テレワークに集中できない原因とは?対処法や自宅環境について
テレワークは自宅で働けるだけでなく、カフェやコワーキングスペースでも働けるのが魅力です。しかし、働き方が自由になったぶん、うまく時間配分できない人もいます。なかには「集中できない」と頭を抱える人も。
そのような人はなぜ集中できないのか、その原因を知ることが大切です。原因を知れば必要な対処法や自宅環境が見えてくるので、これからテレワークを始める人はぜひ知っておきましょう。この記事では、テレワークに集中できない原因と対処法や自宅環境を詳しく解説します。
テレワーク(リモートワーク)に集中できない原因とは?
ここではテレワーク(リモートワーク)に集中できない原因を見ていきましょう。集中できないのには、何かしらの原因があります。この原因を明確にしないと、いつまでも仕事に集中できない状態が続くでしょう。まずは原因の特定から始めてみてください。
自宅では気を取られるものが多いから
テレワーク(リモートワーク)は、自宅で仕事する人も多くいます。カフェやコワーキングスペースでも働けますが、人によっては在宅勤務を希望する人も少なくありません。しかし、自宅は人の目がない分、他のものに気を取られてしまうリスクがあります。
例えば、代表的な例はスマートフォン。スマートフォンが身近に置かれているだけで、気が散りやすくなるでしょう。仕事の合間に手に取ってしまうなど、すぐに集中を乱す要因となります。そのため、スマートフォンを周辺に置いておくのは危険。気づけばネットニュースやSNSなど、無駄に時間を浪費していることも。
他にも、自宅には趣味のものもあるでしょう。映画や漫画、音楽など自宅で簡単に楽しめる趣味の場合、どうしても集中を乱してしまいます。普段から習慣化している趣味ほど、気づけば手を伸ばしていることもあります。そのため自宅で仕事する場合は、休憩などのオンオフをしっかりと区別することが重要です。
緊張感がないから
テレワーク(リモートワーク)は、周囲の目がないぶん、職場のような一定の緊張感がありません。上司や部下、先輩や後輩の目があるだけで、人は「集中しないと」と気が引き締まります。しかし、そもそも自宅が職場となる在宅勤務の場合は誰の目もありません。それが集中の妨げになることもあります。
職場にいると熱心に仕事に取り組む周囲の影響を受け、自分自身もモチベーションを維持しやすくなるでしょう。しかしテレワーク(リモートワーク)の場合、どうしても緊張感が失われやすい傾向にあります。そのため、定期的に職場のメンバーと報告会や打ち合わせをするなど、だらだらしないための工夫が必要です。
ちなみに、一定の緊張感を得るには、自宅だけでなくカフェやコワーキングスペースを活用するのもおすすめ。自宅よりも人の目があるため、適度な緊張感が生まれます。そういった集中しやすい環境の整備を進めるのもおすすめです。
孤独感を抱きやすいから
テレワーク(リモートワーク)は、基本的に対面でのコミュニケーションが不足しがち。人によっては孤独感を常に抱くことになります。もちろん、テレワーク(リモートワーク)でも電話やメール、チャットなどで一定のコミュニケーションは可能です。しかし、対面での会話がないため余計に疎外感を抱く人もいます。
人は孤独感のようなストレスを感じると、それだけで集中力が途切れるといわれています。そのため、集中力を持続するには人との関わりを絶たないことが重要です。
最近では、テレワーク(リモートワーク)用のWeb会議ツールなどもあり、外部にいても他の従業員と交流できる環境整備も可能です。こうした自宅環境を整えるのも、テレワーカー(リモートワーカー)に求められている対処法といえるでしょう。
生活習慣が乱れているから
テレワーク(リモートワーク)は、生活習慣が乱れやすい傾向にあります。毎日職場に出社する場合、決まった時間に「朝起きて、昼に働き、夜に帰る」というルーティンが生まれますよね。しかし遠隔で仕事する場合、決まったルーティンが良くも悪くも乱れやすくなります。人によっては生活習慣の乱れを引き起こすことも。
例えば、テレワーカー(リモートワーカー)によっては、昼夜逆転の生活に陥ってしまうケースもあります。終業時間ぎりぎりまで寝ていたり、そもそも睡眠時間が安定しなかったりなどです。このような生活習慣の乱れは、集中力を途切れさせる原因となります。まずは規則正しい生活リズムをつくることが先決です。
人によっては出社する必要がないぶん、朝食や昼食の時間も不規則になりがちです。こうした生活を送っていると、健康に影響がでる恐れも。くれぐれも生活習慣の乱れには注意しましょう。
なお、遠隔で仕事するようになると、運動不足にもなりがちです。なかには「今日一歩も外に出ていない」状況になる人も。こういった運動不足は健康に悪影響があるだけでなく、集中力にも深く関係してきます。そのため、適度に運動するなど意識的に生活習慣を整えることが必要です。
適切な環境が整っていないから
テレワーク(リモートワーク)は、適切な環境が整っていないことで集中力が乱されることもあります。
- 薄暗い照明のなかで作業する
- 作業場と休憩所を混合している
- 仕事のための十分な空間がない
このように、集中力を乱す原因は自宅の各所にあります。そもそも、本来自宅は仕事を終えてリラックスする場所です。そのため、照明なども薄暗いものを選んでいる人もいるでしょう。確かに、リラックスするという意味では薄暗い照明も効果的です。ただし、仕事という点では、薄暗い照明は集中力を途切れさせる原因となります。
また、作業場と休憩所を混合するのもおすすめできません。オンオフの境目が曖昧なテレワーク(リモートワーク)は、どこからどこまでが仕事なのかの判断が難しくなります。職場に出社している場合、作業場と休憩所は明確に分けられていることがほとんどですが、自宅だと作業場と休憩所が同じスペースになりがちです。
結果、仕事とプライベートの境目がなくなり、常にふわふわとした立ち位置で働くことになります。最悪の場合、仕事とプライベートを分けて考えられなくなり、過剰な労働や過剰な休息、両極端な生活になってしまうことも。
そのため、仕事のための十分な空間を確保し、私生活とは切り離しましょう。どうしても切り離せない場合は、空間を分けるだけでも効果的です。例えば仕事はリビング、休憩は寝室のように分けておくと、気持ちの切り替えもしやすくなります。
テレワーク(リモートワーク)で集中する方法
ここからは、テレワーク(リモートワーク)で集中する方法を紹介します。ここでまとめるのは、あくまでも一般的な方法です。そのため、人によっては相性が合わない方法もあるでしょう。自分に合った方法を取り入れてみてください。
気が散る原因をなくす
テレワーク(リモートワーク)は、集中力の妨げになるものが周囲にあるだけで危険。前述の通り、スマートフォンなどを置いておくと、つい触りたくなります。そのような気が散るものは、まず周囲から徹底的に排除しましょう。目に入るとどうしても「ネットニュースが見たい」「SNSが見たい」と気が散りやすくなります。スマートフォンが近くにないだけでも、集中力アップに効果的。机の上や椅子の下には置かず、離れたテーブルなどに置きましょう。
どうしても集中できないなら、スマートフォンの電源を切ってしまうのもおすすめです。仕事の最中にアプリの通知が入ることで、集中力が途切れてしまった経験はないでしょうか。実はアプリの通知音があるだけで、人は「何だろう?」と気になってしまいます。確認しないと落ち着かないことも。
そういった状況が続くと集中できません。むしろ、常にスマートフォンを触っていないと落ち着かないという状況になってしまいます。職場との連絡などで使用しない場合は、電源を切っておきましょう。
オンとオフの切り替えをはっきり付ける
テレワーク(リモートワーク)は、仕事とプライベートの境目が曖昧です。そのため、オンとオフの切り替えをはっきりさせるのも効果的。例えば、始業時間と終業時間を正しく守ることで、生活にもメリハリが生まれます。
始業時間と終業時間は、職場に出勤していた頃に合わせるのがおすすめです。仮に朝9時から17時まで働いていた場合、在宅勤務もその時間に合わせるだけでメリハリが生まれます。だらだらと仕事するより、時間を決めて取り組むことで集中力は保ちやすくなります。昼休憩なども12時から13時と決めてしまえば、気持ちも切り替えやすいでしょう。
このように、テレワーク(リモートワーク)では、オンオフを明確に区別するのが最適な方法です。なお、在宅勤務が続くと朝も夜も仕事してしまう人もいるため、仕事以外の時間は思いっきり休むことも忘れずに。
運動習慣を身に付ける
テレワーク(リモートワーク)が続くと、慢性的な運動不足になりがち。運動不足は集中力の低下も引き起こします。そのため、運動習慣を徹底するのもおすすめです。運動を定期的にすると、いくつかの効果が得られます。
- 心身ともにリラックスする
- 睡眠のリズムを整える
- 気分転換になる
定期的に運動すると、心身ともにリラックスします。長く自宅にいると、どうしても気分が落ち込みやすくなるのではないでしょうか。どれほどポジティブでも、毎日自宅から出ないとネガティブになりやすい傾向にあります。そのため、たまに外の空気を吸うなど、ちょっとした運動を日常生活に取り入れましょう。
外で運動すると睡眠のリズムも整いやすくなります。特に定期的に運動するとセロトニンが分泌され、体内時計も正常に戻してくれます。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を落ち着かせてくれる物質。
日中にセロトニンを分泌させておくと、メラトニンの分泌も助けてくれます。メラトニンは夜の寝つきをスムーズにしてくれるホルモンで、運動により睡眠のリズムも整いやすくなります。そのため、運動するなら朝がおすすめです。
単純に運動習慣を徹底しておくと、気分転換になります。在宅勤務で仕事していると、どうしても行き詰まることもあります。そんなとき、鬱々とした気分で仕事に向かっても解決しません。むしろ、そんなときこそ外に出て空気を吸うのがおすすめ。運動は室内でも構いませんが、極力室外で挑戦してみましょう。
規則正しい生活をする
テレワーク(リモートワーク)は、規則正しい生活で集中力もアップします。どうしても、在宅勤務となると毎日の食事や睡眠が適当になってしまいがち。不規則な食事や睡眠は体内のバランスを崩す原因となり、最終的には集中力の低下だけでなく体調不良も引き起こします。そのため、規則正しい生活を心がけましょう。
例えば「朝は7時に起きる」「食事は8時に摂る」「夜は23時に寝る」など、あらかじめ生活リズムを決めるのがおすすめです。時間を決めることで規則正しい生活が送れ、仕事とプライベートの境目もクリアになります。もちろん、十分な睡眠時間の確保や栄養バランスの取れた食事など、意識的に健康的な生活を送ることも重要です。
テレワーク(リモートワーク)では陽の光を浴びることも重要
テレワーク(リモートワーク)では、日光を浴びることも大切。実は朝起きた直後に太陽の光を浴びると体内時計が整い、夜の寝つきを改善する効果が見込めます。起床後、太陽光を浴びると体内時計がリセットされ、その15時間〜16時間後に眠気がやってくるとされています。在宅勤務になってから睡眠障害の症状が出ている人は、特に日光を浴びる習慣を意識的に取り入れてみましょう。
部屋にカーテンやブラインドを設置しているなら、起床後にすべて開放して部屋に光が入るようにするのもおすすめです。時間がある場合は、散歩するのもおすすめです。とにかく「朝に太陽の光を浴びる」こと。これがとても重要です。
テレワーク(リモートワーク)で整えるべき作業環境
テレワーク(リモートワーク)では、作業環境を整えることも重要です。ここでは、一般的な在宅勤務に必要な作業環境を紹介します。
作業しやすい机
テレワーク(リモートワーク)では、作業しやすい机が必須です。
- 仕事に必要なものを配置するスペースがある
- 作業中に足が窮屈にならない空間がある
- 体型に合った高さや広さがある
もし在宅勤務するなら、ここでまとめた条件の机を用意するとよいでしょう。また机だけでなく、椅子選びも大切です。例えば、椅子は安定していて簡単に移動できるものがおすすめ。座面や傾きの調節、肘掛けの有無などで選ぶのもよいでしょう。
ノートパソコンスタンドで目線を整える
テレワーク(リモートワーク)では、ノートパソコンスタンドで目線を整えるのもおすすめ。デスクトップパソコンの場合、モニターとキーボードは一定の高さがあるため、目線に合いやすいです。しかし、ノートパソコンはモニターとキーボードが一体かしているため、目線が合わせにくくなります。目線が下すぎたり上すぎたりすると、眼精疲労や肩こり、腰痛の原因になることも。
そのため、仕事でノートパソコンを使用するなら、ノートパソコンスタンドの導入も検討しましょう。目線を整えるだけで画面が見やすくなり、仕事に集中できる環境が整います。
ノートパソコンスタンドを配置するスペースがない場合、立って作業できる上下昇降式テーブルを導入するのもおすすめです。座りっぱなしは肉体的・精神的に悪いので、立ったまま仕事できる環境整備も考えてみてはいかがでしょうか。
ToDoリスト管理
テレワーク(リモートワーク)では、やることの優先順位が曖昧になりがちです。仕事とプライベートの空間が一緒になるため、仕事の合間に家事をするテレワーカー(リモートワーカー)もいます。そうした状況が重なると、物事の優先順位がわからなくなることも。
そのような悩みを持つ人におすすめなのが、ToDoリスト管理です。一見すると難しそうですが、要は「やることリストを作る」わけです。何から着手すべきか、優先順位を書いておくことでタスク管理しやすくなります。
在宅勤務の場合、どうしても職場のスケジュール感がわからなくなりやすいので、あらかじめ予定として組み込んでおくのもおすすめです。やるべきことの優先順位を決め、ToDoリストで管理してみましょう。
まとめ
テレワーク(リモートワーク)は、自宅で仕事ができるために自由な働き方として注目されています。しかし、誰とも関わらずに仕事していると、集中力が欠如してしまうこともあります。その原因は人によって違い、状況次第では仕事が一向に進まないことも。
そのため、テレワーク(リモートワーク)で集中できない人は、まず原因を知りましょう。原因を明確にしたあとは、対処法や自宅環境を整えましょう。これにより、仕事の効率がアップするだけでなく、無駄にだらだら作業することも避けられます。