リモートワークで地方移住を実現させよう!メリットやポイントを解説
働き方改革や新型コロナウイルスの影響から、リモートワークが急速に広まりました。生活スタイルが大きく変わった人もいるでしょう。リモートワークはオフィスに出社する必要がないため、最近では生活拠点を都心から地方に変える人もいます。
自然に囲まれた土地で働くことに憧れを持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、地方移住してリモートワークすることにはメリットもデメリットもあります。今回は地方移住してリモートワークで働くメリットとデメリット、失敗しないための事前確認ポイントを詳しく解説します。地方移住を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
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リモートワークが浸透して地方移住者が増加
2020年に拡大した新型コロナウイルスの影響から約3年の月日が経ちました。それにより、自宅やコワーキングスペースで働くリモートワークも定着しつつあります。場所を選ばず仕事できるということは、自宅をオフィスから通勤可能な場所にかまえる必要がありません。
そのため都心ではなく、地方に移住して働きたいと考える人が増加傾向にあるようです。株式会社リクルートが地方移住および多拠点居住の考え方についてアンケートを実施したところ、回答者の46.6%が地方や郊外への移住に興味を示していることがわかりました。
さらに興味があると回答した人の38.4%の人が、情報収集したり実際に候補の地域を訪れたりして移住に向けて取り組んでいるようです。すでに移住先が確定して手続きを進めている人も3.2%いました。リモートワークによって自宅で過ごす時間が増えたため、よりよい住環境で過ごしたいと考える人が増えたのかもしれません。
参考:株式会社リクルート「コロナ禍2年目 東京在住者 地方・郊外移住、46.6%が興味あり 障壁は『仕事面の不安』が最多 テレワークの継続実施に関心」
地方移住してリモートワークする5つのメリット
リモートワークという働き方を選択して地方移住することには多くのメリットがあります。主なメリットは次の5つです。
- 自然豊かな環境で生活できる
- 通勤ストレスから解放される
- 都心に比べて物価や家賃が安い
- 子育てしやすい
- 交友関係が広がる
それぞれ詳しく解説します。
1.自然豊かな環境で生活できる
地方移住を実現したい人の多くが、豊かな自然にメリットを感じているのではないでしょうか。都心はオフィスビルや商業施設が立ち並んでいるため、自然を身近に感じられる機会は少ないでしょう。しかし地方は、中心部から少し離れると山や海など自然に囲まれていることが多く、豊かな自然を身近に感じられる環境で生活できます。仕事終わりに広大な自然を眺めれば、疲れも癒されていくでしょう。
2.通勤ストレスから解放される
リモートワークになれば、オフィスへの出勤が不要です。満員電車は乗るだけで疲れるもの。毎朝の通勤ストレスから解放されることで、仕事へのモチベーションもアップするのではないでしょうか。
また通勤時間がなくなるので、時間に余裕ができるのもメリットです。例えば、通勤時間にこれまで片道1時間かかっていた人は、1日に2時間の余裕ができます。1か月に22日出勤したとして、1か月にかかる通勤時間は44時間です。空いた時間を運動や趣味、自己成長のための学びの時間に充てれば、生活により充実感を得られるでしょう。
3.都心に比べて家賃や物価が安い
都心に比べて家賃や物価が安いのも、地方移住のメリットです。例えば東京都ではワンルームの賃貸マンションでも10万円前後の家賃がかかるケースも少なくありません。ファミリー向けの物件であれば、さらに高い家賃を支払う必要があるでしょう。
しかし、地方であれば5万円前後で広い部屋を借りられるケースも多く、生活コストの大幅な削減につながります。最近では古い古民家を安く購入し、自分好みにリノベーションする移住者も増えてきました。
家賃と同様に物価も安い傾向にあり、地域によっては新鮮で美味しい野菜や珍しい魚介類をリーズナブルな価格で楽しめます。都心から移住してきた人は、その安さに驚くかもしれません。
4.子育てしやすい
子供を連れた移住にもメリットがあります。まず人口が少ないために、保育園に入れない待機児童になるリスクが発生しにくいことです。地域によっては人口を増やすため子育て支援に力を入れている自治体もあり、手厚い支援を受けられるケースも多くあります。さらに自然豊かな環境で、周りを気にせずにのびのびと遊ばせられるのも地方移住の魅力といえるでしょう。
5.交友関係が広がる
交友関係が広がる可能性もあります。都心では人付き合いが希薄になる人も多かったでしょう。しかし、地方は人同士のつながりを大切にしている地域も多く、イベントやコミュニティも活発です。近隣の人と挨拶を交わしているうちに仲良くなることもあるでしょう。新しい出会いがあるのも地方移住の魅力です。
地方移住してリモートワークする4つのデメリット
地方移住してリモートワークすることは、メリットだけではありません。デメリットもいくつかあります。主なデメリットは次の4つです。
- 都心より交通の便が悪い
- 子供の教育に関して選択肢が少ない
- 飲食店やスーパーなどのお店が少ない
- 同僚とコミュニケーションを取りにくい
順番に解説します。メリットだけで決めてしまうと後悔するケースもあるため、どちらも理解したうえで判断するとよいでしょう。
1.都心より交通の便が悪い
地方は都心に比べると交通が発達していない地域も多いため、住む場所によっては車がないと生活できないケースもあるでしょう。車を所有すると維持費がかかるため、思ったより生活コストがかかって大変な思いをすることもあるかもしれません。
特に自然豊かな場所であるほど交通の便は悪い傾向にあります。車を持たないで生活したい場合は、地方でも中心部の公共交通機関が発達している場所を選ぶのがおすすめです。
2.子供の教育に関して選択肢が少ない
豊かな自然のなかで周りを気にせず育てられるメリットがある反面、教育関連の選択肢が少ないことにデメリットを感じる人もいるかもしれません。学校はもちろん、塾や習い事は都心に比べると数が少ないうえに、住む場所によっては保護者の送迎が必要なケースもあります。
とはいえ、最近ではオンラインで学べるサービスも増えてきました。上手に活用すれば、大きなデメリットにはならないのではないでしょうか。
3.飲食店やスーパーなどのお店が少ない
都心では、少し歩けば飲食店やスーパーなどのお店が所狭しと並んでいます。しかし地方になると、都心ほどお店は揃っていません。車で走らなければお店がない地域もあります。これまで好きなときに欲しいものがすぐ手に入る環境だった人は、買い物に不便さを感じる人もいるでしょう。
4.同僚とコミュニケーションを取りにくい
リモートワークを取り入れた働き方のなかでも、大きく分けてフルでリモートワークするタイプと出社を組み合わせたハイブリッドワークの2つがあります。地方に移住する場合は、フルリモートワークのケースが多いでしょう。
フルリモートワークにはメリットが多い反面、同僚や上司とコミュニケーションする機会が大幅に減ります。不明点などを聞きにくかったり、聞いても返信が遅かったりすれば業務効率の低下を招くリスクもあるでしょう。
また出社していたときは気軽にできた他愛無い会話がしにくくなることも。そのため孤独感に悩む人もいます。事前にコミュニケーションの取り方を考えておくとよいでしょう。
リモートワークで実現できる4つの移住スタイル
リモートワークの普及によって、働き方も多様化しました。なかには「完全に移住するのではなく、気分で働く場所を変えたい」「今の生活も維持したい」と考えている人もいるでしょう。ここではリモートワークで実現できる4つの移住スタイルを紹介します。
- 短期滞在
- 長期滞在
- 完全移住
- 2拠点生活
それぞれ解説します。自分にぴったりな方法を見つけてみてくださいね。
・短期滞在
新しい住まいを決めるのではなく、まずは気軽に移住体験したい人におすすめなのが短期滞在です。今の住まいから離れた場所に生活環境を変えることは、人生のなかでも大きな選択肢ですよね。旅行では気に入った場所も、住んでみたら自分には合わなかったケースもあります。
最近では地方自治体が移住後の暮らしを体験できるよう、移住体験住宅を期間限定で提供してくれるケースもあるので、気になる地域が見つかったら一度問い合わせてみるとよいでしょう。
また休暇もかねて短期間で宿を押さえ、合間に仕事するワーケーションスタイルもあります。いずれも気軽に興味ある地域を知る機会となるので、複数の移住先で迷っている人は試してみてはいかがでしょうか。
・長期滞在
定住には踏み切れないけれど、その地域で暮らしたいと考える人には数か月〜数年住む長期滞在がよいでしょう。例えば涼しく過ごせる夏の時期だけ、ウィンタースポーツが好きだから冬の期間だけなど、特定の時期だけ長期滞在する人もいます。
一定期間の滞在を繰り返すことで土地に愛着が湧いて定住を決心する人もいれば、別の場所も見てみたいと他の地域に拠点を変える人もいるでしょう。長期滞在することで、土地の文化なども詳しく知ることができます。
・完全移住
生活のすべてを完全に移す移住スタイルです。定住によって自治体が提供している支援を受けやすくなるメリットはありますが、完全移住すると何か困ったことがあってもすぐ他へ移ることは難しくなるでしょう。「移住しなければよかった」と後悔しないよう、念入りな準備が必要です。特に家族がいる場合は、全員の生活に支障がないか、本当に移住しても大丈夫か理解を得る必要があります。
・2拠点生活
「地方でのんびり過ごしたいけれど、週に数回オフィスに出社がある」「今の生活スタイルも捨てがたい」という人は、2つの場所に拠点を持つ2拠点生活がよいでしょう。
週2回は都心で暮らし、あとの5日は地方で暮らすといった生活が可能になるため、都心と地方のメリットを両方取り入れられます。完全移住の前段階として、徐々に地方へ生活のメインを移していきたい人にも最適なスタイルです。
地方移住を決める前にチェックしたいポイント5つ
生活拠点を大きく変える前には、念入りな準備が大切です。準備不足のまま勢いで移住すると、後悔することも。ここでは、移住を決める前にチェックしたいポイントを5つ紹介します。
- 周辺環境を調べる
- 地域の気候を調べる
- 災害リスクを調べる
- 生活コストを確認する
- 補助金や移住支援について調べる
それぞれ詳しく解説します。
1.周辺環境を調べる
移住を検討している地域の周辺環境のチェックも重要です。特にリモートワークでは、インターネット環境が必須。つながりにくい地域だと、仕事に支障が出るリスクもあるでしょう。また車を持つ予定がない場合は、買い物できるお店や病院が近くにあるかも把握しておく必要があります。
2.地域の気候を調べる
どんなに魅力的な地域でも、いざ住んでみたら合わなかったと感じるケースは少なくなりません。特に気候や風土はインターネットや書籍からの情報だけでは判断できないでしょう。例えば夏は過ごしやすい気候でも、冬は厳しい寒さで住むのが辛く感じるかもしれません。
住み始めてから困らないように、気候や災害についても調べておきましょう。実際に移住した人からリアルな話を聞くのがおすすめです。
3.災害リスクを調べる
自然豊かな地域への移住は魅力的ですが、自然災害によるリスクについても考えておく必要があります。どのような災害リスクがあるのか、また対策はどのようにするべきか把握し、移住した際は必要な道具などを揃えておきましょう。家族全員に対処法や避難場所を共有しておくことも大切です。
4.生活コストを確認する
地方移住は生活コストを抑えられる可能性がありますが、逆に都心では必要なかったコストが増えるケースもあります。例えば車が必要な地域に住めばガソリン代や駐車場代、保険代などの維持費がかかるでしょう。光熱費も地方のほうが高いケースもあります。増える支出と減る支出を洗い出し、1か月あたりにかかる生活コストをシミュレーションしておきましょう。
5.補助金や移住支援について調べる
自治体によっては移住者向けの支援を実施している地域もあります。例えば移住先のなかでも人気の山梨県や長野県では、条件を満たすことで最大100万円の支援金を受け取れることも(2023年7月現在)。
また多くの自治体では空き家バンクを開設しており、一定期間住むことで改修費用を補助してくれる制度もあります。他にも地域おこし協力隊や起業支援を実施している自治体もあるので、移住を検討したら一度どのような制度があるのか確認してみるとよいでしょう。
地方移住する際の注意点
最後に地方移住を検討した際に注意しておきたい点を2つ紹介します。
移住の目的を明確にする
なぜ移住したいのか、目的を明確にしましょう。失敗したと感じる人の共通点として「移住の目的が曖昧だった」ことが挙げられます。感情や勢いだけの移住は後悔の原因になるのでやめたほうがよいでしょう。
「のびのびと子育てしたい」「地域の人に愛されるお店を開きたい」「趣味と仕事を両方楽しみたい」など、明確な目的を持つのがおすすめです。はっきりした目的を持てば、移住生活で大変なことがあっても続けるモチベーションを保てますよ。
自分だけで移住を決めない
単身ではなく家族で移住を検討している場合は、家族全員でじっくり話し合って決断しましょう。知らない土地へ生活拠点を移すことに抵抗を持つ家族もいるかもしれません。「絶対楽しいから」と強引に連れていくのではなく、どのような懸念点があるか、どうすれば解決できるのかをみんなで話し合い、納得してから実行するのが成功のポイントです。
特に教育面では前述したように選択肢が少ないため、子供が将来どのようなことに挑戦したいのかを聞き、進路を考えたうえで移住先を決める必要があるでしょう。
まとめ
リモートワークという働き方を選ぶことで、仕事を変えずに憧れの土地へ移住する夢が実現できます。自然豊かな環境でのびのびと仕事できれば、ストレスも軽減されるでしょう。自治体の支援が充実していれば子育てやコスト面のリスクも少なくて済みます。
しかし、都心の生活に慣れている人にとっては不便さを感じることもあるでしょう。移住を検討している地域を事前にリサーチし、仕事はもちろんプライベートにも支障がないか把握しておく必要があります。後悔のない移住生活を叶えましょう。
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