新卒でも正社員で在宅ワークはできる?業種や探し方を徹底解説
正社員の在宅ワーク求人は少なく、特に新卒採用で完全在宅勤務は難しい現状です。新卒で在宅ワークをしたいと考える方に向け、在宅ワークができる業種・職種の紹介や求人の探し方などをまとめました。就職活動の参考にしてください。
通勤時間の短縮や慣れた環境で業務可能なことから、人気の在宅ワーク。近年では新型コロナウイルスの拡大によって、在宅勤務が推奨されたこともあり、正社員の在宅ワーク求人が徐々に増えています。
正社員の仕事を探している人のなかには「新卒入社で在宅ワークができたらよいな」と考える人もいるのではないでしょうか?
今回は、新卒で正社員の在宅ワークを探す方法や、新卒の在宅勤務が難しい理由を解説します。参考にしてください。
新卒正社員で在宅ワークできる?
結論から言うと、新卒で在宅ワークは不可能ではありませんが、難しい場合が多いでしょう。
在宅ワークは、社員間のコミュニケーションが重要です。オンラインでは、実際に面と向かってのコミュニケーションに比べ、障害が少なくありません。
例えば、業務中わからないことがあり、上司に指示を仰ぎたい場合を考えてみましょう。
出社勤務であれば、その場で聞くことができ、上司が席を外していてもすぐにわかります。
しかし、在宅ワークでの質問は電話やチャットを使うため、上司が会議などで不在の場合は、回答まで時間を要しタイムラグが生じます。また追加で確認事項があるときは、改めて質問して回答を待つことになり、お互いの業務が滞ってしまうことも。
特に新入社員には、業務の流れややり方などを一から教える必要があります。企業によっては、ビジネスマナー研修もあるでしょう。研修や指導をスムーズに行うには、対面でのコミュニケーションが重要です。そのため、新卒正社員ですぐに在宅ワークは難しいといえます。
新卒で在宅ワークを希望する理由
新卒で在宅ワークを希望する主な理由は、以下が考えられます。
- 通勤が辛い
- 家庭の事情
- 持病
- 社会人大学院に通いたい
上記以外にも、在宅を希望する理由は、人によってさまざまでしょう。リモートで働きたい場合、在宅ワーク可能な求人に応募するか、応募の際に企業へ事前に理由を説明する必要があります。
それでは、新卒で在宅ワークを希望する理由について一つずつ見ていきましょう。
通勤が辛い
出社業務と在宅ワークの大きな違いは、通勤の有無です。実際、片道1時間以上かけて通勤する人も少なくありません。在宅ワークであれば出社の必要がなく、時間を節約できます。そのぶん業務に集中でき、プライベートの時間も確保しやすくなるでしょう。
特に最寄りの駅まで遠い、通勤に便利な土地で一人暮らしをしたいけれど、住宅手当が出ないなどの理由で在宅ワークを希望する場合があります。
また満員電車や早起きが苦手で在宅ワークを希望する人もいますが、この理由を企業に伝えてしまうと企業側にやる気がないと判断される可能性もあるでしょう。
そのため、通勤が辛いという理由での在宅ワークは難しいかもしれません。
家庭の事情
家庭の事情により、在宅ワークを希望する人もいます。例えば、家族の介護が必要な場合です。病院やデイサービスへの送迎や役所への相談など、介護には想像以上に時間を要します。また予期せぬ出来事も多々あり、出社勤務の合間に介護を行うのは難しいケースもあります。
家庭の事情で在宅ワークを希望する場合は、企業へも事前に相談するとよいでしょう。
社会人大学院に通いたい
新卒で在宅勤務を希望する理由の一つに、働きながら大学院に通いたいというケースがあります。大学院を修了するためには必要な単位を取得したり、修士論文を提出したりする必要があります。そのため、勉強や研究する時間を確保しなければなりません。
しかし、仕事と勉強の両立は思った以上に困難です。効率良く勉強するためには、通勤時間を省いたり、昼休みを利用したりできる在宅ワークが適しているでしょう。
この場合も、事前に企業に相談する必要があります。業務に関係のある勉強や資格取得で大学院に通う場合は、その点もふまえて説明するとよいですね。
持病
持病やケガにより、在宅業務を希望する人もいるかもしれません。通勤時間が長かったり、乗り換えが複雑だったりすると身体的に負担がかかります。また定期的な通院が必要で、時間に融通がきく働き方をしたいときもあります。
持病を理由に在宅ワークを希望する場合は、診断書を持参のうえ、企業に相談するとよいでしょう。
新卒でも正社員で在宅ワークしやすい職種・業種
業務にパソコンを用いる職種や業種は、在宅ワークを導入しやすい傾向があります。ここでは正社員として在宅ワークを取り入れていることが多い職種・業種を紹介します。ただし、ここで紹介する職種でも、新卒で入社後すぐに在宅ワークは難しいかもしれません。求人に応募する際には、募集条件をきちんと確認しましょう。
IT系エンジニア
ITに関連する技術者全般を指します。ITエンジニアに含まれる職業として、主に以下の職種があります。
プログラマー
プログラミング言語を用いて、システムを開発します。コーティングやテストなど、パソコンを使った作業がメインです。
SE(システムエンジニア)
クライアントの要望に対して、適したシステム開発を行います。どんなシステムをつくるのか考えたり、仕様書をつくったり、問題なく動くかテストしたりと、幅広い業務に携わります。
ネットワークエンジニア
ネットワークの設計と構築、保守をする仕事です。企業内のパソコンや電子機器をネットワークでつないで、業務がスムーズに連携できるようにします。
Webエンジニア
Webサイトを構築します。デザイナーがつくったデザインを基にコードを書いて、実際にWebサイトが機能するようにするのがメインです。
インフラ系エンジニア
インフラに関する設計、構築、保守を行います。企業のネットワークシステムの基盤を構築する重要な役割で、業務領域によって、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアに分けられます。
システム運用
サーバーやネットワークに問題が起きないよう、システムの管理や運用を行います。トラブルを未然に防ぐことを目的とし、システムを監視し、トラブルが生じたときに原因を究明したり、対策を考えたりします。
システム保守
ネットワークに生じたトラブルの解消やシステム復旧を行います。前述したシステム運用がトラブルを未然に防ぐのに対し、システム保守はトラブルに対応する業務を担っています。
ITエンジニアは、基本的にパソコンを使った業務のため、在宅ワークもしやすい環境です。しかし、プロジェクトを進めていくうえで、きちんとコミュニケーションをとる必要があります。在宅ワークにあたり、出社して社内ルールや連携を確認したうえで経験を積み、在宅業務に切り替える流れも考えられるでしょう。
また、ITエンジニアのなかにも、在宅での仕事が難しい職種があります。完全なリモートではなく、出社勤務や現場での作業などと並行する場合もあるので、事前に確認しましょう。
ITエンジニアの仕事内容 | システムの設計・開発・運用 |
在宅ワーク向きな理由 |
|
在宅ワークの懸念点 |
|
在宅ワークに向いているITエンジニアの職種 |
|
在宅ワークに向かないITエンジニアの職種 |
|
Web制作
Webサイトの制作業務全般になります。具体的な職種は以下が挙げられます。
Webプロデューサー
Web制作のプロジェクト全体を管理します。クライアントとの打ち合わせやプロジェクトの立案・計画などを担当します。特に規模の大きなWeb制作には、欠かすことができません。制作現場より、全体的な管理を担います。
Webディレクター
Web制作の現場を取り仕切る役割です。プロデューサーがクライアントのために動くのに対して、ディレクターは現場で働く人への指示や進捗管理を行います。業務内容は多岐にわたり、クライアントへのヒアリング、ワイヤーフレームの作成、進行管理がメインです。また、デザインやコーディングの基礎的な知識も要求されます。
Webデザイナー
Webサイトのデザインを行います。センスの良さよりも見やすさやわかりやすさが重要になります。Webデザイナーとして活躍するためには、クリエイティブな発想とWeb知識が必要です。
エンジニア
Webサイトが動くように構築する仕事です。前述したWebエンジニアと同様の業務内容となります。
Webライター
Webサイトのコンテンツやブログを執筆します。近年はWebマーケティングの重要性が高まっているため、SEOに適したコンテンツ作成を行うことも多くなっています。記事の作成能力に加え、Webマーケティングの基礎知識も必要になります。
Webマーケター
Webマーケティングに関する分析や設計、運用を行う職種です。サイト制作完了後にスタートすることもありますが、最近はサイト制作の段階からマーケティング戦略を立てることもあります。
Web制作の仕事もITエンジニア同様、パソコンを使った作業がほとんどです。そのため、在宅ワークで業務可能な場合も多くあります。チームとしてプロジェクトを進めていくので、コミュニケーションや連携は必須です。
また、Web制作はフリーランスに外注する企業も増えています。新卒でWeb制作未経験の人が正社員として在宅ワークをするのは難しいかもしれません。まずは企業で経験を積んだのちに、フリーランスまたは正社員として在宅ワークに切り替えるというのが現実的です。
Web制作の仕事内容 | Webサイトの企画・制作・運用 |
在宅ワーク向きな理由 |
|
在宅ワークの懸念点 |
|
在宅ワークに向いているWeb制作の職種 |
|
在宅ワークに向かないWeb制作の職種 |
|
EC運営
ECとは、E-Commerce(Eコマース)のことで、インターネットを通じて物やサービスを販売するサイトのことです。EC運営の業務内容は以下のようなものがあります。
商品企画
EC運営の最初の一歩として、世の中のニーズやトレンドを調査・分析し、売れる商品を選定する必要があります。仕入れや製造に時間がかかるため、現在のトレンド以上に、少し先の未来を想像して、商品を企画する必要があります。
仕入れ・在庫管理
どのくらい販売できるか予測して仕入れを行い、在庫を管理する業務です。仕入量によっては、大量の在庫を抱えてしまったり、逆にもっと売れたのにと後悔したりすることも考えられます。適切な仕入量を見極めるのには、細かなトレンド分析や経験が重要となるでしょう。
ECサイト制作・更新管理
商品を販売するためのECサイトを制作し、商品の登録を行う業務全般です。まずは店舗となるECサイトをつくらなくてなりません。また商品を登録するにあたり、商品の計測や撮影、紹介文を作成する必要もあります。商品がより魅力的に掲載できるように、コンセプトや方針を定めたうえで作業を進めます。
マーケティング
ECサイトへのアクセス数を増やすためのデジタルマーケティングも、EC運営に関わる業務です。主にSEO対策、広告、SNSの3つがあり、かけられる人員や費用、ターゲット層などに合わせて、複数を組み合わせてマーケティングを行います。一人ですべてを行うには負担が大きいため、チームを組んで進めていくことが多いでしょう。
受注・出荷作業
お客様からの注文を受けて、出荷をするバックエンド業務です。まずは入金をチェックして、入金確認のメールを送ります。その後在庫を確認して、該当の商品を検品・梱包・発送するという流れです。ショップの印象を良くするためにも、丁寧で慎重な作業が求められます。
アフターサポート
お客様への商品発送が終わった段階から発生する業務です。主に発送状況の確認、クレームやお問い合わせへの対応、リピートを促すメールやクーポンの配信などを行います。アフターサポートの有無により、リピート率は大きく変わるため、重要な業務といえるでしょう。
EC運営の仕事内容 | ECショップ(オンラインショップ)の制作・運営・バックエンド業務 |
在宅ワーク向きな理由 |
|
在宅ワークの懸念点 |
|
在宅ワークに向いているEC運営の職種 |
|
在宅ワークに向かないEC運営の職種 |
|
在宅ワークが難しい職種・業種
業務や職種によっては在宅ワーク自体が難しいものもあります。もちろん一部の業務でリモート可能なことはありますが、完全在宅ワークでの就業を希望するなら以下の職種は候補から外すのが無難です。
特に現場での作業が発生する場合は、在宅ワーク自体ができないので注意が必要でしょう。
在宅ワークが難しい職種・業種を詳しく表にまとめたので、参考にしてくださいね。
職種・業種 | 業務内容や詳細な職種 |
接客業(サービス業) | 飲食店、アパレルショップ、デパート・スーパーマーケット・家電量販店などの小売店、ホテル・旅館、冠婚葬祭関連、タクシー運転手 |
製造業 | 鉄鋼、金属、石油、プラスチックなどを使用した製品の製造企業や工場 |
総務 | 社内の環境整備、電話対応、人事・労務・法務管理など、企業全体を支える事務業務 |
金融 | 銀行、証券会社、保険会社、クレジット会社、信販会社、リース会社、商品先物取引会社 |
医療 | 医師、看護師、薬剤師、助産師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士 |
介護 | 介護士、ケアマネジャー、ホームヘルパー |
教育・保育 | 教師(小学校、中学校、高等学校)、幼稚園教諭、大学教授、特別支援学校教員、養護教諭、塾講師、保育士、学童保育指導員、児童福祉司、スクールカウンセラー |
営業 | 法人営業、個人営業 |
運輸業 | トラック運転手、鉄道会社、電車の運転士、航空会社、パイロット、航海士 |
公務員 | 地方公務員、国家公務員(一般職、専門職、事務員) |
基本的に人と接する業種ほど、在宅ワークが難しい傾向にあるといえます。
しかし上に挙げた業種のなかにも、一部で在宅ワーク可能なものもあります。仕事を探すときは業務や職務で絞らず、しっかりと募集要項をチェックするとよいでしょう。
なぜ上記の職種で在宅ワークが難しいのか、在宅ワークできる可能性のある業務は何かを以下で解説していきます。
接客業
飲食業やアパレル、小売店などの接客業は、在宅ワークができない業種の代表です。お客様と直接向き合って商品を販売する必要があります。そのため、在宅ワークとして仕事をすることは難しいでしょう。
同じ接客業というジャンルでも、美容師やネイリスト、エステティシャンなどの美容業については、自宅サロンを開業して在宅ワークを行える可能性があります。しかし、未経験で自宅サロンを開くのは集客面や技術面で難しいため、お店で経験を積んでから独立し、在宅で仕事する形になります。
製造業
主に工場で業務を行う製造業は、専門機器を多数必要とすることや安全管理の面で、在宅ワークが難しい職種です。内職のような手作業を主とする業務であれば、在宅ワークが可能ですが、大きな収入を得ることは難しいので、現実的とはいえないでしょう。
一部、遠隔監視や遠隔作業などで在宅ワークを取り入れた企業もありますが、課題も多いため、普及には時間がかかるかもしれません。
総務
事務職で在宅ワークを取り入れている企業も多くあります。しかし総務の仕事は、社内のさまざまな部署から依頼や要望があり、コミュニケーションをとりながら業務を進める必要があります。そのため、在宅ワークには向いていないことが多いでしょう。
総務をはじめとする事務の在宅ワークを探す場合は、在宅と出社の両方に対応できる企業がおすすめです。例えば週2回の出社、あとは在宅といった求人も候補に入れてみるとよいかもしれません。
金融
金融業はお客様の個人情報を扱うため、在宅ワークが難しい職種です。
特に営業や窓口業務など、お客様を相手にするポジションの場合は、出社が必須になります。
近年、メガバンクを中心に在宅ワークを進める動きがありますが、在宅でできる業務が限られるため、完全在宅は厳しいでしょう。
医療
専門器具や清潔な環境が必要になるため、在宅ワークは難しいといえます。特に病院にかかわる仕事は、危険な薬品を厳重に管理しなくてはなりません。また人を相手にする職業でもあるため、対面での業務が必須です。事務仕事も多いですが、個人情報保護の観点からも、自宅で作業することは難しいでしょう。
介護
介護の業務をすべて在宅ワークにすることは不可能に近いでしょう。介護は支援をする人に直接触れる身体介護が基本になります。事務仕事の一部を在宅ワークで行うことはできますが、完全在宅の仕事を探している人には不向きな職種といえます。
教育・保育
教育や保育の仕事は、相手と直接向き合って行うことが基本です。そのため、完全在宅では難しいといえます。新型コロナウイルスの影響で、学校教育をリモートで行う試みも活発化しましたが、コミュニケーションがスムーズにとれないなどの問題点も明るみになりました。
また教育・保育機関のなかには、職員が地方公務員として採用されている場合があります。下記で改めて解説しますが、公務員自体が在宅ワークが難しい職種です。
営業
お客様とコミュニケーションを取りながら、サービスや物をセールスする職種です。営業方法としては電話やメール、対面などさまざまな方法がありますが、メジャーなのは対面によるものでしょう。そのため、在宅での業務が難しくなります。
しかし、営業職のなかにはインターネットや電話で行う業務もあります。例えば、テレコール営業では、電話のやり取りで受注までを完結させます。他にもインサイドセールスや反響営業は、Webサービスを使って営業をします。在宅ワークをしたいと考える場合は、こうした営業方法をとっている企業に入社するとよいかもしれません。
運輸業
運輸や運送にかかわる業務は、現場での作業がメインとなります。特に運転手の場合は、必ず移動が発生するでしょう。そのため、在宅ワークをしたい人には不向きな職種です。
運輸業のなかでも運転手以外の研究職や営業、事務職などについては在宅ワークを導入する企業もあります。運輸業だから在宅ワークができないと考えるのではなく、運輸業のなかにもテレワーク可能な職種があると考えて、就職活動をするとよいでしょう。
公務員
個人情報を扱う公の仕事であるため、公務員の在宅勤務導入はあまり進んでいません。総務省からテレワーク推進のための手引きが出されていますが、特に地方自治体では出社勤務がメインとなっています。
公務員が在宅勤務をする場合、許可やルールの制定に時間がかかります。そのため、うまく導入が進んでいない現状です。
今後は、在宅ワークが増える可能性ももちろんありますが、現状を考えると実現は早くないでしょう。
新卒正社員の在宅ワークが難しい理由
そもそも、正社員の在宅ワーク求人自体が少ないのが現状です。
新型コロナウイルスの影響もあり、在宅ワークを希望する人は増えました。しかし、正社員で在宅ワークをする場合、すでに現場の状況を理解している社員を在宅勤務に切り替えることが優先になります。
そのため、最初から在宅勤務を希望している新入社員を採用したいと考える企業は少ないでしょう。
特に新卒での在宅ワークが難しい理由としては、以下のことが考えられます。
社会人経験がないため、ビジネスマナーを身につける必要がある
新卒入社の場合、これまでに社会人経験がない人がほとんどです。アルバイト経験があっても、改めて正しいビジネスマナーを身につけることが必要になります。
例えば、あいさつの仕方や名刺交換、会議でのマナーなどは、対面で指導することになります。最初から在宅で勤務する場合、ビジネスマナーの習得が不十分になる可能性も否めません。そのため、新卒ですぐに在宅ワークは難しいでしょう。
業務に関する知識や、社内ルールを覚える必要がある
学校で専門的なことを学んだ場合でも、企業で業務について覚える必要があります。知識として知っていることが必ずしも仕事で通用するとは限りません。また企業にはそれぞれ独自のルールがあります。例えば、連絡の方法や業務の手順は、先輩や上司から教えてもらう必要があります。
社内ルールがわからないまま在宅ワークに移行してしまうと、業務上のミスや解釈違いがうまれることも考えられます。スムーズに業務をするために、まずは出社して社内の仕組みやルールを覚えることが重要です。新卒での在宅ワークが難しい理由として、オンラインの研修では、業務の細かい部分を伝えきれないということが挙げられます。
上司や先輩とスムーズにコミュニケーションが取れない
実際に仕事を進めていくうえで、他の人とコミュニケーションを取ることが必須になります。特に入社したばかりのときは上司や先輩から業務内容を聞いたり、やり方を相談したりしながら、業務を進めていくことが多いでしょう。実際に会って一緒に話すなかで、上司や先輩の人となりもわかっていきます。
しかし、最初から在宅勤務の場合、インターネットを通してしかコミュニケーションを取ることができず、意思疎通がうまくいかない可能性が高いです。
チャットでのやり取りは、実際に会って話すのに比べて、言いたいことがうまく伝わらないことも多いでしょう。そのため、業務でわからないことがあっても聞きづらいと感じる人も少なくありません。
上司や先輩とうまくコミュニケーションを取りながら、スムーズに業務を進めるなら、出社勤務が最善です。
新卒正社員の在宅・リモートワークの探し方
新卒正社員の在宅・リモートワークを探すとき、インターネットの求人サイトを使う人が多いでしょう。業種や職種で絞っただけでは、在宅ワークやリモートワークの仕事を見つけるのは難しい場合もあります。
検索する場合、以下のポイントを押さえて探すとよいでしょう。
- 最初から条件を絞って応募する
求人サイトによって、チェックボックスで「在宅可能」や「テレワーク」などの項目を選べる場合があります。在宅ワークを希望するなら、業種や職種よりも、在宅可能な仕事で条件を絞るのがおすすめです。
- 週に何日テレワークが可能か確認する
在宅可能やテレワークと書かれている求人でも、完全在宅となると多くありません。例えば「週1日出社」や「月に1度程度出社あり」など、求人ページや求人票にに詳しく条件が書いてある場合もあります。企業へ応募する前に、どのくらい出社が必要なのか確認しましょう。
- 新卒向けの正社員完全在宅は求人数が少ない
実際に検索してみると、新卒向けの完全在宅の仕事で正社員の求人は非常に少ないです。最初は出社が必要だったり、契約形態が業務委託や契約社員であったりと、なかなか求めている求人に出会わない可能性もあります。完全在宅にこだわるか、正社員にこだわるかによって、選べる仕事の範囲が変わってくるでしょう。
新卒の在宅ワークを探す際のポイント・注意点
新卒で在宅ワークを探す場合、「最初から完全在宅の正社員になるのは高い壁がある」ということを頭の隅においておくとよいでしょう。
出社と在宅勤務を並行した正社員の職に就いて経験を積み、その後完全在宅の企業に転職するのも効率的です。
それでも新卒の在宅ワークにこだわりたいという強い思いを持っている人も、以下の点はふまえておきましょう。
求人がない場合もある
完全在宅のリモートワークの求人がないことは、十分に考えられます。特に新型コロナウイルスの収束がみられ始めた今、在宅勤務から出社に切り替える企業も増えています。現在完全在宅の求人がなくても、長いスパンで求人を探すとよいかもしれません。
就職後しばらくは出社する可能性がある
在宅ワークの仕事に就職した場合でも、研修期間や業務に慣れるまでは出社する可能性があります。対面でなければ教えられないことがあったり、社員間のコミュニケーションを図ったりする必要があるためです。上司や先輩、同期に会えることをプラスに考えるとよいかもしれません。
フリーランスだと見つけやすい
正社員での完全在宅ワークが見つからない場合、業務委託や契約社員の求人を探すのも手です。正社員に比べると、福利厚生や社会保険、雇用の安定性が不安定ですが、自分のがんばり次第で正社員よりも給与があがる可能性もあります。さらにフリーランスは働く場所を問わない契約形態なので、完全在宅ワークも可能です。
ただ、フリーランスは経験やスキル重視になるため、学生の頃から経験を磨いておくとよいでしょう。
まとめ
正社員として完全在宅ワークを行うのは難しいのが現状です。
在宅ワークが可能な職種も限られているうえに、企業によって在宅ワークをどの程度導入するか違います。
また、在宅ワークを導入している企業でも、すでに業務に慣れている社員が在宅ワークに切り替えるパターンが多く、新規採用の求人数も少ない状態です。
特に新卒で就職する場合は、社会人経験の不足やコミュニケーション面の不安があり、選考でも不利になりやすいでしょう。
しかし考え方を変えるだけで、新卒で在宅をメインにした働き方をすることは可能です。
例えば以下のような求人です。
- 完全リモートではないが、ほぼ在宅で仕事ができる(月に数日出社)
- 慣れるまでは出社だが、業務を覚えたあと完全在宅になる
- 業務委託契約の完全在宅ワーク
自分が何を優先したいかを考えたうえで、求人を探してみるとよいでしょう。