライベートの時間を確保でき、通勤の煩わしさからも解放されるでしょう。

 

・業務効率がアップする

オフィスに出社して働く場合は、周囲の話し声が気になったり、職場の同僚から話しかけられたり、突然の来客や電話に対応したりして、作業を中断せざるを得ないときがあります。作業が中断されると集中が途切れ、業務効率が悪くなってしまいます。

一方で在宅勤務は、オンラインチャットツールなどでやり取りしながら、基本的には1人で作業を行います。作業が中断されることの少ない在宅勤務なら、やるべき作業に集中して取り組める環境が整うため、業務効率がアップし、生産性が向上するでしょう。

 

・育児や介護と両立しやすい

育児や介護などを理由に、働きたくても働けない状況にある人は少なくありません。さまざまな家庭の事情に柔軟に対応できるのが、在宅勤務のメリットです。自宅が就業場所となる在宅勤務なら、自宅を長時間空けられない人でも自宅にいながら働くことができます。

就業先の企業から承諾を得ておく必要がありますが、在宅勤務なら育児中や介護中に発生する不測の事態にすぐに対応したり、子どもや家族を病院に連れて行ったりすることも可能です。

家庭の事情によらず誰もが「働く」という選択肢を選べるようになり、ライフステージやライフスタイルに合わせた働き方を実現できるのが在宅勤務です。

 

・自身のスキルアップにつながる

オフィスに出社する働き方では同じフロアに上司がいるため、進捗管理や細かなタスク管理まで上司が行うことができました。自宅を仕事場にする在宅勤務では、上司が従業員一人ひとりの進捗状況を細かく確認できません。そのため、在宅勤務をする人にはスケジュール通りに仕事を進める「自己管理能力」が求められます。

在宅勤務によって自分の裁量で仕事を進める機会が増えると、効率的な時間の使い方やタスクの優先順位の付け方を覚えられます。在宅勤務を始めた結果、高い自己管理力が身についていき、自身の成長を実感できるでしょう。

 

・人間関係で悩みにくくなる

「長く仕事を続けるために重要なのは職場の人間関係だ」と考える人は多いでしょう。オフィスに出社して勤務する場合は、同僚と雑談したり一緒にランチに出掛けたりと、仕事以外で気を遣う場面が多く、わずらわしさを感じることがあるかもしれません。

基本的に1人で仕事をする在宅勤務では、必要以上にコミュニケーションを取る場面がないため人間関係のわずらわしさは少なくなります。

業務内容や企業によっては、オンラインミーティングツールで会話をする機会が多い場合があります。人との会話が苦ではない人や積極的にコミュニケーションを取りたい人は、オンラインミーティングの回数が多い仕事を選ぶとよいでしょう。反対に、コミュニケーションを取らずに進められる業務は、1人でもくもくと作業したい人向けです。自分の性格に合わせて業務を選択するとミスマッチが防げますよ。

 

・勤務地の制限がない

自宅が仕事場となる在宅勤務なら、企業のオフィスがどこにあっても自宅を拠点として勤められます。週に数回の出社が必要な場合はオフィス近辺に自宅がある方が通勤しやすいですが、出社が必要ない完全在宅勤務なら、地方在住者が東京の企業に勤めることも可能になります。

インターネット環境とパソコン1台さえあれば在宅勤務を始められるため、たとえ家の事情で引っ越しするときも、転居先のインターネット環境さえ整えばすぐに仕事を再開できます。

 

・時間の融通がきく

在宅勤務の場合、いつまでに何をするという仕事の内容と成果物が決められていて、仕事の過程に関しては自由としている企業があります。つまり、成果物をしっかりと提出するなら、「どの時間帯に働いてもよい」となる場合があるのです。

就業時間に関する裁量権があれば、日中は家事や育児に取り組み、子どもが寝静まった夜に集中して作業するという時間の使い方ができるようになります。日中、仕事をしているときに急な予定が入った場合には、すぐに中断して落ち着いてから作業を再開することもできるため、個人の事情に合わせた柔軟な働き方が実現できるでしょう。

 

・緊急時のリスク低減

災害が発生すると、オフィスへの通勤が難しくなるケースは多くあります。地震や津波、土砂崩れなどの天災の他、パンデミック予防の観点からも、在宅勤務を始めるメリットは大きいでしょう。

災害とまではいかずとも、台風や人身事故などによる電車の遅延や運休など、通勤を困難にする事態に巻き込まれたことのある人は多いのではないでしょうか。例年、雪が少ない地域で積雪が発生すると、交通手段がストップして駅に大勢の人が詰めかける様子がニュース記事になります。在宅勤務をしていれば、そうした災害時でも時間を無駄にすることなく仕事をスタートでき、就業後はスムーズにプライベートの時間を楽しめます。

在宅勤務のデメリット

在宅勤務のデメリット

在宅勤務は、通勤の手間がなくなり業務効率化を図れるなどのメリットがありますが、働き方が変わることで得られるのはメリットばかりではありません。在宅勤務にはデメリットもあるので注意しましょう。

在宅勤務のデメリットを理解しておくと、いざ在宅勤務を始めようとする際にも対策できるでしょう。在宅勤務を始めると感じやすいデメリットを5つ紹介します。

 

・仕事とプライベートの線引きが難しい

自宅と仕事場が同じ空間になる在宅勤務において、オンとオフの切り替えの難しさに悩む人は少なくありません。仕事とプライベートとの境界線があいまいになってしまい、ついソファでくつろぎ始めてしまったり、家事に気を取られてしまったりするかもしれません。

オフィスに出社していれば出退勤のタイミングがオンとオフの切り替えスイッチになっていたのに、自宅ではオンとオフの切り替えができない場面は数多くあります。真面目な人ほど、仕事が終わらないからといって家族との時間を減らして仕事をし続けたり、プライベートな時間なのに仕事関連の通知が届くと気になってすぐに見てしまったりと、プライベートの時間を使って仕事をしてしまう場合もあるでしょう。

プライベートの時間が増えるという在宅勤務のメリットを享受するためにも、仕事とプライベートとの切り替えを意識して、無理のないように在宅勤務を行う意識を持ちたいですね。

 

・正当な評価を受けにくい

在宅勤務では、同僚や上司とのやり取りがオンラインで完結します。上司にとっては従業員の働きぶりを直接確認できないため、勤務態度などの評価がしにくい状況です。そのため、形として見えやすい成果物や結果だけで判断されがちになり、正当な評価を受けにくくなる可能性があります。

成果を出すまでの過程で努力した内容やチャレンジしたことが上司に伝わらないので、「評価に納得できない」と感じる在宅ワーカーもいます。納得感のない人事評価はモチベーションの低下につながるため、在宅勤務可能な仕事を探す場合は、企業の評価基準や評価方法まで確認しておけるとよいですね。

 

・認識のずれが起きやすい

在宅勤務でのコミュニケーションは、基本的にはチャットによる文字でのやり取りとなります。そのため、在宅勤務では職場の上司や同僚と直接顔をあわせて仕事をする機会が少なくなるでしょう。対面で仕事をする機会が減ると、業務上のコミュニケーション不足が生じるリスクが高まります。

出社して対面で会話をしていれば、相手の声のトーンや表情から言葉の意味をくみ取った上で業務を進められます。一方、文字によるコミュニケーションが主となる在宅勤務では、相手の表情や声色といった情報がないため、心の機微や意図をくみ取りにくくなります。

文字情報だけでは、言葉不足や説明不足、勘違いが起きやすく、認識のずれが発生してしまいます。認識のずれが発生していると気づいたときには問題が大きくなっている場合が多いため、在宅勤務では細やかな報告と連絡、確認が重要です。

 

・孤独を感じやすい

1人でもくもくと作業することが負担にならない人には在宅勤務が適していますが、自宅で1人仕事をする在宅勤務の孤独感に耐えられない人もいます。在宅勤務は、仕事の相談を気軽にしたり、仕事の成功を一緒に喜んだり、切磋琢磨したりする相手を得にくい環境です。

対面なら気軽にできていたちょっとした相談や質問をするにも、メールやチャットでわざわざ問いかけるのは気が引けて、疑問や悩みを解決できない場合があるでしょう。疑問や悩みが解決できないと、不安を抱えたまま仕事を進めなければならないのでストレスを感じたり、仕事の進捗が悪くなったりする可能性があります。

チャットでのコミュニケーションだとしても、わからないことを素直に質問すれば相手はきっと答えてくれるはずです。コミュニケーション不足になって孤独感を抱えないためにも、自分から積極的に質問や発言をすると、仕事に対して前向きに取り組めるようになりますよ。

 

・コストがかかる

在宅勤務はインターネット環境とパソコン1台さえあれば誰でも始められます。自宅にWi-Fiの設備が整っていない場合は、レンタルWi-Fiを利用するか自宅に固定回線を引く必要があるため初期費用がかかるでしょう。スムーズに仕事を進めるため、業務内容によってはより高スペックなパソコンを購入する必要があるかもしれません。

最低限必要な環境と設備は、勤務先の企業に事前に確認しておきましょう。企業によっては、パソコンなどの機材を無料で支給したり、貸与制度を設けたりしている場合があります。

在宅勤務を始める際に欠かせないのが、セキュリティ対策です。在宅勤務では企業の重要機密や顧客の個人情報を扱う可能性があるため、情報漏洩には十分に気をつけなければなりません。

個人のパソコンやインターネット回線を使って仕事をするなら、有償のセキュリティソフトをダウンロードすることをおすすめします。その他、「仕事で使うパソコンを家族との共用にしない」「定期的にセキュリティチェックを実施する」などの対策を実施しましょう。

在宅勤務を導入する企業は増えている

インターネット技術の発達や働き方改革の推進を背景に、在宅勤務を導入する企業は増えています。総務省が発表した「令和3年版 情報通信白書」によると、2020年3月のリモートワーク実施率は13.2%でした。新型コロナウイルスの感染拡大によって1回目の緊急事態宣言が発令された後の2020年4月には、リモートワーク実施率は27.9%まで上昇しています。

1回目の緊急事態宣言が解除されるとリモートワーク実施率は一時低下したものの、2021年3月に発令された2回目の緊急事態宣言時には38.4%に再上昇しました。在宅勤務は社会情勢によって実施率に多少の変動はありますが、徐々に定着している様子がみてとれ、今後も導入する企業は増えると予想されます。

「令和3年版 情報通信白書」では、テレワークの一種である在宅勤務の実施率も発表されています。資料によると、インターネットを使用したテレワークを実施した経験がある人のうち80%近くが在宅でテレワークを実施しており、サテライトオフィスやモバイルワークの実施率は少ないとわかりました。

在宅勤務の導入事例

在宅勤務の導入事例

在宅勤務はさまざまな企業で導入されています。実際に在宅勤務を導入した企業の例を5つ紹介します。

 

・株式会社リクルートマネージメントソリューションズ

「株式会社リクルートマネージメントソリューションズ」は、企業経営や人材開発のコンサルティングサービスを展開しています。仕事の効率化を図るために2013年からテレワーク制度を導入し、2016年からは本格的に働き方改革に取り組み始めました。

具体的には、終日自宅で仕事をする「1日在宅勤務」と、顧客の企業先から直行直帰して自宅で仕事を続けられる「直行前・直行後勤務」の2パターンを用意して、在宅勤務を希望する人が働き方を選択できる体制を整えました。

同社では育児や介護中の従業員の福利厚生としてだけではなく、組織全体の生産性向上のために全従業員が在宅勤務を実施できます。また、プライベートの話もしやすいグループ会や1on1を行って社員同士のコミュニケーションを深め、上司が勤怠データチェックを毎週行って長時間労働に陥らないよう注意を払っています。

 

・株式会社WORK SMILE LABO

卸売業を営む「株式会社WORK SMILE LABO」は、育児中の従業員が子どもの急病などで急遽休みとなる日に他の従業員の負担が大きくなるという課題を抱えていました。月の残業時間が従業員1人あたり40~50時間になる状況が続いたことから、在宅勤務の導入を決意しました。

子育てと仕事の両立を図るため、全従業員を対象に在宅勤務を導入。誰でも在宅勤務を始められるように、全従業員にパソコンを支給しました。自宅や外出先でも企業のサーバーにアクセスできるようにしたことで、オフィスにいるときと同じように仕事を進められる環境を整え、働きやすさの向上を実現しています。

 

・エバーノート株式会社

テキストや動画、画像などの情報をまとめて保存できるメモアプリ・Evernoteを提供する「エバーノート株式会社」は、在宅勤務をはじめとするテレワークを積極的に取り入れている企業です。従業員の予定を記載したカレンダーを社内に公開し、在宅勤務でコミュニケーションが取りにくい状況にあってもスケジュール調整をしやすくしました。

従業員同士が前もって予定を把握できるのでお互いの予定を調整しやすく、スケジュール調整のために何度もやり取りする必要がなくなり業務の効率化につながっています。

 

・アフラック生命保険株式会社

「アフラック生命保険株式会社」では、全社員が在宅勤務を行えます。所属長に事前に届け出れば、在宅勤務を行う頻度や時間に制限なく在宅勤務制度を利用できます。在宅勤務の就業時間は一般的な9時から17時までではなく、7時から21時までの間で実施でき、従業員個人の事情に応じて柔軟な働き方ができるようにしました。

在宅勤務を行う場合は、事前に業務やスケジュールを申請する必要があるため、従業員一人ひとりの業務効率がアップするという成果も得られています。

 

・株式会社ありがとうファーム

障がい者雇用に積極的な「株式会社ありがとうファーム」では、通勤や人混みが不得意な従業員が多く在籍しています。対人緊張や自閉症、うつ病やパニック障がいなどの症状を抱える従業員が、無理せず仕事を楽しめるようにと導入されたのが在宅勤務です。

出社する際に乗り越えなければならなかった満員電車や騒音、人混みなどから解放されたことで、かつては出社が困難だった人が毎日出社できるなどの効果がありました。

初めての在宅勤務で失敗しないための3つのポイント

在宅勤務にはたくさんのメリットがある反面、デメリットもあります。せっかく在宅勤務を始めるなら、メリットだけ感じながら楽しく仕事をしたいですよね。

在宅勤務のデメリットを踏まえて在宅勤務をうまく導入できれば、「オフィスに出社していた方が良かった」と後悔する可能性が低くなります。初めての在宅勤務で失敗しないための3つのポイントを紹介します。

 

・まずは週1~2回の頻度で始める

週5日のフルタイム勤務で在宅勤務を始めると、ツールの扱いやパソコン操作に苦戦したりプライベートとの区切りがうまくいかなかったりと、思うように仕事を進められないことがストレスになるかもしれません。つまずきが多いと「自分に在宅勤務は向いていない」と感じ、在宅でのお仕事を諦めてしまいやすいので、まずは少ない頻度で在宅勤務を始めてみましょう。週に1~2回程度から始め、在宅勤務に慣れてきたら徐々に増やしていくと、ストレスなく在宅勤務に順応できます。

企業に雇用される働き方の場合は、就業日数や時間が就業規則で定められているときがあるので、求人に応募する際は注意しましょう。

最初は小規模で在宅勤務を始め、徐々に在宅で仕事する割合を増やしたい人は、就業時間や日数に定めのない業務委託契約ができる求人を探すとよいでしょう。まずはやってみて、「自分が在宅勤務に向いているか」「在宅勤務をするときの課題は何か」を明らかにしてから、本格的に在宅勤務をスタートするか検討すると安心ですね。

 

・気になる求人はとことんチェック

在宅勤務を始める際は、雇用形態や就業形態によらず求人サイトや転職支援サイト、クラウドソーシングサイトなどの各種サービスを利用するケースが多いでしょう。各サイトに掲載されている求人情報の一覧には、業務内容はもちろん、応募条件や待遇が異なるさまざまな求人が掲載されています。応募する求人を探す場合は、求人情報の内容をしっかり確認して、業務開始後の認識のずれがないようにしておきましょう。

採用されてから後悔しないためには、自分の希望する条件を明確にしておく必要があります。子育てとの両立を目指す人なら、「時短勤務可能」「急なお休みも取得OK」などの希望があるかもしれません。キャリアアップを目指すなら「正社員登用制度あり」や「資格取得支援制度あり」といった企業の求人がマッチするでしょう。

求人の応募元企業のホームページや口コミをチェックして、社内の雰囲気や人事評価制度に関するリサーチもしておくのもおすすめです。せっかく在宅勤務を始めるのですから、応募する企業は後悔しないようにじっくり選びたいですね。

 

・就業環境を整える

在宅勤務はインターネット環境とパソコンが1台あれば、業務の遂行上は問題ありません。しかし、例えば私物が乱雑に置かれ、気が散りやすい部屋で仕事をしては集中が途切れがちになります。業務効率を上げ、短時間でより多くの成果を出すためには、自分が集中しやすい環境を整えることをおすすめします。

集中しやすい環境づくりのために必要なのは、整理整頓され余計な物が目に入らないワークスペースです。さらに、正しい姿勢を保つチェアやデスクがあると、肩こりや腰痛を予防できるのでより集中しやすくなるでしょう。

まとめ

テレワークの一種である在宅勤務を始めると、「通勤時間がなくなりプライベートの時間が増える」「スキルアップが期待できる」「人間関係の悩みが少なくなる」などのメリットが得られます。ただし、在宅勤務には、「コミュニケーション不足による孤独感や認識のずれが発生しやすい」「高い自己管理能力が必要」「正当な人事評価がされにくい」などのデメリットもあります。

在宅勤務を導入する企業が増え、さまざまな人が在宅勤務を選択できるようになった今、自分の性格やライフスタイルに合った働き方を選ぶことが大切です。在宅勤務を始めるなら、自分に合っているか確認するため、まずは週に1回程度のスモールスケールで在宅勤務をスタートすることをおすすめします。

在宅勤務のデメリットを理解した上で、しっかりと対策や準備をしてから在宅勤務に臨むと、在宅勤務のメリットを最大限に享受できるでしょう。