在宅ワークはどんな働き方? 仕事の種類やメリットとデメリットをご紹介

働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、自宅で働ける在宅ワークが注目されています。在宅ワークは個人の生活スタイルに合わせやすい新しい働き方ですが、どのような種類の仕事があるのでしょうか。在宅ワークのメリット・デメリットも含めて解説します。

自宅で働ける在宅ワークとは? 自分に合った仕事を選ぶために在宅ワークについて知ろう

在宅ワークとは?

在宅ワークとは、企業のオフィスに出社せずに自宅で働くスタイルを指します。自宅を就業場所とするため、自宅にあるデスクやインターネット環境を使って仕事をする点が特徴です。

在宅ワークは主に自宅で業務が完結する働き方なので、上司や同僚とのコミュニケーションは、オンラインミーティングツールやビジネスチャットツールなどを活用した非対面コミュニケーションがメインとなります。

「在宅ワーク」と聞くと、全く出社をしない「完全在宅勤務」だと思うかもしれません。しかし、企業や業務内容によっては、週に1回ないし2回ほどの出勤を求められるケースがあります。出社の有無に注意して在宅ワークを始めれば、面倒な通勤に時間をかけることなく仕事をスタートできますよ。

ワーク・ライフ・バランスが重視される今、在宅ワークを導入する企業が増えています。通信技術の発展により在宅ワークができる仕事の種類も増加していますが、業務内容によっては在宅ワークに向いていないものがあるので注意しましょう。

テレワークとの違い

「在宅ワーク」に似た言葉に「テレワーク」があります。意味が似ており混同しやすい言葉なので、「2つの言葉の違いがわからない」と感じている人は多いのではないでしょうか。

テレワークとは、「企業のオフィスから離れた場所で働くこと」を指しています。テレワークにおける就業場所は自宅に限定されず、カフェや出張先、移動中の新幹線や飛行機内での業務なども含む点が在宅ワークの違いです。

在宅ワークはテレワークの一種であるといえるでしょう。在宅ワーク以外にテレワークに該当する働き方として、サテライトオフィスを就業場所とする「サテライトオフィス勤務」や移動中の新幹線車内や外出先のカフェで働く「モバイルワーク」があります。

テレワークは場所や時間にとらわれることなく仕事ができる新しい働き方です。オンラインで仕事が完結しやすくなり、テレワークを選択できる環境が整ったことで、テレワークを始めたいと考える人が増えています。

在宅ワークの雇用/就業形態

在宅ワークの雇用/就業形態 

在宅ワークを始めたいと考える人のなかには、「扶養範囲内で働きたい」「子育てと両立するため時短勤務したい」という人がいるかもしれません。せっかく仕事を始めるのなら、無理なく長く続けられる働き方を選びたいですよね。

在宅ワークなら、自宅にいながらにして無理なく収入を得られます。在宅ワークは雇用形態や就業形態が豊富なので、家庭の事情や個人の希望に合わせた働き方が実現できるでしょう。

在宅ワークで選べる雇用形態や就業形態を紹介します。

 

・正社員

正社員は、勤務先の企業と雇用契約を結ぶ雇用形態です。主な正社員の働き方は、1日8時間ほどのフルタイム勤務になります。正社員は在宅ワークかどうかによらず企業の就業規則に従って勤務し、企業の福利厚生を利用できる雇用形態です。毎月一定額の給与が支払われるので、安定した収入を得られる点も魅力でしょう。

在宅ワークが可能な正社員求人の数は多くありませんが、週に数回の出社を伴う在宅ワーク求人であれば見つけやすいでしょう。正社員として在宅ワークを始めたいなら、希望する職種に関連する資格を取得したり実務経験を積んだりしておくと、採用率がアップしますよ。

 

・契約社員

契約社員は勤務先企業と雇用契約を結ぶ働き方で、契約期間に定めがあります。契約社員は有期雇用ですが、契約更新によって契約期間の延長が可能です。

2020年に施行された「同一労働同一賃金」の取り組みにより、契約社員と正社員との格差は是正されつつありますが、福利厚生の利用が一部制限されたり勤務時間総数によっては社会保険に加入できない場合があったりするので注意しましょう。

契約社員として働ける在宅ワークの種類はそれほど多くありませんが、契約社員は比較的安定した収入を得ながら、正社員よりも時間的な縛りが少ない状態で働けます。

 

・アルバイト/パートタイム

法律上は「パートタイム労働者」とされるアルバイトやパートタイム勤務は、契約期間の定めがある場合が多いでしょう。正社員よりも業務内容が限定されるケースが多く、勤務時間も短めである場合が多い傾向です。アルバイトやパートタイムは働く時間や日数を個人の希望に合わせてもらいやすく、短時間勤務したい人に適した働き方だといえます。

在宅で働けるアルバイトやパートの求人情報は、正社員や契約社員の求人情報よりも多いので見つけやすいでしょう。

 

業務委託

業務委託は、企業と雇用関係を結ばない働き方です。個人事業主やフリーランスとして企業と業務委託契約を結び、業務を請け負います。企業の指示に従うのではなく、あくまで企業と対等な関係にある点が特徴です。

業務委託では、就業場所や就業時間を自分で自由に決められるケースが多いでしょう。自由度が高いため、ライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすいのがメリットです。一方で、仕事を請け負わないと収入が減るため、年収が不安定になりやすいでしょう。

業務委託は働き手の責任となる部分が大きい働き方なので、無理のないスケジュールを立てるための自己管理力やクライアントの意図を正確に聞き出すコミュニケーション能力などがあると、業務をスムーズに進められるでしょう。

在宅ワークと相性の良い仕事の特徴

在宅ワークと相性の良い仕事の特徴

在宅ワークが可能な仕事の種類は増えつつありますが、在宅ワークをしやすい仕事にはどのような特徴があるのでしょうか。仕事内容によっては、在宅ワークを導入しにくいために求人数が少ない場合があります。

「在宅ワークOK」の求人数が見つからず、希望通りの求人に出会えないのは困りものですよね。求人探しの際は、在宅ワークしやすい仕事を選んで求人を探すことで選択肢を広げましょう。

在宅ワークと相性の良い仕事に共通する、3つの特徴を紹介します。

 

・遠隔地からでも働ける

在宅ワークは企業のオフィスに出社せずに働けます。そのため、地方在住者でも首都圏の企業の仕事を請け負ったり、東京都に住む人が地方の企業で就業したりできるでしょう。

すべての業務がオンラインで完結しやすい事務系の仕事やデザイナーなどのクリエイティブ職、システムエンジニアなどは在宅ワークに向いています。

一方、就業場所に制限がある仕事は在宅ワークに向いていません。例えば、飲食業はお客様がいる場に働き手がいなければ仕事にならないでしょう。工場に出勤して機械を直接扱う製造業も、在宅ワークしにくい仕事の1つです。

 

・成果を評価しやすい

在宅ワークでは上司やクライアントの目が届かないため、仕事の進捗や過程を把握しにくいデメリットがあります。適切な評価が可能になるという点では、仕事の成果が表れやすい仕事が在宅ワークと相性が良いでしょう。

例えば、プログラマーやデザイナー、ライターなどは、クライアントの依頼内容に沿った成果物の納品によって仕事が完了します。成果がわかりやすい場合は、報酬形態が「1件○千円」や「1文字○円」などと設定されることが多いでしょう。

逆に成果を評価しにくい仕事は、在宅ワークに向いていません。具体的には、仕事の功績がすぐには表面化しにくいコンサルタント業務や「1件○円」といった報酬設定がしにくい仕事が挙げられます。

しかし、「1件○千円」といった報酬設定がしにくい仕事でも、「1時間あたり1200円」などと時間単価を設定するケースがあります。秘書や総務、営業事務などの仕事は時間単価制で募集されている案件が多くあります。成果報酬制や時間単価制のこだわりなく仕事を探してみると選択肢が広がりますよ。

 

・専門性が高い

在宅ワークができる求人情報は数多くあり、誰でもできる簡単な業務から専門性が高い業務まで、業務内容や求められるスキルは多岐にわたります。スキルや経験がなくても始められる在宅ワークは多くありますが、より高収入を目指すなら専門性が高い仕事を選びましょう。中小企業診断士やファイナンシャル・プランナーなど、資格を持つ人を募集する在宅ワーク求人なら、在宅ワークで時間的な自由を得ながら高収入が期待できます。

もちろん専門スキルがなければ在宅ワークができないわけではありません。自分の興味のある仕事に役立つ資格取得を将来の目標として、まずは「未経験可」の在宅ワーク求人に応募してみるなど、スモールステップから始めてみましょう。

在宅ワークは誰でもスタートできる働き方です。「資格がなければできない」と気負わずに、求人を探したり応募したりして行動することが大切ですね。

在宅ワークにおすすめの仕事10選

在宅ワークにおすすめの仕事10選

在宅ワーク可能な求人の仕事内容は、経験者向けだけでなく初心者向けの業務も数多くあります。初めて在宅ワークで未経験職種に挑戦するのが不安な人は、「未経験歓迎」としている求人情報を探してみましょう。きっと自分が無理なく続けられる仕事と出会えるでしょう。

多種多様な仕事内容のなかでも特に在宅ワークしやすい仕事を、「未経験OK」と「高収入が目指せる」の2つのカテゴリで10種紹介します。

 

・未経験OK! スキルや経験がなくても始めやすい仕事

特別なスキルや経験がない人でも、応募可能な在宅ワーク求人が増えています。企業にとっては、簡単な業務を在宅ワーカーに委託し、出社している人には社内でしかできない業務を任せることで仕事の効率化が図れるというメリットがあるからです。

在宅ワークが初めてで不安なときや在宅ワークが自分に合っているか確かめたいときは、未経験でも応募できる在宅ワーク求人を探してみましょう。経験不問とされることの多い在宅ワークを、5つ紹介します。

事務

「事務」は、クライアントから依頼された書類の作成や資料整理、データ入力やスケジュール調整など、さまざまな業務を行います。事務の仕事といっても、業務範囲の違いから営業事務や経理事務、一般事務などに細かく分類されるので、業務内容はしっかり確認してから応募するようにしましょう。

求人の応募要項欄には、「簿記検定2級以上必須」などと、必要な資格の情報が記載されている場合があります。募集資格に業務上必要なスキルや経験が記載されているケースを除けば、事務の仕事の多くは未経験でも挑戦可能です。

事務の仕事は未経験でも気軽に始めやすいため、採用倍率が高かったり報酬が比較的低めに設定されていたりします。その一方で、実績と経験を積めばチームリーダーやより高難度な事務の仕事に挑めるので、キャリアアップが実現しやすいというメリットがあります。

Webライター

「Webライター」は、クライアントの依頼に沿った内容の記事を執筆します。執筆した記事は、企業のホームページやWebサイト、オウンドメディアなどに掲載されます。

Webライターを始めるために特別な資格は必要ありません。文章の読み書きが好きな人、自分の得意ジャンルや興味のある分野がある人なら、Webライティングの仕事を楽しみながら続けられるでしょう。

Webライターに依頼される記事のテーマは、記事が掲載されるサイトやクライアントによってさまざまです。得意なジャンルがあれば、それをテーマに多くの記事を作成することができるでしょう。例えば、「動物」をテーマにしたサイトであれば、「一人暮らしにおすすめのペット」「子犬期のトイレトレーニング」「世界の絶滅危惧種」などより細かなテーマが取り上げられるので、いろいろなことに興味を持てる人に向いています。

自分の得意分野や「好き」という気持ちを活かせるテーマは何かを考えてみると、他の誰にも書けない記事が完成するかもしれませんよ。たとえ経験がない分野であっても、インターネット上で調べながら執筆に挑戦すれば、自身のスキルアップにつながるのでおすすめです。

カスタマーサポート

「カスタマーサポート」は、オンライン上で顧客対応を行います。クライアントが販売している商品やサービスに関する問い合わせに、メールや電話を使って対応するのが仕事です。

在宅ワークをする場合は、オンライン通話システムを使って業務をするケースが多くあります。オンライン通話システムは、個人の携帯電話や自宅の固定電話を使わずにお客様とつながるシステムなので安心して働けますよ。

カスタマーサポートはメールやLINE、チャットシステムを使ったテキストだけの対応を行う場合もありますが、多くの求人ではお客様と通話をする必要があります。自宅の就業環境が通話の妨げにならない程度に静かでない人は、在宅ワーク用のスペースを用意したり家人がいない時間に就業したりと、働く環境を整えてから業務を開始しましょう。オンライン通話で必要な携帯電話やマイク付きイヤホン、外付けカメラなどの備品は、企業が貸し出してくれる場合があります。

カスタマーサポートの仕事は、就業時間がある程度限定される点には注意が必要です。カスタマーサポートセンターの多くは、企業の営業時間に合わせて平日の日中に対応を行うとしています。そのため、夜に副業として在宅ワークを始めたい人には向かない仕事だといえるでしょう。しかし、短時間からシフトを組めることが多く、急な休みにも対応してもらいやすいので、子育てや家事の合間など日中のスキマ時間を有効活用したい人におすすめの仕事です。

データ入力

「データ入力」は、求人の数が多く需要のある仕事です。業務内容は、クライアントから提供されたファイルをもとにテキストや数字を別の形式のファイルに転記したり、紙媒体をデジタル化したりします。そのほか、録音された音声を聞きながら発言内容を文字に起こす「文字起こし」の仕事もデータ入力に該当します。

タイピングが早いほど業務が短時間で終わるため、ブラインドタッチができる人や作業効率を考えて動ける人などは多くの案件をこなしやすいでしょう。データ入力は成果報酬型の仕事が多く、やればやるだけ収入になる働き方です。特別なスキルや知識は不要で、基本的なPCスキルさえあれば、つまずくことなく仕事を進められるでしょう。

データ入力で担当する仕事は簡単な作業がほとんどなので、1件あたりの報酬単価は低めに設定されている点に注意しましょう。作業にかかる時間と案件単価から時間単価を算出してみて、納得できる報酬なのかどうかを確認しておくことが大切です。

オンラインアシスタント

「オンラインアシスタント」は、クライアントが必要とするバックオフィス業務全般をこなす役割を担います。オンラインで完了するミーティングツールや勤怠管理ツール、チャットツールなどを含む各種オンラインツールの普及と、新型コロナウイルスの影響を受けて、非対面で事務的な業務を担うオンラインアシスタントの需要が高まっています。

オンラインアシスタントの仕事内容は多岐にわたります。例えば、所属長に依頼された書類や資料の作成、営業担当者と顧客とのアポイントメント取得とスケジュール調整、秘書として経営陣の情報収集サポートや旅券手配を行うなどの仕事があります。

企業の要望に応じてさまざまな業務を担当するため、事務や秘書業務に関連する仕事の他に、SNSの更新などの広報業務やマーケティング業務に関わる機会もあるでしょう。

オンラインアシスタントとして働くなら、クライアントと直接業務委託を結ぶ他、オンラインアシスタントを派遣する企業にアシスタント登録をすると仕事が決まりやすいのでおすすめです。多種多様な業務を経験しながら、自分がやりたい仕事や好きな仕事に出会えるとうれしいですね。

 

・高収入が目指せる専門性の高い仕事

在宅ワークが可能な仕事は、未経験でもできる仕事から特別な資格や経験を要する仕事までさまざまなものがあります。多くの在宅ワークのなかでも特に高収入を目指しやすいのが、専門性の高い仕事です。

一定レベルの知識や経験がなければ業務遂行が難しい専門的な仕事は、始めるハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、専門性の高い仕事であれば、しっかりと勉強をして資格を取得したり未経験からこつこつと経験を積んだりすることで、将来的に高収入が期待できます。

在宅ワークをしやすい仕事のうち、専門性が高く高収入を目指せる仕事を5つ紹介します。

システムエンジニア

「システムエンジニア」は、クライアントが必要とするシステムの仕様全体を設計します。システム構築の際に必要な情報をクライアントからヒアリングする必要があるため、オンラインミーティングの機会が多くコミュニケーション能力を求められます。

iOSやAndroidのアプリ開発、PHPやPythonなどで行うWeb開発、JavaやC言語を使ったシステム開発など、業務内容はクライアントによって異なります。クライアントの希望を実現するために必要な知識やスキルを使いこなし、使いやすくわかりやすいシステムを目指す必要があるでしょう。

自分が携わったシステムが実際に稼働して顧客に届く様子や世間の人に活用されているのを見るのは、大きなやりがいにつながります。IT化が進む昨今では、ますます需要が高まっていく仕事だといえます。

プログラマー

「プログラマー」は、システムエンジニアが設計したシステムの仕様に沿って、実際にシステム構築を行います。業務で必要なスキルレベルは業務内容によって大きく異なるため、自分の実力に合わせた案件を受注すると無理がありません。

例えば、基本的な知識があれば対応可能なサイトの更新作業なら、経験が浅い人でも挑戦しやすいでしょう。システム全体に関わる大規模改修がある場合は、ミスが許されない状況のため、経験や知識が豊富な人のほうが安心して業務に集中できます。

プログラミングは、未経験の人でもオンラインスクールなどでスキルを習得できます。プログラマーとして活躍したいと考えるなら、まずはオンラインスクールや通信講座などで基本的な知識を身につけるとよいでしょう。

Webデザイナー

「Webデザイナー」は、インターネット上のデザイン全般を手掛けます。企業サイトのページデザインやバナー広告のデザイン、商品告知ページのデザイン作成など、活躍の場は広くあります。

デザイナーと聞くと、イラストや写真などを組み合わせてビジュアルを作成する仕事だというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実はWebデザイナーの仕事はビジュアル作成にとどまらず、伝えたいことをアピールするためにホームページのどこにどの画像を置くか、使いやすいサイトにするにはどのようなUI(ユーザーインターフェース)にするかまで考えます。クライアントの要望を反映させながらユーザーの使い勝手も尊重する、ユーザー目線のデザイン性が求められます。

デザイナーはクライアントの要望を的確に把握するために、ヒアリングを行うことがあります。ヒアリングではクライアントと時間を合わせてオンラインでミーティングをする必要がありますが、ヒアリングが終われば自分の好きな時間に仕事を進められるため、在宅ワークがしやすい仕事です。

Webデザイナーとして働くなら、まずは自身の作品集となるポートフォリオの作成から始めましょう。デザイン職種の求人のほとんどが、選考の際にポートフォリオの提出が必須となっています。事前に作成しておくと選考がスムーズに進みますよ。

Webマーケター

「Webマーケター」はインターネット上の仕組みやツールを駆使して、クライアントの商品やサービスがより多く売れるようなサポートを行います。例えば、YouTubeなどの動画配信サイトが普及して利用者が増えていることを受け、著名なYouTuberに自社商品を紹介してもらって宣伝するマーケティング手法などを実行します。この場合、Webマーケターはクライアントのブランドイメージと合うYouTuberのリサーチや訴求ポイントの提案などを通して、販促活動を推進します。動画配信サイト以外にも、SNS上で購入者向けのキャンペーンを開催したりGoogle広告を打って露出の機会を増やしたりします。

Webマーケターにはマーケティングに関する知識や経験はもちろん、クライアント企業の意向やブランドイメージ、顧客層などを正確に把握するスキルが必要なため、専門的なスキルがなければ思うように成果を上げられないでしょう。一方で、マーケティング知識を身につければ、企業の発展に貢献できる、やりがいのある仕事だといえます。

翻訳家

「翻訳家」は、英語などの外国語を日本語に翻訳したり日本語を外国語に翻訳したりします。世界的に広く使われている英語をはじめ、中国語やインドネシア語、スペイン語やドイツ語など、世界各国の言語で翻訳業務をこなせる翻訳家が求められています。

翻訳の仕事は、意味が大体わかる程度の翻訳で良い案件や意訳をせずに文法などを忠実に翻訳する案件など、業務によって求められるレベルが異なることがあります。自分が対応できる言語および業務レベルの案件を担当するようにしましょう。

翻訳家は外国語を扱えるスキルが必要ですが、実務経験は不要とするクライアントが少なくありません。英語であればTOEICなどの英語力を測るテストの点数を聞かれるときがありますが、スキルがあれば未経験でも挑戦できるでしょう。

在宅ワークをスタートするまでの流れ 

在宅ワークに初めて挑戦するときに気になるのが、実際に業務開始するまでの流れではないでしょうか。在宅ワークは企業のオフィスへ出向くなど直接的なやり取りがなく、オンラインでコミュニケーションを取ります。いざというときに戸惑わないように、一般的な流れを押さえておきましょう。

在宅ワークを思い立った人が実際に業務をスタートするまでは、一般的に4つのステップに大別できます。長く続けられる仕事を見つけるために押さえておきたいポイントと共にチェックしてみましょう。

 

・ステップ1:求人情報を探す

まずは気になる求人を探して応募してみることから始めます。在宅ワークが可能な求人情報は増えているので、インターネットブラウザで「在宅ワーク」というキーワードを検索すると、検索結果一覧には多くの求人情報がヒットするでしょう。

実際に求人情報を探そうとすると、求人数の多さや出社が必要な求人とそうでない求人を見分けるのが難しいことから、自分に合った求人の探し方がわからなくなってしまう人が少なくありません。自分に合う求人を見つけるために大切なポイントは、「希望条件を明確にする」ことです。

求人情報を探し始めると、仕事内容や就業形態、収入や就業時間の目安など、さまざまな条件の違いから、どの求人が自分にとってよいのか迷いやすくなります。求人を探し始める前に、自分がどの仕事に興味があるのか、将来どうなりたいか、なぜ在宅ワークをしたいのか、週に何時間就業できそうかといった条件を明らかにしておくことをおすすめします。

例えば、「育児の合間に働いて家計の足しにしたい」と思う人なら、「短時間勤務可」または「就業時間の定めなし」とする仕事を選ぶとよいですね。さらに、長時間の集中を必要とせず、1つの仕事がスキマ時間で終えられる業務を選ぶと、無理がありません。

多くの求人情報から希望条件に合うものを効率的に見つけたいなら、検索条件を設定して求人の絞り込みができる求人サイトやクラウドソーシングサイトを利用しましょう。在宅ワークを含んだリモートワーク専門の転職支援サイトの他、主婦にとってうれしい「短時間勤務OK」や「ブランク可」などのこだわり条件を設定できるサイトなどがあります。

 

・ステップ2:選考を受ける

気になる求人に応募したら、選考過程に入ります。応募した企業の採用担当者から連絡が届き、履歴書や職務経歴書、ポートフォリオなどの書類提出を求められる場合があるので、事前に準備しておくとスムーズでしょう。

ライターやデザイナーのように成果物のクオリティが重視される仕事では、書類選考をせずにトライアルとして実務テストを課せられるケースがあります。ライターであれば、テストライティングとして実際に請け負うテーマに関する短めの文章の提出を求められることもあります。

書類選考やテストを通過後、採用担当者との面接が行われます。在宅ワークの場合、面接はオンラインで実施されるのがほとんどなので、Zoomやmeet inなどのオンラインミーティングツールの扱いに慣れておくと安心です。

面接は1回で終わる場合や複数回行う場合があります。面接後、仕事内容や報酬額などの条件について、企業と在宅ワーカーの双方の合意が得られたら、晴れて採用・依頼決定となります。

 

ステップ3:契約する

採用されると決まってから、すぐに仕事が始まるわけではありません。面接時に確認した仕事内容や報酬額などの採用条件を書面に残し、契約を交わす必要があるためです。

正社員やパートであれば「労働条件通知書」や「雇用契約書」が発行されるでしょう。業務委託なら「業務委託契約書」を結びます。業務委託契約書の発行は法律で義務付けられていないため、契約期間が短い場合や1回限りの仕事の場合は省略されるときもあります。

契約書面は企業側が用意してくれるケースがほとんどなので、在宅ワークを始める前にしっかり内容を確認しましょう。採用・受注後のトラブルを防ぐための書類なので、契約書の内容に不備や疑問点を見つけたら「まあいいか」と妥協せずに確認し、修正してもらうなどしましょう。

 

・ステップ4:納品と請求書作成

雇用契約や業務委託契約を結んだら、実際に業務がスタートします。クライアント企業の依頼に沿って仕事を進め、成果物を納品しましょう。

成果物の納品が完了したら、相応の報酬が企業から支払われます。報酬を受け取る際には、請求書を作成して企業に提出するケースがあります。必要に応じて、インターネット上で公開されている請求書のフォーマットを利用するなどして請求書を作成しましょう。

請求書の作成が必要ない企業もあるため、詳細は企業の担当者に確認しておくと確実です。

在宅ワークは稼げるの? 

在宅ワークは「稼げない」「稼ぐためにはプライベートの時間を犠牲にしなければならない」とマイナスのイメージを抱いている人もいるかもしれません。在宅ワークで得ることができる収入は、仕事内容や保有スキル、業務経験年数によって大きく変わります。就業形態や報酬形態による変動もあるため、自分がより稼ぎやすいと感じる働き方を選べるとよいですね。

在宅ワークの報酬形態は、「時間単価(時給)制」と「案件単価制」の2つがあります。1時間あたりの報酬額が決まっている時間単価制は、仕事量によらず就業した時間数が基準となって実際の収入が決定します。一方、案件単価制は成果物1件あたりの報酬額が決まっているので、かけた時間によらず納品した数だけ報酬が得られます。

1日のうち、まとまった時間を在宅ワークのために確保できる人は、時間単価制の仕事を選ぶと収入が安定しやすいでしょう。スキマ時間を利用したい人や業務を効率化して短時間で多くの案件をこなせる人は、案件単価制の仕事が稼ぎやすいといえます。

在宅ワークは、未経験では報酬が低い傾向にありますが、経験やスキルを身につけるとより高収入の仕事に挑戦しやすくなります。業務を続けながら成長し、キャリアアップと収入アップを目指せるのが、在宅ワークの魅力の1つといえます。

 

・まずは在宅ワークについて知ろう

在宅ワークを始めようと考える理由は人それぞれです。もしも、「楽そう」「サボってもばれなそう」という理由で在宅ワークを始めたいなら注意が必要です。在宅とはいえ、仕事であることに変わりはありません。在宅ワークを始めてから「自分には合わない」と後悔しないためにも、まずは在宅ワークの基本を知っておくことをおすすめします。

誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を目指している日本では、個人的な事情で外に働きに出られない人でも自宅で働く選択肢を選べるように、在宅ワークを含むテレワークの導入が推奨されています。厚生労働省は、テレワークを行う人向けの総合支援サイト「HOME WORKERS WEB」を開設しているので、これから在宅ワークに挑戦する人はサイト内のコンテンツを見ておくとよいでしょう。

「HOME WORKERS WEB」では、業務委託契約を結ぶ働き方について説明されています。仕事の獲得方法や在宅ワークでのトラブル事例、自己分析に役立つセルフチェックシートなど、雇用される在宅ワーカーにとっても学びの多いコンテンツが公開されていますよ。

 

・採用率アップを目指してスキルを磨こう

未経験者OKとする在宅ワーク求人の数は増えていますが、経験者向けの求人と比べると報酬額は低めに設定されています。未経験者向け求人は特別なスキルが不要で誰でも挑戦できる仕事が多いため人気が高く、応募しても採用に至らないケースもあるでしょう。未経験者が採用率を上げ、より高収入を目指すなら、業務に必要なスキルや知識の習得が鍵となります。

プログラミングやデザインなどの専門的なスキルが求められる仕事の場合は、専用のオンラインスクールや通信講座を利用すると効率的に学習できるでしょう。スクールを利用するには受講費用がかかるため、初期費用に不安のある人は、書籍や動画サイトなどで学んだり実務経験を通してスキルを身につけたりするなどの方法があります。

在宅ワーク向けの求人サイトや転職支援サイトに登録すると、無料で講習動画を閲覧できるサイトを見つけられるでしょう。在宅ワークの基本情報だけでなく、ライティング、セールス、事務など、業務内容ごとに特化した内容の講座を公開しているサイトがあります。積極的に利用してスキルを高められれば、未経験でも高収入を目指しやすくなりますよ。

在宅ワークの5つのメリット

在宅ワークの5つのメリット

自宅を仕事場にできる在宅ワークを始めると、さまざまなメリットを得られます。人によっては個人的な悩みが解決したり、働きやすさが増して仕事が楽しくなったりするでしょう。

在宅ワークを始めるメリットを5つ紹介します。

 

・働きやすさが増す

育児や介護、持病などを理由にオフィスへの出社ができない人にとって、在宅ワークは働きやすい就業形態です。働きたくても働けないジレンマから解放され、キャリアを諦めずに仕事を続けられるのは大きなメリットでしょう。

オンラインで仕事が完結する在宅ワークなら、地方から首都圏の企業への就業も可能になります。物理的な距離を理由にやりたかった仕事を諦めなくてよいのも、在宅ワークならではのメリットですね。

働きやすさが増すと仕事へのやる気が出て、モチベーションを維持しやすくなります。仕事とプライベート、両方を楽しめるようになるので、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすくなるでしょう。

 

・自由にできる時間が増える

在宅ワークでは自宅が仕事場になります。そのため、通勤時間がかからず、自由に使える時間が増えます。

例えば、通勤に片道30分かけていた人が在宅ワークを始めると、往復1時間分の自由時間が増える計算になります。増えた時間は、家族と過ごすためや自分がリラックスするため、資格勉強のためなど、自由に使えます。

また、何もしなくてもよい時間が増えるだけでも、心に余裕が生まれるのではないでしょうか。在宅ワークを始めると満員電車に乗らなくて済むので、混雑による精神的・肉体的な負担軽減も期待できます。

 

・人間関係に悩まされない

在宅ワークはオンラインで業務が完結するので、一緒に仕事をする人と直接顔を合わせる機会がほとんどありません。在宅ワークでは、必要以上にコミュニケーションを取る必要がないので、人間関係を発端とする悩みは少なくなるでしょう。

オフィスに出社するスタイルだと、良好な人間関係を築くために同僚とランチに出掛けて雑談をしたり、休暇明けには旅行先のお土産を一人ひとりに配ったりするときがあるかもしれません。一つひとつはささいなことですが、苦手意識がある人にとっては精神的ストレスにつながります。

在宅ワークなら基本的にビジネスチャットでやり取りをするうえ、リアルタイムなやり取りが必要でも、オンラインミーティングツールを介した非対面でのやり取りになります。人間関係のわずらわしさを感じにくいのは、在宅ワークのメリットです。

 

・セルフマネジメントができるようになる

セルフマネジメント(self-management)とは、「自己管理」を意味します。在宅ワークは自宅を仕事場として1人で作業を進めるため、進捗管理やスケジュール調整を自ら行わなければなりません。

自分でタスクやスケジュールの調整と管理をしていると、自然と効率的な働き方や自分のモチベーションを上げる方法、タスクの優先順位の付け方を学べます。結果的に、自己管理能力が身について、ますます効率的に業務をこなせるようになるでしょう。

 

・頑張り次第では高収入を得られる

在宅ワークの仕事は、時間単価制と案件単価制に大別できます。1件あたりの報酬額が決まっている案件単価制は、納品数が多いほど収入が増えるので頑張りが結果に表れやすいでしょう。業務量を増やす以外にも、スキルや資格取得に励む、積極的に高難度な業務に挑戦して経験を積むなどの努力が高収入につながります。

ただし、家族との時間や睡眠時間を削ってまで在宅ワークに集中しては負担が大きくなりすぎてしまいます。自分が無理なく働ける範囲での収入アップを目指してみてはいかがでしょうか。

在宅ワークの3つのデメリット

在宅ワークはメリットの多い働き方として注目を集めていますが、メリットばかりではありません。在宅ワークのメリットが、人によってはデメリットだと感じてしまう可能性もあるので注意しましょう。

在宅ワークを始めたときの3つのデメリットを紹介します。

 

・正当に評価されにくい

在宅ワーク中の勤務態度や努力は、自分以外の人は確認できません。成果物の完成度や納品した量を基準に評価されるケースが多いため、「努力が報われない」と感じるときが多くなるかもしれません。

在宅ワークでは、昇給や単価アップの条件が提示されていない求人がほとんどです。そのため、どれだけ頑張っても収入が変わらず、モチベーションが下がってしまう人が少なくありません。

気になる求人を見つけたら、採用担当者に評価基準や単価アップの可能性の有無を確認してみましょう。納得感のある評価をしている企業でなら、やる気を維持したまま在宅ワークを続けられるはずです。

 

・孤独感がある

在宅ワークは人間関係のわずらわしさを感じにくいメリットがある働き方ですが、人と対面しないために孤独を感じやすい点がデメリットです。オフィスへ出社すればちょっとした息抜きに同僚と雑談したり、仕事終わりに一緒に食事をして相談したりする機会がありますが、在宅ワークでは望めません。

人とのコミュニケーションが好きな人は、週に数回出社が必要な在宅ワーク求人や非対面でも会話の機会が多いテレフォンアポインターなどの求人情報を探してみましょう。孤独感を抱いたままでは仕事へのモチベーションを保ちにくいので、仕事中はもくもくと作業しても、休日は友人と出掛けるなどしてリフレッシュするのがおすすめです。

 

・詐欺案件がある

在宅ワークについて調べていると、「1日15分で30万円」「即入金」「タップするだけで10万円」といった怪しい求人を見かけるかもしれません。これらは応募者の個人情報を抜き取ろうとしたり研修費や管理費などの名目で儲けようとしたりする、悪質な詐欺案件である可能性が高いので警戒が必要です。

求人情報に怪しさを感じたら、悪質かどうか見極めるために応募元の会社名で検索してみましょう。公式ホームページがなかったり、会社所在地がでたらめだったり、実際に働いたことがある人からの口コミ評価が悪かったりしたら、どれだけ良い条件だとしても求人への応募は見送ることをおすすめします。

求人サイトや転職支援サイトは悪質な求人の取り締まりを実施しているサイトが多いので、求人を探す際には専用の求人情報サイトを利用すると安心ですね。

まとめ

自宅で仕事ができる在宅ワークは、通勤時間がなくなり自由度が増すなど、メリットが大きい働き方です。働き方改革の推進などを背景に在宅ワークを導入する企業が増えている今、在宅ワークが可能な仕事の種類が増加しています。

在宅ワークをしやすい仕事には、オンラインで完結しやすく成果がわかりやすいといった特徴があります。未経験でもデータ入力やライターなど、特別なスキルや経験が必要ない仕事で在宅ワークをスタートできるので、気負わずに挑戦してみましょう。

在宅で仕事をしたい人は、まずは気になる求人に応募することから始めるとよいですね。自分の希望条件を明確にしてから求人を探し、評価基準など気になる点はしっかり確認しておくと、自分にぴったりの在宅ワークに出会いやすくなりますよ。