リモートワークはサボりがち?防ぐためのポイントを5つ解説

新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークを導入した企業は多いでしょう。従業員にとっても通勤時間の負担が減ったり、空いた時間を有効活用できたりと多くのメリットがあります。

しかし、リモートワークの導入によって新たな悩みを抱える企業も増えています。それが「従業員のサボり」。もしかしたらサボりの発生が心配で、リモートワークの導入をためらっている企業もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、リモートワーク導入によるサボりの実態や、防ぐためのポイントを詳しく解説します。全体のコストを抑えつつ従業員の生産性を上げたいと考えている企業様はぜひ最後までご覧ください。

リモートワークのサボりに対する感覚

リモートワークのサボりに対する感覚

リモートワークの「サボり」に対しては、それぞれの立場で心配や不安を持っているようです。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると「リモートワークは自己管理の機会を身に付けるいい機会だと思う」と回答している管理職が7割以上を超える一方で「部下がサボっていないか心配である」と回答した管理職が、半数以上いることがわかりました。

リモートワークだと自分の目が届かない場所で部下が働くため「仕事しないでサボっているのでは?」と不安を持つ管理職は多いようです。

では部下の立場からは、どのような不安や悩みを持っているのでしょうか。株式会社ヌーラボの調査では20代の2人に1人、30代の3人に1人が「テレワーク時、サボっていると思われるストレスを実感」していることがわかりました。

真面目に業務にあたっているにもかかわらず、「サボらないで仕事しているだろうな?」と思われれば、仕事へのモチベーションも下がってしまうかもしれませんね。すぐ目の届く環境ではないからこそ、それぞれの立場で不安や悩みがあるようです。

リモートワークのサボりはどこでわかる?4つの判断ポイント

リモートワークのサボりはどこでわかる?4つの判断ポイント

どうせバレないだろうと思っていたら、上司から連絡が来て「サボらないように」と注意を受けてヒヤッとした人は多くいます。ではどこでサボっているかどうか判断できるのでしょうか。ここではサボりがチェックできる4つの判断ポイントを解説します。

  1. 仕事の進捗が悪い
  2. 位置情報
  3. パソコンのログ
  4. メールの送信ログ

それぞれ解説します。部下がサボっていると感じたら、上記をチェックしてみましょう。

1.仕事の進捗が悪い

仕事の進捗状況が著しく悪い場合は、部下がサボっている可能性が高いかもしれません。出社時よりも大幅に業務量が減ったり、1日の業務量にばらつきが見られたりする場合はサボりを疑ってみましょう。

2.位置情報

テレワークを導入する場合、基本的に企業側がパソコンやタブレットを貸与するケースも珍しくありません。それらの端末には「MDM」という管理ソフトが搭載されている場合があります。

MDMは盗難や紛失などのリスクに備えたセキュリティ対策の一つとして、遠隔で初期化や端末ロックが可能なソフトです。そして位置情報を取得できる機能も搭載されています。つまり、MDMが申告した活動場所とは明らかに違う位置を指していれば、部下がサボっている可能性があるでしょう。一度確認してみるのがおすすめです。

3.パソコンのログ

テレワークだと周りの目がないため、つい業務とは関係ないWebサイトを閲覧したくなる人もいるでしょう。しかし、MDMなどの管理ソフトが搭載されたパソコンであれば、閲覧したWebサイトのログ確認も簡単にできます。業務とは関係ないWebサイトに頻繁にアクセスした記録が残っていれば、仕事をサボっている可能性が高いといえるでしょう。

4.メールの送信ログ

メールシステムやチャットでもログが残ります。従業員同士のチャットのやり取りでサボりを示唆するような内容を送りあっていれば、本当にサボっている可能性があります。

また外部とのメール送信が多い人の場合、メールの送信数が極端に少なければ業務していないことも。メールの送信ログは宛先や本文の他に添付ファイルも確認できるため、業務に無関係な送信ログが残っていれば私的利用している可能性もあります。

実際にリモートワークはサボりがちな部分も見られる

管理職は「部下がサボっているか心配」であり、部下からは「上司からサボっていると思われていないか心配」だと考えていることがわかりました。では、実際は本当にサボらず全員が業務にあたっているのでしょうか。

マイナビニュースの調査によると、なんと7割以上の人が「テレワーク中にサボったことがある」と回答していることがわかりました。具体的には、業務中に動画の視聴や漫画の閲覧の他、コーヒーブレイクや子供の面倒を見ていたなどさまざまな理由があるようです。いつもサボっているわけではないものの、テレワークだからこその誘惑に負けてしまう人も多いことがわかります。

 

リモートワークのサボりを防ぐ5つの対策

リモートワークのサボりを防ぐ5つの対策

リモートワーク導入によって、企業全体の生産性が下がるのは避けたいですよね。ここでは従業員のサボりを防ぐ5つの対策を解説します。

  1. コミュニケーションを密に取る
  2. 勤怠管理ツールを導入する
  3. 勤務ルール(評価委制度)を見直す
  4. サテライトオフィスを導入する
  5. 監視ツールの導入

それぞれ解説します。

 

1.コミュニケーションを密に取る

リモートワークでは、どうしてもコミュニケーションが希薄になりがちです。上司と連絡を取る機会が少なければ、サボってもバレないと考えてしまう従業員が増えるでしょう。また真面目に業務している従業員には、コミュニケーションが少ないことで「常に疑われているかもしれない」というプレッシャーやストレスを与える可能性があります。

そのためお互いが信頼し、適切なコミュニケーションが取れるよう、ツールや仕組みを整えることが大切です。おすすめはチャットツールと1on1ミーティングの導入。それぞれ特徴を解説します。

チャットツール

すでに導入している企業も多いかもしれません。メールのように送信先や宛先を入力する必要がなく、挨拶などの定型文も不要で気軽にやりとりができます。複数のメンバーと同時にコミュニケーションも可能なため、情報共有もスムーズにできるでしょう。

1on1ミーティング

1on1ミーティングは、その名の通り1対1でミーティングする方式です。複数人でミーティングした場合、発言する人とそうでない人に差が出る可能性があります。「困ったことがあっても言いにくい」「聞き取れなかったけど話が進んでいるから聞き返しにくい」のように感じる人も出てくるでしょう。従業員一人で抱え込んだままになれば、のちに大きなトラブルに発展する可能性があります。

1対1であれば従業員一人ひとりに向き合うことが可能です。悩みやストレスを事前に察知できれば、大きなトラブルも防げるでしょう。信頼関係ができれば、お互い「サボっているのでは?」「サボっていると思われているのでは?」と感じるリスクも防ぎやすくなります。

 

2.勤怠管理ツールを導入する

従業員の勤務状況を管理できるツールの導入もおすすめです。リモートワークでは業務の開始時間や終了時間の把握が困難ですが、自己申告制にすると自由に時間操作ができてしまいサボりの原因になりかねません。

ツールを導入すれば自由な時間操作ができなくなるため、従業員一人ひとりの勤怠時間を正確に管理できるでしょう。フレックスタイム制に対応したツールなら、これまで以上に柔軟な働き方の実現も可能となります。

 

3.勤務ルール(評価制度)を見直す

勤務ルールの見直しも大切です。出勤型と同じルールでは、従業員に不満が溜まる原因となるかもしれません。リモートワーク導入時には勤務ルールも見直しましょう。具体的には誰がどこまでの業務を担当するのか明確にする、ツールやシートを活用して日々の進捗報告を徹底するなどがおすすめです。

また勤務態度などが見えないために、従業員の評価がしにくいのも課題の一つ。「労働時間でしか評価されないなら手を抜いてもよいだろう」と従業員が感じないよう、成果物や業務プロセスでの評価基準を明確にして共有するとよいでしょう。

 

4.サテライトオフィスを導入する

なかには仕事に集中したいけれど、自宅だと誘惑が多くてついサボりたくなってしまうと考える従業員もいます。作業環境が整っていない従業員もいるでしょう。そこでおすすめなのがサテライトオフィスの導入。

サテライトオフィスとは、企業の本拠地から離れた場所に設置する小規模オフィスのことで「子どもがいて仕事に集中できない」「仕事できる環境が整っていない」などの悩みを解決できます。

サテライトオフィスなら誘惑も少なくなるため、サボり対策にも有効でしょう。似た用語に「モバイルワーク」がありますが、こちらもテレワークの一種です。具体的にはノートパソコンやタブレットなどの端末を利用して、カフェや出張先などで働くスタイルを指します。

 

5.監視ツールの導入

監視ツールの導入も、従業員のサボり対策に有効です。業務に関係ないサイトや有害なサイトへのアクセスを制限したり、アプリの稼働状況が把握できたりするツールを導入すればサボりへの抑止につながるでしょう。

ただし、従業員がストレスを感じるような過度な監視は避けるべきです。逆に従業員のモチベーション低下につながる可能性があります。あくまで「管理」であることを念頭に考えてツールの導入を検討しましょう。

まとめ

テレワークはコストカットや従業員のモチベーションアップに役立ちますが、残念ながら周囲の目がないからとサボる人もいます。しかし、いつも疑っている状態では、真面目に業務を遂行している従業員にとってストレスとなるでしょう。

お互いが信頼してスムーズに仕事できるよう、密なコミュニケーションと適切なルールの設定が大切です。これを機会に、企業のルールを見直してみてはいかがでしょうか。