リモートワークのツールを徹底比較!料金・機能や選び方も解説
リモートワークに必要なツールはいくつもあり、適したサービスを選び出せないこともあります。チャット、Web会議、勤怠管理、電子契約サービス、タスク管理、オンラインストレージなどは必須ツールです。それぞれのサービスを比較して選びましょう。
リモートワークはオンライン上で仕事のやり取りをするため、いくつかツールが必要です。とはいえ数多いツールのなかから、どれを選べば効率的に業務が進むか迷うこともあるのではないでしょうか。
ツールも業種に関係なく、リモートワークに必須のものと、職種や業務内容により必要なものがあります。まずはどんなツールが必要か検討し、そのなかから機能や料金を比較したうえでサービスを選ぶのがよいでしょう。
今回は、リモートワークで便利なツールの種類やおすすめのサービスについて解説します。記事の後半では、それぞれの料金や機能を表組で比較しているので、サービスを選ぶ際の参考にしてください。
リモートワークではツール選びが重要
リモートワークのデメリットとして「コミュニケーションが取りづらい」という声を耳にします。コミュニケーションが不足するとコンセンサスが得られず、業務にも影響を及ぼしかねません。対面と遜色ないコミュニケーションを取るには、ツールが担う役割が大きく、どんなサービスを使うかが重要です。
またリモートワークには「情報共有がうまくいかない」「会議の人数に制限がある」「勤怠管理が難しい」などデメリットがありますが、それらも同様にツールを活用することでフォローできます。
ツールにはさまざまな種類があるので、職種や業務に適したものをピックアップし、料金や機能を比較してサービスを選びましょう。
リモートワークツールの種類
リモートワークに必要なツールは、目的に応じてさまざまです。代表的なものとして、チャットツール、Web会議ツール、勤怠管理・電子契約サービス、タスク管理、オンラインストレージなどが挙げられます。他にもあれば便利なツールは、以下の通りたくさんあります。
- どこでも電話が受信できるクラウドPBX
- パソコン用セキュリティソフト
- どこからでも社内ネットワークにアクセス可能なリモートアクセスサービス
- 社用電話として従業員に貸与するIP電話
- 円滑なコミュニケーションと情報共有ソフトのグループウェア
- 営業を効率化する営業支援システム
- 人事の業務を効率化する人事管理/評価システム
- ペーパーレス会議システム
- 業務に必要なノウハウや情報を共有するナレッジ(情報)共有ツール
これらのツールも便利ですが、リモートワークを行ううえでまずは一般的なツールを導入する必要があります。
ここでは、以下を解説します。
- チャットツール
- Web会議ツール
- 勤怠管理
- 電子契約サービス
- タスク管理
- オンラインストレージ
1.チャットツール
リモートワークに必須といえるツールで、1対1はもちろん、チームや部署ごとにグループをつくって複数人でコミュニケーションを取ることができます。「メールで十分では?」と思う人もいるかもしれませんが、メールでは時間の共有がしづらく、相手が目を通しているかどうかもわかりません。また基本的には1対1のやり取りとなり、文書の作成にも時間がかかります。
チャットツールでは、コメントにリアクション機能で反応したり特定の人にメッセージを送ったり、スピーディなコミュニケーションが可能です。ファイルなどデータのやり取りもOKで、セキュリティ面でも安心なサービスが多くあります。
従業員間でのコミュニケーションが希薄になりがちなリモートワークですが、チャット上で気軽にコメントのやり取りができるのもよい点です。
2.Web会議システム
個別のミーティングから部署全体の会議まで、すべてリモートで行え、従業員それぞれがリモートで仕事する場合に必須のツールです。会議に使う資料をチャット欄にアップして閲覧したり、メンバーで資料を画面共有したりすることで会議がスムーズに進行します。ただし、通信環境により音声や画像が乱れることがあるので、通信量を考えたうえでどのシステムにするか選びましょう。
Web会議システムの価格は、比較的リーズナブルなものが多いため気軽に取り入れられます。
3.勤怠管理
従業員の出退勤や休憩、残業時間を管理するシステムです。このツールを利用すれば、勤怠管理にかかる時間が削減でき、手作業による計算ミスも防ぐことができます。また勤怠に関するすべてを集計するので、リモートワークで起こりがちな長時間労働が是正でき、不正打刻の防止にもなります。
勤怠は給与計算にも必要となるため、必須ツールの一つといえるでしょう。
4.電子契約サービス
契約をオンラインで完結できるサービスです。契約からアップロード、電子署名、メール通知、自動保管まですべての工程が短時間で進められます。印紙税などコスト削減になるうえ、出社の必要もなくなり、契約業務が多い企業では役立つツールといえるでしょう。
5.タスク管理
従業員のタスクを可視化するツールです。リモートワークのデメリットに、従業員一人ひとりが抱える業務の進捗がわかりづらい点がありますが、タスクを可視化することで管理しやすくなります。また従業員に仕事を振り分けるときにも便利です。
6.オンラインストレージ
社内のファイルをオンラインで共有する際に使用するツールです。インターネット上にデータが保存できるディスクスペースで、データの保管や共有が行えます。無料のサービスも多く、会員登録で気軽に利用できるものも。法人向けの場合、強固なセキュリティが施されているものも多くあります。
チャットツールのおすすめ3選
リモートワークでコミュニケーションを取る際に不可欠なチャットツール。おすすめのサービスは以下の3つです。
- Slack
- ChatWork
- Microsoft Teams
一つずつ解説します。
1.Slack
Slackは、世界中で広く使われているチャットツールです。カスタマイズしやすく、個人間はもちろんチームや顧客ごとにグループ分けでき、さらに仕事のトピック別に整理できるスペースがあります。チャンネルを分けることで、そのトピックに特化した会話ができるうえ、メッセージがスレッド表示されるため、会話をさかのぼる際にも便利です。文字だけでなく画像や動画の共有も可能。
2.ChatWork
ChatWorkは、国内利用者数が多い中小企業向けのビジネスチャットです。Slackと比べると機能はシンプルですが、そのぶん使い方も比較的簡単です。社内外の誰とでもつながることができ、大企業や官公庁などでも導入されるセキュリティ水準です。
チャットルームは部署やチームごとに分けられますが、スレッド表示はありません。タスク機能があるので、自分のタスク管理に使ったり、メンバーに仕事を依頼したりするときに便利です。チャットにアップロードされたファイルのプレビュー表示ができ、ダウンロードもOK。
3.Microsoft Teams
インスタントメッセージング機能により、リアルタイムに会話できるサービスです。言語翻訳機能があり、違う言語を使うメンバー同士が仲介なしでコミュニケーションを図ることができます。チームや部署ごとにチャンネルを作成してチャットができ、全員へ連絡する場合は複数のチャンネルへ一斉投稿が可能です。マイクロソフト株式会社が提供するサービスなので、WordやExcel、PowerPointなどOffice系ツールを画面共有し、会話しながら修正したりブラッシュアップしたりできます。
中小企業から大企業まで幅広く対応するサービスです。
Web会議ツールのおすすめ3選
Web会議ツールのおすすめは以下の3つです。一般にも広く浸透しているため、知名度が高いものが多数あります。
- Zoom
- Google Meet
- Skype
一つずつ解説します。
1.Zoom
リモートワークと共に定着した知名度の高いツールの一つです。パソコンとスマートフォンのどちらも利用可能。会議の規模は最大1,000名まで、アドレスで招待された出席者は誰でも会議に参加することができます。通信状態も比較的良好で、低速のインターネット回線でも安定したWeb会議が行えるのが利点です。録画や文字起こし、会議中にデータの共同編集ができる機能も付いています。リモートワークの効率化が期待できるサービスです。
2.Google Meet
Zoomと同じく、会議の参加者をアドレスで招待するシステムです。セキュリティの高さに定評があります。Googleサービスと相性が良く、主催者がGoogleカレンダーに予定を入れ、参加者へ招待メールを送信すれば準備OK。開催時間にカレンダーの項目をクリックすることでカメラが起動し、すぐに会議が始められます。
3.Skype
パソコン、スマートフォン、タブレットなど好きな端末で利用できます。無料で最大100名までの音声通話またはビデオ通話が行える他、インスタントメッセージの送信やファイルの共有なども可能。また電話機能やSMSの送信など、有料でオプションの追加もできます。
勤怠管理ツールのおすすめ3選
リモートワークを導入する企業で必須となる勤怠管理も、ツールを使えば効率的に行えます。おすすめは以下の通りです。
- ジョブカン勤怠管理
- タッチオンタイム
- ハーモス勤怠 by IEYASU
それぞれ解説します。
1.ジョブカン勤怠管理
月額200円から利用できるクラウド型の勤怠管理システムで、出勤やシフト管理、休暇・申請、工数管理を行います。ICカードやGPSなどいくつか打刻方法があり、リモートワークにも対応可能。また有休管理など法令義務に基づく業務も簡単に行えます。管理画面のオプション機能でオリジナルフォーマットに仕様変更できるので、使いやすいようカスタマイズしましょう。
2.タッチオンタイム
アルバイトや契約社員、正社員などさまざまな就業ルールに対応するクラウド勤怠管理システム。初期設定は無料、月額1人300円の運用で、出退勤管理やシフト作成など全機能が使えます。
また打刻漏れを防ぐため、独自に開発した打刻専用タイムレコーダー「タッチオンタイムレコーダー」を搭載。勤務状況がリアルタイムで自動集計されるので、タイムカードの集計が必要ありません。さらに給与管理システムと連携を強化しているため、毎月の給与計算が楽になるのもメリットです。
3.ハーモス勤怠 by IEYASU
従業員が30人以下の企業であれば、無料ですぐに使えるサービスです。有料プランは従業員1人につき月額100円から利用可能。打刻方法はICカードやSlack、LINEなど多数あり、リモートワークにも対応しています。スマートフォンで操作でき、iOSとAndroidアプリもあるので手軽に使えるのが魅力です。労働基準法に準じた対応で、有給休暇の取得や時間外労働の管理も可能です。
電子契約サービスのおすすめ3選
電子契約サービスの普及により、押印のために出社したりクライアント先に出向いたりする必要がなくなりました。おすすめのサービスは以下の通りです。
- クラウドサイン
- GMOサイン
- freeeサイン
一つずつ解説します。
1.クラウドサイン
紙と印鑑をクラウドに置き換え、契約作業がオンラインで完結できる電子契約サービス。弁護士による法律監修の元で運営が行われ、適法性、証拠力、税務対応など、あらゆる点で安心して契約を結べるのがメリットです。セキュリティも定評があり、官公庁や金融機関も利用するサービスといわれています。導入社数250万社以上、累計送信件数は1,000万件を超えています。
2.GMOサイン
オンライン上の電子文書で契約が行える電子契約サービス。契約締結までメールでやり取りするため作業の効率化が図れ、法人や個人など目的や内容に合わせてさまざまな契約が可能です。例えば、電子署名フォームを発行することで、イベントの申し込みや入会書、同意書など、不特定多数の人を対象とした契約や申請が行えます。ペーパーレス化につながり、どこの場所にいてもスピーディに契約が交わせるのもメリットです。
3.freeeサイン
弁護士の監修により信頼度の高いとされる電子契約システム。文書の作成から電子契約締結、管理まで、契約業務の煩雑なプロセスがすべてオンラインで完結できるワンストップ型のサービスです。業務の効率化だけでなく、印税のコスト削減、重要書類の紛失やミス防止など、さまざまな課題に対処し、リモートワークにも便利です。
タスク管理ツールのおすすめ3選
タスクを管理することで、従業員の作業量や業務の状況が把握しやすくなります。おすすめのツールは以下の通りです。
- Trello
- Notion
- monday.com
一つずつ解説します。
1.Trello
世界で2,000万人が利用する無料のタスク管理ツール。ボードやリストでタスクを視覚化し、誰がどんな仕事をしているか、業務内容や納期などを把握できます。プロジェクト管理やミーティング、新人を組織に定着させる取り組みのオンボーディング、会議でアイデアを出し合うブレインストーミングなど、プロジェクトの大小を問わずあらゆるワークフローに対応。タスクの見える化を目指すだけあり、付箋がはられたような画面は、今やるべきことなどが視覚的にわかるようになっています。
2.Notion
メモやタスク管理、ドキュメント管理、データベースなどさまざまなツールの一元管理を可能にしたツールです。アメリカ発のシステムで、使い勝手の良さから世界の利用者数は2,000万人を超えています。個人の利用者も多く、目的に合わせてカスタマイズでき、マルチに使えるのが特徴です。
3.monday.com
クラウド型のプロジェクト管理システム。世界で18万社以上、国内で500社以上の企業から信頼を得る業務管理ツールです。ソフトウェア開発、マーケティング、プロジェクト管理、営業と顧客管理、タスク管理などが行えます。組織全体が1カ所で仕事を把握できるよう、あらゆる作業、プロセス、ツール、ファイルを一元管理します。
オンラインストレージのおすすめ3選
社内のさまざまなファイルが共有できるオンラインストレージ。おすすめは以下の3つです。
- Google Drive
- Dropbox
- MEGA
一つひとつ解説します。
1.Google Drive
Google Workspaceに含まれるサービスの1つで、Googleが提供する他のサービスと相性抜群です。すべてのプランにドキュメントやスプレッドシート、スライド、フォーム、Gmail、Meet、カレンダー、Chatなど便利なツールが含まれています。アカウントがあればファイル共有でき、無料の個人向けプランでも15GBまで利用可能です。
2.Dropbox
オンライン上でファイルの保管や共有ができるサービス。チーム内でメンバー同士が連携し、書類や画像など仕事やプライベートのさまざまなアイテムを1カ所に集約できます。どんな端末からでも共有でき、ファイルのアップロードや閲覧も簡単に行えるのもメリットです。SlackはDropboxファイルから直接メッセージを送信でき、Zoomは直接ミーティングに参加できるなど、アプリを切り替えることなく使用できます。
3.MEGA
大容量のストレージで、データ量の大きなファイルやフォルダのアップロードにも対応します。ファイルの共有も操作が比較的容易で、社内外での共同作業もスムーズに行えるでしょう。利用するファイルはすべて暗号化され、第三者にはわからないようになっているので、情報漏洩のリスクを減らせます。パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンなど、どの端末からもアクセス可能。
リモートワークツールの料金・機能を比較
これまで述べた通り、リモートワークに必要なツールには、用途に合わせてさまざまなサービスがあります。次に各ツールの料金や機能をそれぞれ比較します。
- チャットツール
- Web会議ツール
- 勤怠管理
- 電子契約サービス
- タスク管理
- オンラインストレージ
1.チャットツール
ツール | 料金 | 主な機能 |
Slack |
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チャットワーク |
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Microsoft Teams |
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2.Web会議ツール
ツール | 料金 | 主な機能 |
Zoom |
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Google Meet |
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Skype | 無料 |
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3.勤怠管理ツール
ツール | 料金 | 主な機能 |
ジョブカン勤怠管理 |
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タッチオンタイム |
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ハーモス勤怠 |
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4.電子契約サービス
ツール | 料金 | 主な機能 |
クラウドサイン |
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GMOサイン |
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freeeサイン |
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5.タスク管理ツール
ツール | 料金 | 機能 |
Trello |
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Notion |
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monday.com |
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6.オンラインストレージ
ツール | 料金 | 主な機能 |
Google | 個人向け 0円 Business Standard 1,360円/月(ユーザー1人あたり) |
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dropbox |
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MEGA | 個人
チーム
※料金は現地通貨での見積もり価格です。取引はユーロにて請求。 |
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リモートワークツールの選び方
リモートワークツールは、料金や機能などを比較したうえで、Webアプリまたはクラウドアプリから使い勝手の良い方を選ぶことになります。
多くの企業にとってリモートワークに必要なものは、チャットやWeb会議をしたり勤怠やタスク管理をしたりするツール、電子契約サービスやオンラインストレージなどです。この他、業種や職種により必須なツールが異なるので、まずは「自社にどんなツールが必要か」洗い出しましょう。
各ツールの料金や機能は、上述した通り種類別に紹介しています。それぞれ比較検討してください。
Webアプリかクラウドアプリか迷う企業も多いでしょう。ここで2つの違いを解説します。
- Webアプリ
- クラウドアプリ
Webアプリ
Webアプリとは、インターネットに接続している状態でWebブラウザ上で操作するアプリのこと。データはサーバーに管理されており、ユーザーはブラウザを通じてアプリの動作に必要なデータを要求します。ブラウザを通じて動作するので、特定のソフトウェアやアプリをインストールする必要はありません。しかし、ブラウザを通じてインターネット接続を行うため、オフラインでは動作できません。
Webアプリの一例:Google、yahoo!、Amazon、Facebook、twitter、Skypeなど
クラウドアプリ
クラウドアプリとは、仮想サーバー上のシステムに接続して利用するアプリのこと。ブラウザからの利用の他、パソコンやスマートフォンに専用アプリをインストールして使うこともできます。インターネット環境を通じてサービスを利用する点はWebアプリと同じですが、専用アプリを端末にダウンロードしておけばオフラインでも一部の機能を使うことができます。
クラウドアプリの一例:Evernote、Dropbox、Zoom、Gmail、yahoo!メールなど
2つの違いを理解し、どちらのアプリを利用するか決めましょう。
まとめ
今回は、リモートワークツールの選び方と各サービスの機能や料金を解説しました。
リモートワークではツール選びが重要で、作業に適したものを使うことで業務の効率が左右されます。まずは「どんなツールが必要か」を明確にし、それぞれ比較検討することをおすすめします。
ツールにより使用料や機能が違い、同じサービスでもプランによって使える機能が異なるため注意が必要です。Webアプリかクラウドアプリかという点も含め、業務に合わせて考える必要があるでしょう。快適なリモートワークは、ツール選びがポイントです。