リモートワークやテレワークが寂しいときの解決策は?原因も解説

リモートワークの働き方は、人によっては寂しいと感じる場合があります。リモートワークで孤独を感じやすい理由や寂しいと感じたときの解決策を紹介します。リモートワークで寂しいと感じており対処したい人はぜひ参考にしてください。

自分の好きな環境で働けるリモートワーク。マイペースに仕事に取り組むことができる一方、「1人で作業するのが寂しい」という声も聞かれます。在宅勤務が続くなか、人と話す機会が減り、オフィス勤務で感じなかったストレスを抱える人もいるでしょう。

今回は、リモートワークを寂しいと感じてしまう理由や寂しさを解消する解決策を紹介します。1人の作業をつらいと感じているときは我慢せず、ここで紹介した方法を実践してみるのもおすすめです。

リモートワークが寂しい理由

リモートワークが寂しい理由

リモートワークが寂しい理由は、主に以下の3つです。

  1. コミュニケーションが取りづらい
  2. 1人で作業する必要がある
  3. 集中力が途切れやすい

それぞれの理由を見ていきましょう。

 

1.コミュニケーションが取りづらい

それぞれ離れた場所で作業を行うリモートワークは、コミュニケーション不足に陥りがちです。オフィス勤務であれば、社内の様子を見ながら上司や同僚に声をかけるタイミングをうかがうことができます。しかしリモートワークでは相手の状況や表情が見えないため、話しかけるハードルが上がってしまいます。

業務で不明点があった場合、社内なら気軽に聞けることもリモートワークでは質問しづらいケースもあるでしょう。簡単な確認事項は遠慮してしまったり、電話ではなくビジネスチャットで済ませたりすることもあるかもしれません。ビジネスチャットでのやり取りは、どうしても事務的かつ簡易になりがちです。また、相手に内容を理解してもらうのに文字で書かねばならず、対面で話すより時間を要することも少なくありません。やり取りに時間をかけたわりに意図が伝わらないと「伝え方が下手なのでは」とネガティブ思考に陥り、孤独感が増します。

顔を合わせないだけでなく、社内で雑談したりランチタイムに集まったりして、気分転換することもできません。職場の仲間と仕事以外の話がしづらい状況も寂しさを増長させる要因です。

 

2.1人で作業する必要がある

リモートワークは、基本的に1人で業務にあたります。1人の作業には向き不向きがあり、もともと1人で静かに仕事するのが好きな人には問題ないでしょう。また業務経験があり、一通りのことは独力で対応できる人も、1人の環境を苦に感じることは少ないかもしれません。しかし、周囲に人がいる方が落ち着く人は、1人の作業がストレスになる場合があります。特に、仕事を進めるうえでサポートが必要な新人や若手従業員は、寂しさや心細さを感じやすいでしょう。

オフィスの環境により異なりますが、出社勤務の場合は室内やフロアに他の従業員がいますよね。会話はなくても、お互いの存在を認識しながら働け、電話対応や周囲のやり取りも自然と耳に入ってくるものです。新人や若手従業員にとっては「いざというときにすぐ質問できる」環境は大きな安心材料になります。

また、皆で同じ空間を共有することで、連帯感や絆も生まれやすくなります。しかしリモートワークは、組織の一員という意識が希薄化しやすく、孤独を覚えやすいでしょう。チームの一体感や組織への帰属意識の低下も懸念されます。

 

3.集中力が途切れやすい

リモートワークでは、集中力が途切れやすいと感じる人もいるようです。上司や先輩、同僚が近くにいないため緊張感の持続が難しく、仕事にふさわしい環境が整っていないため気が散るといった要因も考えられます。自宅では間取りの都合上、専用のワークスペースを確保できず、家族や同居人の物音が気になって集中できないケースも少なくありません。このように、在宅勤務では仕事とプライベートの境界も曖昧になりがちです。

リモートワークでは、出社勤務以上に自己管理能力が求められます。オンとオフの切り替えが苦手な人は、オフィスにいるときより生産性が下がってしまうかもしれません。また、チームの他のメンバーは自宅でも集中して業務に取り組んでいるのに、自分は仕事モードに切り替えられないと焦ってしまうかもしれません。モチベーションが続かない、仕事が効率的に進められないことで自己肯定感が下がり、疎外感や孤独感が増す場合もあります。

寂しいリモートワークの解決策

寂しいリモートワークの解決策

リモートワークの寂しさは、さまざまな方法で解消できます。特におすすめの方法を7つ紹介します。自分に向いている方法を見つけ、日々の業務に取り入れてみませんか。

 

1.コミュニケーションツールを使う

リモートワーク用のコミュニケーションツールを駆使し、上司や同僚と会話の機会を増やしましょう。人とやり取りすることは、寂しさを解消する何よりの方法です。

積極的に質問したり、ビデオ会議をして対面で話したりするのもよいでしょう。ビデオ会議では、相手の表情を見ながら話せるため、会話のテンポもつかみやすく、意思疎通もスムーズに行えます。画面はオフにして音声で話すだけでも、文字でやり取りするビジネスチャットより密なコミュニケーションが可能です。

お互い余裕があるときは、適度に雑談を交えながら話すのもおすすめです。仕事以外の話題に触れることで、親近感を抱いたり相手との距離が縮まったりする効果があります。また会話の流れのなかで、正直に「寂しい」と打ち明けてみるのもよいかもしれません。相手も同じように感じていれば、自分だけではないことがわかり、多少は寂しさも紛れるでしょう。

コミュニケーションは個人間だけでなく、チームで朝礼や定例ミーティングを行うのも有効です。毎日決まった時間に顔を合わせて話すことで、リアルタイムに情報共有でき、お互いサポートしやすくなります。

 

2.作業用BGMを聞く

オフィスでは、話し声や電話など常に物音が聞こえてくるものです。自宅の静かな環境が寂しいと感じられる場合は、業務に支障のない程度の作業用BGMを流すのもよいかもしれません。作業用BGMのなかには、無音の環境で仕事するより作業効率が上がるものもあります。

BGMを選ぶときは、歌詞のない曲を選びましょう。ボーカルが歌っていると歌詞が気になり、業務に集中できません。例えば、クラシック音楽やピアノなどの楽器演奏、ヒーリングミュージックは、作業の集中力を高める効果が期待できます。ただし、資料チェックや計算など細かな確認や、複雑で難易度の高い作業を行う際は、音楽を止めましょう。音で気が散り、ミスの要因になります。

音楽には作業の効率アップだけでなく、仕事への意欲を高めたりオンとオフの気持ちを切り替えたりする効果もあります。自宅にスマートスピーカーがある人は、就業前に「気分が上がる曲をかけて」とリクエストしてはいかがでしょうか。仕事にとりかかる直前に好きな音楽を流すことで、やる気がアップすることもあるでしょう。また、休憩や終業のタイミングで決まったBGMをかけるのもオンとオフの切り替えスイッチになります。

 

3.家族と会話する

リモートワークの場合、仕事内容によっては職場の誰とも話さず終わってしまう日もあるのではないでしょうか。そのようなときは身近な人との会話で、寂しさやストレスが軽減できます。例えば、同じように在宅勤務をしている家族や同居人がいる場合、休憩や食事のタイミングを合わせて雑談すると気分転換になります。支障のない範囲で、お互いの状況を確認したり、仕事の相談に乗ってもらったりするのもよいでしょう。

1人暮らしの場合は、休み時間に両親や祖父母にテレビ電話をかけてみるのもおすすめです。近況がわかるとお互い安心ですし、家族との何気ない会話が息抜きになるでしょう。

 

4.部屋のアイテムを増やす

部屋のアイテムを増やす

部屋の雰囲気は、気分を大きく左右します。好みは人それぞれですが、仕事部屋が殺風景な場合、寂しさを感じやすくなります。家具を増やしたり、観葉植物を置いたりすることで、安心感が生まれることもあるでしょう。アートを飾って部屋の雰囲気を華やかにするのも効果的です。

家具の高さをそろえたり、色や形に統一感を出したりすることで、すっきりとしたインテリアに仕上がります。リモートワークが始まり、家具などとりあえず以前の状態のまま仕事している人もいるかもしれません。この機会にリモートワーク専用のデスクやチェアを設置し、作業場を整えるのも有効です。環境が改善すると、仕事も集中しやすくなるでしょう。

観葉植物のグリーンには、気持ちの安らぎや癒し効果があるといわれます。植物に詳しくない人には、ポトスやガジュマルなど、丈夫で育てやすいものがおすすめです。昨今は、リアルなフェイクグリーン(人工観葉植物や造花の総称)も数多く登場しています。フェイクグリーンは手入れが不要で、土などで机や床が汚れる心配もないため賃貸物件でも安心です。

また、絵画などアートをうまく取り入れ、部屋の雰囲気を変えてみるのもおすすめです。絵画は壁に掛けるだけで楽しめ、家具のように場所をとりません。風景や静物画など好きな絵を目にすることで、癒やされたり気持ちが安定したりすることも多いでしょう。

 

5.オンラインでランチミーティングをする

リモートワーク中でも、オンラインでランチ会ができます。店の予約や移動の手間もありません。定期的にランチ会を設定して、仕事中に話せない悩みなどを共有し合うのも有効な手段です。仲の良い同僚や先輩と対面で話すことで、寂しさが紛れます。ランチタイムは時間が限られているため、飲み会のようにダラダラ続かないのもメリットです。また、子育てや家事で夕方から忙しくなる人も、昼間のランチ会なら参加しやすいでしょう。

オンラインのランチ会をきっかけに、従業員間で気軽に話せる雰囲気がつくられると、仕事中も話しかけやすくなるなど、業務にも好影響となるかもしれません。ただし、人数が多すぎると限られた人たちだけが会話することになり、全員が楽しめない場合もあります。すべての参加者が話せる雰囲気と規模で開催するのが成功の秘訣です。

 

6.コワーキングスペースを活用する

近くにコワーキングスペースがあれば、利用するのも手です。他のリモートワーカーと同じ空間で仕事することで、オフィスにいるような感覚になったり、集中力が高まったりするかもしれません。異なる業界や職種の人たちと交流するきっかけにもなりますし、コワーキングスペース主催のイベントに参加するのもよいかもしれません。

また、コワーキングスペースの利用により、オンとオフの切り替えができ生活にメリハリが生まれやすくなります。身だしなみを整え外出することで、一定の緊張感が保てるでしょう。コワーキングスペースにはリモートワークに必要な設備がそろっているため、自宅より快適な環境下で働けることもあります。ただし、企業のルールでリモートワークの場所が自宅に限られているケースもあり、注意が必要です。

 

7.休憩や昼休みに好きなことをする

リモートワークのメリットを存分に享受するのも大切です。休憩時間や昼休みに好きなことができるのは、リモートワークの特権でしょう。特に在宅勤務は、自由度が高く、例えば昼休みにストレッチやヨガをしたり、近くを散歩したりして体を動かせば気分転換になります。休憩中であれば、読書や音楽鑑賞もよいでしょう。お菓子を食べてリラックスしても構いません。

疲れているときはベッドで仮眠したり、空いた時間に家事を済ませたり、休憩時間が有効に活用できるのは在宅勤務ならではです。料理や洗濯を済ませておけば、終業後は時間に余裕が生まれます。そのようなゆとりを利用し、自分のやりたいことができれば、1日を楽しく過ごせます。毎日が充実した気分で満たされることで、寂しさが和らいでいくでしょう。

寂しさが解消されない場合の次善策

寂しさが解消されない場合の次善策

ここまで紹介した方法を実践しても寂しさが解消されないときは、どうしたらよいでしょうか。まず考えられるのは、そもそもリモートワークが合っていない可能性です。あるいは、もう少し抜本的な対策が必要かもしれません。最後に、解決策を試しても寂しさが解消されない場合の次善策を3つ紹介します。

 

1.出社する

リモートワークになってから孤独を感じるようになった人は、出社の頻度を増やしてみましょう。寂しさの主な原因がコミュニケーション不足の場合は、出社して対面で話すことで解消できる可能性があります。

対面でのやり取りには、以下のようなメリットがあります。

  • 表情や仕草、話し方から感情が共有しやすく、より深いコミュニケーションができる
  • 細かなニュアンスも含め、意思疎通がスムーズに行える
  • 相手と信頼関係を築きやすい

企業のルールにもよりますが、週に2〜3日出社するだけでも気分が変わるかもしれません。それには他の従業員も在席していることが前提となり、出社してもあまり人がいない場合は、有効な対策にならないことも。また、出社には通勤時間や交通費がかかるだけでなく、感染症リスクなどデメリットもあることを認識しておきましょう。

 

2.転職する

リモートワークの寂しさを解消するには、出社勤務の職場に転職するのも一つの方法です。リモートワークの導入により社内の人間関係や雰囲気が変わってしまい、寂しいと感じる人は、転職して心機一転するのもありでしょう。

しかし転職は、自分や家族の人生に影響しかねない大きな決断です。現在の仕事内容や待遇に不満がなければ、まずは上司や人事部に悩みを相談することをおすすめします。それでも問題が解決されず、今後も改善される見込みがなければ、転職を考えるとよいかもしれません。

また転職後に後悔しないためにも、働く環境や希望の条件を整理しておく必要があります。大切なのは就労環境の確認です。転職先の企業もリモートワークがメインでは、同じ悩みを抱えることになりかねません。

 

3.引っ越す

リモートワークの寂しさに耐えられそうになければ、居住地を変えてみるのも有効です。
在宅勤務は家で過ごす時間が長くなるため、住まいの環境がメンタルにも影響します。例えば窓が小さく日当たりが悪い、狭いなど、部屋の間取りによっては閉塞感が生まれ、不安や寂しさの要因にもなります。また、建物の周辺環境を見直すのもよいかもしれません。開放的で明るい間取りの部屋や、利便性が高くにぎやかな市街地へ引っ越すことで、寂しい現状を打破できる場合もあります。

フルリモートの場合は、企業の通勤範囲内に住む必要はありません。郊外の庭付き一戸建てに引っ越せば、趣味でガーデニングや家庭菜園を楽しむこともできます。ペットを迎えても気分が変わるでしょう。

ただし、引っ越しには費用や労力がかかります。家族がいる場合は、子供やパートナーの通学や通勤への影響も考慮しなくてはなりません。上述した解決策で改善できない場合の最終手段にしましょう。

また今働いている企業で、将来的に出社勤務に戻ることがないか見極める必要があります。新型コロナウイルスが落ち着きつつある現在、リモートワークから出社勤務に戻す企業も増えています。オフィスの出社が必要な場合は、引っ越し先を通勤範囲内にしておく方が賢明です。

まとめ

リモートワークはコミュニケーション不足から人間関係が希薄になりがちで、寂しさを感じる人もいるでしょう。また仕事するうえで自己管理能力が求められるため、働き方そのものに向き不向きがあるかもしれません。

リモートワークが寂しいと感じたら、ここで紹介した解決策を取り入れましょう。会話がなく孤独であれば、コミュニケーションツールを使って同僚と話すことで気持ちが安らぐかもしれません。リモートワークのメリットに目を向け、オフィス勤務ではできないことを実践して楽しく過ごすのもポイントです。

また解決策を試しても寂しさが紛れないときは、状況に応じて「出社する」「転職する」「引っ越す」など次善策を検討しましょう。