完全在宅ワークに挑戦 求人の特徴を徹底解説

スキマ時間を有効活用する方法として「完全在宅ワーク」が注目されています。しかし、いざ完全在宅ワークを始めたくても、求人情報の探し方や求人内容が分からない感じている人もいるでしょう。完全在宅ワークを始めたい人に、求人検索に役立つサイトや完全在宅ワークをするメリットなどを紹介します。

「完全在宅ワーク」の求人情報とは?求人検索の方法とメリットを紹介

完全在宅ワークとは?

完全在宅ワークとは、職場へ出勤せず自宅で仕事をすることをいいます。ただ、「週に1回オフィス出勤が必要」な場合や「打ち合わせのためにカフェ利用が必要」な場合など、自宅だけで仕事が完結しないケースは完全在宅ワークとはいえません。完全在宅ワークは自宅ですべての仕事が完結し、出張や打ち合わせのために自宅外に出る必要がない仕事を指しています。

完全在宅ワークと同じような意味で使われる言葉に「フルリモートワーク」がありますが、フルリモートワークは、オフィスに出社せず自宅やコワーキングスペース、カフェなどで作業できる働き方です。一方、完全在宅ワークは、作業する場所が働き手の「自宅」であることが主になります。

近年、働き方改革の推進やIT技術の発展を背景に、完全在宅ワークが注目されるようになりました。完全在宅ワークの求人には、契約形態や職種もさまざまなものがあるので、働き手がそれぞれの事情に合わせて全国どこでも就業できる、柔軟な働き方を選択できるようになっています。

完全在宅ワークの働き方

契約形態の一覧

完全在宅ワークをこれから始める場合、本業としたいか副業としたいかによって、それぞれに向いている契約形態が異なるため、求人を検索する際は契約形態に注意するとよいでしょう。いざ完全在宅ワークを始めようとするとき、契約形態の種類の多さに困惑するかもしれません。完全在宅ワークの契約形態は、業務時間の長さや有期雇用かどうか、企業からの保障内容など、多種多様な条件によって決められます。

完全在宅ワークを始める前に、労働条件が自分の生活スタイルに合っているか、どれだけの期間働けるかなど詳細を確認する必要があります。本業として働きたい場合と副業として働きたい場合の2パターンに分けて、適切な契約(雇用)形態を紹介します。

・本業として始めたい方

正社員など、1日8時間かつ週5日程度のフルタイム勤務が可能なら、本業として完全在宅ワークを開始できるでしょう。完全在宅ワークの求人には、「未経験OK」や「研修制度あり」としている求人も多くあるため、初めての完全在宅ワークでも本業としてスタートできます。

本業として始める場合の雇用形態は、主に以下の2つがあります。

正社員

契約期間が定められていない「正社員」の働き方は、会社から直接雇用されるものです。フルタイム勤務が一般的ですが、週当たりの勤務期間が40時間よりも短く、「1日5時間、週5日勤務」や「1日8時間、週3日勤務」などと設定された短時間正社員という雇用形態もあります。

正社員のメリットは、社会保険や各種手当が充実している点です。産前・産後休業や育児休業など、女性にうれしい制度が設けられている場合も多く、ライフステージの変化による所得の変化が少なくなるでしょう。正社員ならではの昇給システムや賞与制度のある企業もあるため、安定した所得が期待でき、金銭的不安は少ない働き方です。しかし、完全在宅ワークの正社員求人の数はまだまだ少ないのが難点です。

契約社員

契約社員は契約期間に定めがある働き方です。正社員同様、企業から直接雇用されますが、一般的に3年または5年の契約期間が設けられます。契約更新がなければ雇用関係は終了する点が特徴です。

契約社員も正社員と同様、金銭的不安の少ない働き方です。ただ、正社員よりも福利厚生が充実していないケースもあるのは難点でしょう。また、完全在宅ワークでの契約社員を求めている企業は、それほど多くないことも求人検索の際に注意しましょう。

・副業として始めたい方

正社員などの本業で収入を得るのとは別に、空いた時間で仕事をする「副業」。仕事の受注から作業、納品や完了まで、すべてのプロセスを自宅で完結できる完全在宅は副業にぴったりで、スキマ時間が有効活用できるとして、始める人が増えています。完全在宅ワークで副業OKとしている求人は数多く、比較的単純な仕事から専門スキルが必要な仕事まで幅広くあります。

これから完全在宅ワークを始めるなら、まずは副業として始めるのがおすすめです。自分の生活スタイルに合わせて求人を検索してみましょう。

パートタイム/アルバイト

「週3日程度」「1日4時間以内」など業務時間が比較的短く、一般的に月給制ではなく時給制の働き方が多いのが、パートタームやアルバイトの働き方です。契約期間は定められている場合と定めのない場合、どちらもあります。

シフト制で、事前に出勤日時の調整を行えるため、プライベートの予定も立てやすい点がパートタイムやアルバイトのメリットです。就業時間の合計が一定の基準以上になれば社会保険への加入も認められるので、保障の面で安心できるでしょう。

派遣労働者

派遣労働者は人材派遣会社などの派遣元を通して派遣先企業で働く、間接雇用の契約形態です。派遣期間が決まっていて、更新されなければ次の派遣先で就業します。就業先と働き手の間に派遣元が立つのでトラブルになりにくく、精神的な負担が軽減できるでしょう。

また、派遣期間終了後に、派遣元へ次の派遣先に関する相談ができるのも安心ですね。

業務委託

業務委託とは、依頼主となる企業や個人と業務委託契約を結び、仕事を受注する契約形態です。働き手と依頼主の間に雇用関係がなく、「発注者」と「受注者」として対等な関係で仕事をします。

業務委託で働く場合の報酬は、時間報酬型と成果報酬型に分かれます。時間報酬型のケースだと、オンライン上のタイムカードに打刻して就業時間を管理したり、クラウドシステムにログインしている時間で報酬計算をしたりします。オンライン事務や秘書、エンジニアなどで多くみられる働き方です。

成果報酬型は、依頼された案件ごとに報酬額が設定されていて、納品した数量に応じて報酬が支払われます。データ入力や動画編集、ライティングなどで多くみられる働き方です。

業務委託の完全在宅ワークは求人の数が多く、未経験で挑戦しやすい求人も豊富にあります。業務委託契約は時間や場所の縛りが少なく、自由な働き方ができる点で大きなメリットがあるといえるでしょう。

完全在宅ワーク可能な求人7選

在宅ワークの仕事風景

完全在宅ワークには、翻訳や経理など専門的な知識やスキルが求められる仕事から、データ入力や営業事務サポート、テレフォンアポインターなど比較的簡単で始めやすい仕事まで多種多様な求人があります。専門性の高い仕事であれば将来的にスキルアップを図り、本業として働くことも可能になるでしょう。

完全在宅ワークが可能な職種を7つ紹介します。

 

・データ入力

インターネット環境とパソコンさえあれば気軽に始められる「データ入力」は、依頼主に指定されたデータの打ち込みを行う仕事です。タイピングスキルがあれば誰でもできるので、完全在宅ワークが初めての人におすすめです。

データ入力業務には、エクセルファイルへ売り上げの金額や数量を記録する仕事や、録音された音声の文字起こしをする仕事などがあります。名刺や領収書など、依頼主から提供される写真またはPDFの文字をWordなどのテキストファイルに転記するといった仕事もあります。

スキルが不要な分、案件単価は低めに設定されていることが多く、十分な収入を得るためには数をこなす必要があります。そのため、データ入力業務を本業とするのは難しいかもしれません。ただ、コツコツと作業を行えばそれなりの収入になるので、副業としてスキマ時間を有効活用したい人には向いている仕事だといえます。

 

・オンライン事務

「オンライン事務」の仕事内容は多岐にわたります。営業事務として営業担当者の代わりに取引先とのアポイントを取ってスケジュール管理をしたり、必要文書の作成をしたりする場合もあれば、秘書的な業務が主で、スケジュール管理や電話・メール対応、出張手配や情報調査など、経営者や役職者のサポートを行う場合もあります。

完全在宅ワークの事務求人は、時間単価制での募集が多くあります。完全在宅で仕事を進められますが、打ち合わせのためのオンラインミーティングの機会が、データ入力業務などに比べると増えるでしょう。快適なオンラインミーティングを行うために、高速インターネット回線やカメラやイヤホンなどパソコン周辺機器の準備が必要になる場合もある点は注意が必要です。

 

・テレフォンアポインター

「テレフォンアポインター」は、電話でアポイントを獲得する仕事で、テレアポとも呼ばれます。依頼主から渡される架電先リストに対して電話をかけて、商品やサービスに関する簡単な説明を行います。依頼主の営業担当者と企業担当者や一般消費者との商談の機会を生み出す仕事なので、セールスの知識はそれほど必要ありません。

また、テレアポ業務ではトークスクリプトとして台本が用意されているケースが多く、慣れればスムーズに架電業務ができるでしょう。テレアポの仕事は、依頼主から支給される携帯電話を使用するケースや個人の携帯電話を使用して電話代を請求するケース、オンラインシステムを使ってパソコンから電話をするケースに分かれます。

 

・動画/画像編集

「動画/画像編集」の仕事は、専用のソフトやツールが使えれば誰でも始められる完全在宅ワークです。YouTubeをはじめとする動画配信サイトや、インスタグラムなどの画像共有アプリが人気になって以来、動画や画像編集の求人募集が増えています。

動画編集求人の中にはテレビ番組のような凝った編集が必要なく、「字幕とBGMを付けるだけ」とする求人もあります。動画編集ソフトの操作方法に慣れれば簡単にできる仕事なので、初めて完全在宅ワークに挑戦する人にもおすすめです。実際に編集作業を行いながらスキルを身につければ、より高単価な案件を受注しやすくなります。

 

・Webライター

「Webライター」は、依頼主の公式サイトやブログなどで公開される記事を執筆します。文章を書くのが好きな人や苦手意識のない人であれば、誰でも挑戦しやすい完全在宅ワークです。

執筆するテーマは多種多様にあるため、自分自身の興味のある分野や得意分野に特化して案件を探すこともできるでしょう。Webライティングの仕事は成果報酬型の案件がほとんどで、専門性が高いほど単価も高くなる傾向にあります。実績や経験を積み高品質な記事を納品できるようになれば、Webライティングを本業として完全在宅で働くことも可能になるでしょう。

 

・Webデザイナー

「Webデザイナー」は広告デザインやサイトデザインなど、インターネット上のデザイン業務全般を行います。デザインスキルを求められる仕事であり、Webデザインを本業として活躍することも可能です。

クラウドソーシングサイトでは、コンペ(コンペティション)形式のバナー作成やアイコン作成の求人が数多く掲載されています。コンペの中でデザインが採用されれば実績となり、次の仕事へとつながりやすくなるでしょう。

 

・翻訳者

「翻訳者」は外国語を日本語に訳したり、日本語を外国語に訳したりします。翻訳する外国語を母国語としている人にとって違和感のない文章に訳す必要があるため、高い語学力が求められる専門性の高い仕事です。翻訳対象の文章さえ入手すれば完全在宅で仕事を進められるので、スキルがある人におすすめです。

翻訳する言語はさまざまですが、一般的には英語や中国語の翻訳業務の求人が多い傾向にあります。特に、英語翻訳の場合はオンライン翻訳者として登録できるサイトがあり、簡単なスキルテストに合格すれば誰でも翻訳者としてキャリアをスタートできます。

在宅ワークを始めるメリット

キーボードに書かれたメリット

在宅ワークには、従来のオフィスへ出勤する働き方を比べてさまざまなメリットがあります。特に注目しておきたい在宅ワークを始めるメリットを5つ紹介します。

在宅の仕事は通勤が不要

自宅で仕事ができるということは通勤の必要がないため、移動にかかる時間や交通費をカットできます。また、満員電車や渋滞のストレスもなくなるので、心の余裕が生まれて仕事のモチベーションが上がるメリットもあります。

収入源を簡単に増やすことができる

副業で在宅ワークを始めるなら、本業にプラスして収入を得ることができます。出勤の必要もなく収入を増やすことができるのはメリットです。

新型コロナの影響で本業の収入が落ちてしまったりボーナスがなくなったりしてしまった場合にも、副業をすることでその分を補填できます。

スキルアップにつながる

働く本人の持病や家族の介護や育児などの事情で、働きたくても外に働きに出られない人にとって、在宅で仕事をする機会があるのはそれだけスキルアップのチャンスがあるということです。それまでに培ったスキルを在宅ワークでさらに向上させ、今後の仕事にも活かすことができるでしょう。

また、未経験でも応募できる案件も多くあります。新しいスキルを習得するきっかけにもなり、活躍の場を広げられるかもしれません。

人脈を広げることができる

専業主婦や本業のみの働き方では、人脈を広げるチャンスは少ないですよね。特に既存顧客をメインにしている企業では、なかなか新しい人脈を開拓する機会はありません。しかし、完全在宅ワークでなら、地方在住者であっても東京都など首都圏の企業と仕事をする機会が生まれます。

在宅ワークを通して新しい出会いがあり、人脈を広げる機会が訪れる可能性があるのです。在宅ワークを始めるまでに経験した職種と異なるジャンルの仕事をすると、さらに新たな人脈の開拓が期待できるでしょう。

副業として始めた在宅ワークを通して広げたネットワークを活用して、将来的に本業へと発展させられるかもしれません。

時間管理・自己管理スキルが磨かれる

在宅ワークを始めると、今までの生活のタイムスケジュールに新たなスケジュールが加わります。在宅ワークを続けて収入を得るためには、緻密なスケジュール管理や自己管理が求められるでしょう。

在宅ワークで納期が決まっている案件を受注したら、家庭の事情や本業が忙しくても納期に間に合わせなければなりません。自分自身のキャパシティやライフサイクルを棚卸しして、在宅ワークに充てる時間を作ることが大事です。

ワークライフバランスを実現しやすい

在宅で仕事をするため、通勤時間がなくなりプライベートの時間を確保できると、ワークライフバランスが充実します。例えば、育児中の人であれば、子どものお昼寝を見守りながら仕事をしたり、夜、子どもが寝てからを仕事の時間とすることができ、子どもとの時間を大切にできるでしょう。

また受注した案件が早く終われば、スキルアップや自己啓発のための勉強の時間を取ることもできます。オフィス勤務では、就業時間中に他のことをするのはためらわれますが、在宅ワークでは自分で自由に時間を組み立てられます。

育児や介護などの事情があって仕事の時間に制限がある人、趣味やスキルアップの時間を確保したい人も、自身のプライベートを充実させながら仕事ができるのです。

在宅ワークのデメリット

多くのメリットがある在宅ワークですが、在宅ワークを始める前に理解しておきたいデメリットもあります。代表的な5つのデメリットを紹介するので、対策をイメージしておきましょう。

自己管理力が求められる

在宅ワークは、就業時間やオフィスに出社せずに自宅で働ける代わりに、自己管理力が求められます。オフィスに出社する場合は上司や同僚など、周囲の目があり集中力が保ちやすい環境ですが、在宅ワークは1人で黙々と業務を進めることが主になります。

人の目がないとつい集中力が途切れ、業務外の物事に時間を使ってしまうこともあるでしょう。このときに自分を律することができないと、業務に遅れが生じてしまいます。スケジュール管理やタスク管理をしっかり行って、無理のない仕事量で案件を調整できるとよいでしょう。

コミュニケーションを取るのが難しい

在宅ワークは、オンライン上ですべてのやり取りが完結します。自宅にいながらオンラインミーティングをしたり、オンラインチャットで文字だけのコミュニケーションを取ったりするため、対面で仕事をする以上に意思の疎通が難しいと感じる人もいるでしょう。

チャットによる文字のコミュニケーションが主体になる場合、依頼内容や指示の意図が正確にくみ取れないこともあるでしょう。誤解したまま業務を進めてしまうと、トラブルに発展するリスクもあります。かといって、認識をすり合わせようと何度もやり取りをすると、手間がかかるためにお互いにストレスを感じてしまうかもしれません。

在宅ワークでは、対面で会話をする以上に、伝え方や言葉の選び方に注意する必要があります。

教えてもらう機会が減る

在宅ワークによくある業務委託の求人では、教育制度や研修制度は設けられていない場合がほとんどです。オフィスに出社して働く場合には、分からないことがあれば上司や先輩に聞くことができる他、企業の研修制度を利用してスキルアップができます。しかし、在宅ワークでは、自分が持っているスキルで対応できる仕事を請け負うため、依頼主から知識やスキルを教えてもらう機会は減るでしょう。

自分から学ぶ意欲を持ってスキルアップや知識の習得をしなければ、成長しにくいという点は在宅ワークのデメリットです。

運動不足になる

在宅ワークは自宅から外に出る機会が少なく、1日中パソコンの前にいることも珍しくないでしょう。集中して仕事に取り組むほど体を動かす時間が減っていくため、運動不足になりやすいのが完全在宅ワークのデメリットです。

意識的に運動する時間を設けたり、ときには立ったまま仕事したりするようにするとメリハリをつけられ、より集中して業務を進められるでしょう。

正当な評価を受けにくい

在宅ワークでは、成果物を納品するまでの準備やリサーチにかけた時間は、依頼主には把握できません。オフィスで仕事をしていれば、一人ひとりの頑張りを上司が見て評価してくれますが、在宅ワークでは成果物のみで評価される場合が多いでしょう。

成長の過程やどれだけ成長したかが把握されにくいため、同じような仕事ばかり請け負うことになり、キャリアアップやスキルアップが思うようにできない可能性があります。

副業として在宅ワークを始める際に注意したい3つのポイント

在宅ワークは副業として収入を増やせるだけでなく、スキルアップやキャリアアップに活かせるようなメリットもたくさんあります。今すぐにでも、副業として在宅ワークを始めたいと思っている人もいることでしょう。

しかし、副業として在宅ワークを始める場合の注意点もあります。注意点を理解していなければ副業がうまくいかなくなってしまうだけでなく、トラブルに発展する可能性も考えられます。事前に注意点を知っておき、対応策を考えておきましょう。

本業の就業規則における副業禁止の有無

本業の就業規則は必ず確認すべきです。なぜなら、就業規則で副業を禁止している場合があるからです。副業を禁止されている場合、もし内緒で副業をしているとばれてしまえば、規則違反となり懲戒処分も考えられます。

副業が禁止されていなくても、細かいルールや規定が定められていることもあります。就業規則を確認し、手続きが必要な場合はしっかりと勤め先へ申請をしてから副業を始めるようにしましょう。

本業との競合関係

本業でのスキルを活かして副業をしたい人は、本業と同業界の競合他社からの案件はなるべく受注しないよう注意する必要があります。競合他社の仕事を請け負ってしまった場合、情報漏えいや利益侵害などの疑いをかけられ、訴訟を起こされるリスクがあります。最悪の場合は、不正競争防止法違反となり刑事罰を受けることもあります。

訴訟や刑事罰とはならなくても、競合他社で働いていることが勤務先に知られてしまえば、信用は失墜してしまい組織にいづらくなってしまうでしょう。副業の依頼先は本業の競合ではないかをチェックして、トラブルを未然に防ぐことが重要です。

家族の理解を得る

プライベートを充実させようと在宅で仕事を始めても、かえって家族と過ごす時間が減ってしまうケースも考えられます。育児や介護中の人は、他の家族に負担がかかってしまうと家庭内のトラブルに発展することもありえます。

仕事をする場所の確保や、副業で使うものの保管など、仕事のために家の中のスペースを使う必要もあります。家族の理解なしでは在宅で仕事をすることは難しいのです。副業を始める前に、家族と話し合って理解を得ておきましょう。

在宅ワークの副業は、スキマ時間を収入に変えられる魅力的な働き方ですが、注意点を意識しなければ思わぬトラブルになってしまう可能性もあります。副業として在宅ワークを始める前に、本業や家族とのバランスを考えておきましょう。

完全在宅ワークの検索方法

完全在宅ワークを始めたいと思った際に、「どうやって完全在宅ワークを探せばよいのか分からない」という人もいるでしょう。在宅ワーク専門の求人サイトや、クラウドソーシングサービスを活用すると、完全在宅ワークの求人を効率的に見つけることができます。

・クラウドソーシングで仕事を探す方法

在宅ワークを探すためには、「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングサービスがおすすめです。企業がインターネットを活用して、自社の業務を不特定多数のワーカーに委託することを「クラウドソーシング」といいます。クラウドソーシングサービスでは、入力作業やアンケート回答などの簡単な仕事から、プログラミングやデザインなどの専門的な仕事まで受けることができます。

クラウドソーシングで仕事を探したい人は、以下の手順で進めていきましょう。

まずは会員登録する

クラウドソーシングのサイトを利用するために、まずは会員登録をします。サイトにもよりますが、会員登録にはメールアドレスが必要な場合が大半です。携帯キャリアのメールアドレスではなく、仕事用のメールアドレスを作っておきましょう。

会員登録の際には、名前や住所などの個人情報も必要になります。ただしサイト上に誰でも見られる形で公開されるわけではないので、安心して登録しましょう。基本情報を入力したら、自身のスキルや経歴などのプロフィールを入力します。企業はプロフィールを確認して仕事を発注するかどうかを決めるので、得意なことや資格をアピールしましょう。

数ある仕事から自分向けの案件を探す

クラウドソーシングサービスでは多くの案件を取り扱っています。自分のスキルや得意なことにマッチした案件を見つけましょう。

サイトによって異なりますが、案件の依頼方式は主に以下の3つです。

・タスク:1つの仕事に複数のワーカーを募集する
・プロジェクト:応募してきたワーカーの中から、1人または複数人を選考して仕事を発注する 
・コンペ:企業の依頼に複数のワーカーが成果物を提出し、その中から1つが選ばれる

タスク形式の案件は、入力作業やリサーチなど比較的簡単な仕事が多く、採用される確率は高いでしょう。プロジェクト形式は、Webサイト制作やシステム構築などの案件が多い傾向があり、専門的なスキルが求められます。コンペ形式は、例えば、ロゴ制作の依頼に対して複数のワーカーがロゴを作って提案し、その中から企業が気に入ったものを選ぶ方法なので、応募数が多ければ採用される確率が下がってしまいます。

実績を重ねて受注率アップを目指す

クラウドソーシングを始めてすぐは、なかなか受注できずに苦労したり、単価が低い案件しか受注できなかったりするケースも少なくありません。なぜなら、クラウドソーシングサービスはワーカーの今までの受注実績や評価を確認できるシステムがほとんどで、企業は実績を見て発注を判断する場合が多いからです。

まずは小さな案件でもよいので、コツコツと仕事をこなして実績を重ねていきましょう。実績があると受注率が高まったり高額案件を受注できたりします。自分のスキルや経験を活かすためにも、まずは実績を重ねて信頼を得られれば受注率もアップしていきますよ。

・求人検索サイトで仕事を探す方法

在宅ワークに特化した求人掲載サイトを活用して、完全在宅ワーク求人を検索する方法もおすすめです。例えば、子育て世代のママや主婦が在宅で働きやすい求人を紹介する「ママワークス」や、フルリモート求人に特化した転職支援サイトでの「リワークス」があります。

求人検索サイトでは、個人の事情や希望に合わせた条件を設定して、より希望の条件にマッチする求人を見つけやすくなります。「扶養内勤務OK」「未経験歓迎」「単発案件」「主婦が活躍中」など、さまざまなこだわり条件の中から、自分のライフスタイルにぴったりの求人を見つけられるでしょう。

求人検索サイトを通して仕事を探す場合は、以下の手順で進めていきましょう。

会員登録する

まずは会員登録をします。多くのサイトは無料で利用でき、会員登録の際に必要なのは登録用のメールアドレスと必要最低限の個人情報のみです。クラウドソーシングサイトに登録する場合と同様に、携帯キャリアのメールアドレスを使用するよりも仕事用のメールアドレスを用意して登録した方がメールの管理をしやすいでしょう。

求人サイトでは独自のプロフィールページを用意していることがあり、これを応募時に利用すると何通ものエントリーシートや履歴書を書く手間がはぶけます。性別や年代、経歴やスキルなどのプロフィールを入力しましょう。求人を掲載する企業の採用担当者は、プロフィールを参照して採用や発注を検討するため、プロフィールを魅力的に作り込むことが重要です。

検索条件を設定して求人を探す

働く日数や就業時間、目標の月収など、希望の条件が決まっているなら、求人検索時に条件を設定して絞り込みを行いましょう。例えば、育児後の社会復帰を目指しているなら、こだわり条件で「ブランクOK」としている求人のみを表示させることで、より働きやすい求人を見つけやすくなります。

気になる求人があったら応募要項などの詳細をしっかり確認しましょう。業務内容はもちろん、時間報酬型か成果報酬型か、就業時間の定めがあるかなどをチェックして、希望の条件にマッチしていたら積極的に応募してみるとよいでしょう。応募してもなかなか採用につながらない場合は、プロフィールの文面を見直してみましょう。プロフィールに画像を設定する、ポートフォリオサイトを用意するなどの工夫をして、採用率アップを目指しましょう。

採用フローに沿って進める

気になる求人に応募した後は、応募先の採用担当者からの連絡を待つことになります。応募後の流れは企業によってさまざまで、履歴書と職務経歴書の提出を求められる場合や、テストとして業務内容に近い案件を進めるよう指示される場合もあります。

一般的な流れでは、応募後に採用担当者が書類審査としてプロフィールを確認し、審査を通過した人に簡単なテストを指示、テストを通過したらオンライン面接を実施します。面接のみ・テストのみとする場合もあるので、各社の採用フローに従って進めましょう。

・派遣会社に登録して仕事を探す方法

在宅ワークに特化した派遣会社も存在します。株式会社テンプスタッフが運営する「テンプスタッフ」では、派遣スタッフの求人を掲載しています。就業先は大手・外資系・ベンチャーなどあらゆる企業があり、専門的な知識やスキルを活かせる経理・人事・貿易事務の仕事から、未経験でもチャレンジできる業務もあるのが特徴です。これから在宅ワークを始めたい人にとっては、派遣会社に登録して仕事を探す方法も何かと相談できて安心なのでおすすめです。

派遣会社に登録して仕事を探す場合は、以下の手順で進めていきましょう。

会員登録する

まずは派遣会社のサイトで会員登録をしましょう。希望の条件や保有しているスキルを登録することで、条件に合った求人を紹介してもらえます。

派遣元と希望条件のすり合わせ

派遣元が、働き手に対してより働き手の希望に沿った求人を紹介するために、仕事の紹介前に面談が行われます。最寄りの派遣元の事務所に出向いて対面で面談を行う場合もあれば、オンラインで面談を実施する場合もあります。このとき、スキルチェックのための簡単なテストが行われることもあるでしょう。

就業時間や稼働可能な日数、挑戦したい業務内容などを派遣元に伝えて、自分自身のライフスタイルに合った求人を紹介してもらいましょう。

気になる求人にエントリー

派遣元から紹介された求人や自分自身で見つけた求人など、気になる求人があれば積極的にエントリーしてみましょう。派遣先との面接が必要な場合もあり緊張するかもしれませんが、不明点や不安な点は派遣元のスタッフがフォローしてくれるはずです。エントリー後は派遣先の採用フローに従いましょう。

完全在宅ワークを選ぶ4つのポイント

完全在宅ワークOKの求人情報を探してみると、希望の条件に当てはまる求人がいくつも見つかるかもしれません。どの求人がより自分にとって働きやすいか判断するには、4つのポイントに注意するとよいでしょう。

怪しいクライアントや悪質な案件ではないか? 

匿名で求人を掲載できるクラウドソーシングサイトなどでは、働き手の個人情報を取得する目的で求人を出しているクライアントもいます。悪質な求人の場合、仕事を開始する前に「事前アンケートのため」などと偽って名前やメールアドレスを聞き出したり、LINEの友だち登録が必須だと案内するケースが報告されています。

仕事を開始する前に個人情報を教えるのは控え、きちんとした取引実績のあるクライアントを選ぶなどの予防策を取りましょう。

所得額はどのくらいになりそうか? 

在宅ワークを始める際に盲点となるのが、所得額です。本業であれ副業であれ、1年間の総所得額が一定の基準を超えると確定申告が必要になったり、扶養範囲から外れたりします。特に、扶養範囲内での収入を希望している場合は、求人検索のときから注意しておくとよいでしょう。

業務委託で在宅ワークを行う場合は、収入も経費も自分自身で管理しなければなりません。総所得額も意識しながら仕事量を調節すると安心です。

プライベートが犠牲にならないか?

在宅ワークは自宅で仕事をするため、ONとOFFの切り替えが難しくなります。やろうと思えばいつでも仕事を開始できる環境では、家族よりも仕事が気になって家族との時間をないがしろにしかねません。

また、家族との時間を作るために深夜帯の作業が続いてしまっては、体力的に厳しくなり、長期間安定して仕事をすることが難しくなってしまうかもしれません。自分自身の生活に無理のない範囲で仕事量を決め、ワークライフバランスを保つようにしましょう。

モチベーションを維持できそうか? 

在宅ワークを始めたばかりの頃は意欲的に取り組めるかもしれませんが、仕事を継続するにはモチベーションをいかに保つかが重要です。経験や実績がない時期は思うように採用されなかったり、作業時間に対して報酬が低く感じられたりと、在宅ワークを続ける気力がなくなっていく場合もあるでしょう。

自分が楽しんでできる仕事か、昇給や業務単価増額が見込める仕事か、スキルアップできる仕事かなどの判断基準を設けて仕事を選択すると、無理なく長く在宅ワークを続けられるでしょう。

まとめ

完全在宅ワークは自宅のみで業務が完結するため、働く時間帯や場所に縛られない自由度が高い働き方です。在宅ワークの求人情報数は多く、未経験でも挑戦できる仕事もあるため、本業として在宅ワークを始める人以外にも副業として在宅ワークを始める人が増えています。

在宅ワークは働きたくても個人的な事情があって働きに出られない人にとっても魅力的な働き方であり、在宅ワークを始めることでたくさんのメリットが得られます。しかし、在宅ワークならではのデメリットもあるため注意が必要です。

在宅ワークを始める際には、クラウドソーシングサービスや在宅ワークに特化した求人サイトなどを活用して、自分自身の希望とマッチする求人を検索することが重要です。無理なく続けられる求人に出会えれば、初めての完全在宅ワークであってもスムーズに業務を進められるでしょう。