リモートワークにおすすめの場所を紹介!選び方や注意点も解説
リモートワークは、働く場所を自由に選ぶことができます。とはいえ、場所によってメリット・デメリットがあります。また、人それぞれ適した環境も異なります。本記事では、おすすめのリモートワーク場所や選び方、注意点を詳しく解説します。
リモートワークはオフィスへ出社せず、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方です。
近年は、政府が推進する「働き方改革」や新型コロナウイルスの流行により、リモートワークを導入する企業が増えています。
リモートワークと聞くと「自宅で仕事する」イメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実際テレワーカーの90%以上が、自宅でリモートワークしているというアンケート結果もあります。
しかし最近はリモートワークの普及に伴い、自宅以外にリモートワークできる場所が増え、より快適に業務に集中できる仕事環境の選択肢が広がっています。
本記事では、リモートワークにおすすめの場所や選び方、それぞれのメリットやデメリットを紹介します。
「自宅に十分な作業スペースがない」
「たまには気分転換に別の場所で仕事したい」
「外出先でリモートワークできる快適な場所を知りたい」
このように考えている人は、参考にしてください。
リモートワークは場所が重要
リモートワークは、場所にとらわれずに働けるのが利点です。だからこそ、どこで仕事するか、場所選びが重要になります。仕事する場所や環境は、業務効率や生産性、モチベーションに大きく関わってくるので注意が必要です。
例えば、リモートワークを自宅のダイニングルームで行ったとしましょう。
ダイニングテーブルの椅子は、食事するには程良い高さですが、長時間のPC作業に向いていないことが多いですよね。
無理な姿勢で仕事すると、腰痛や肩こりを引き起こしやすく、集中力が下がってしまう原因になります。そのような場合は、長時間座っていても体に負担がかからない他の場所を探しましょう。
リモートワークでは働く場所を自由に選べるからこそ、自分が仕事しやすい環境に身を置くことが重要になります。
リモートワークの場所を変えることのメリット
毎日同じ場所で、誰とも話さず1人で作業していると、変化がなく飽きてしまうかもしれません。そのようなマンネリ化は、集中力やモチベーション低下の原因になりかねないので、気分転換に場所を変えてみるのがおすすめです。
ここでは、リモートワークの場所を変えることで得られるメリットを紹介します。
1.集中力が向上する
リモートワークの場所を変えることで、気分が切り替わり、集中力の向上につながります。自宅で仕事していると「周囲に誰もいない」「オンとオフの切り替えがうまくできない」など、集中できないことがあります。
そこでカフェやコワーキングスペースの利用がおすすめです。通信環境が整い、周囲に同じように仕事する人がいる場所は、自宅と違い程良い緊張感があり、集中力を切らさず作業できます。
時にはいつもと違う場所で作業することで、飽きることなく仕事に専念できるでしょう。
2.モチベーションを維持できる
仕事中にモチベーションが低下すると、必要以上に作業に時間がかかり、長時間労働につながってしまいます。身だしなみを整え、いつもと違う場所へ移動することで仕事モードに切り替わり、モチベーションを維持できます。
また、カフェやコワーキングスペースの利用は有料です。飲食代や利用料金がかかっているため、「やらなければもったいない」と意欲的に仕事に取り組めるかもしれません。
3.同業者や他業種の人と交流できる
さまざまな業界や職種の人が、場所を共有しながら働くコワーキングスペースは、利用者同士が自由に交流できる場でもあります。仕事や日常生活では出会わない人とコミュニケーションを取ることで、新しい知識やスキルが得られたり人脈を広げたり、プラス要素が期待できます。自宅やカフェで1人で働くだけでなく、たまにはこうした出会いを求め、多くの人と交流するのも刺激になってよいかもしれません。
リモートワークに適した場所
リモートワークは自宅だけでなく、カフェやレンタルスペースなどさまざまな場所で行えます。とはいえ、それぞれメリットとデメリットがあり、使いやすさはもちろん業務内容に合った場所を選ぶことも重要です。
ここでは、具体的にリモートワークできる場所やそれぞれの特徴などを解説します。ただし企業のルールにより、自宅以外の場所でのリモートワークがNGな場合もあります。自宅外を利用する場合は、確認が必要です。
1.自宅
リモートワークの普及に伴い、自宅で仕事する人も増えました。国土交通省の「令和3年度 テレワーク人口実態調査」でも、テレワーカーの約84%が自宅で働きたいと回答しています。自宅でのリモートワークは手軽ですが、集中して仕事するためには快適な環境づくりが必要です。
快適な環境づくりに必要なもの
- 個室やワークスペースなど作業ができる場所の確保
(特にWeb会議をする場合は家族のいない空間が必要) - 長時間作業でも疲れない仕事に適した机や椅子
- 作業に快適な明るさや温度、湿度が調整できる
- インターネット環境
次に、自宅でリモートワークする際のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
- 通勤や移動が不要なため、そのぶん家族と過ごしたり資格取得や趣味を楽しんだりするなど、時間を有効活用できる
- 育児や介護しながら働ける
- 子供や家族が急病の際、目の届く場所で仕事できる
- 出勤前後と休憩時間に家事ができる
- 退勤後、すぐにプライベートな時間ができる
デメリット
- オンとオフの切り替えが難しい
- 家族や同居人が家にいると集中しづらい
- 仕事環境を整えるのに手間がかかる
- 家のなかに終始いるため飽きやすくなる
2.カフェ
近年はカフェも通信環境が整い、リモートワークに人気の場所として、パソコンに向かう人を多く見かけます。近所にカフェがあれば、移動時間も気にせず気軽に利用できますよね。しかし本来は仕事する場所ではないため、利用にあたり配慮も必要です。
メリット
- メニューの注文で場所が利用できる(長時間の場合、追加オーダーが必要な場合もあり)
- 静かで変化に乏しい自宅と比べ、適度な雑音があり、また他人に見られているという意識が芽生えることで集中しやすい
- 仕事の合間にドリンクを飲んだり食事をとったりでき、気分転換になる
デメリット
- 本来は飲食の場であるため、長時間の作業に向かない
- 話の内容を周囲に聞かれる恐れがあり、Web会議や電話に不向き
- のぞき見など、第三者の目に触れるリスクがある
- 混む時間帯は店に迷惑がかかる場合がある
- リモートワークを禁止しているカフェもある
- 電源のある席が限られる、もしくは電源がない場合がある
3.コワーキングスペース
コワーキングの語源は「Co(集まって)」と「Working(働く)」で、コワーキングスペースとは、さまざまな業界や職種の人がスペースを共有しながら働く場所を指します。施設にもよりますが、多くがオープンスペースで、基本的に利用者は特定の席を持たないフリーアドレスとなっており、自由に席を選ぶことができます。またコワーキングスペースは、利用者同士が雑談や相談など、自由にコミュニケーションを取りながら働ける点が特徴です。
利用方法は、主に月額制とドロップイン(一時利用)の2種類があります。
月額制は、利用回数に関係なく毎月決められた金額を支払うため、使うほど日割り料金が安くお得になります。頻繁に利用する予定がある人におすすめのプランです。ただし、利用にあたり、事前審査や登録が必要な場合もあります。
ドロップインは一時利用とも呼ばれ、1日単位または時間制で料金を支払うシステムです。そのため、必要に応じたまに利用するだけの人や、外出先で作業したいときなどにおすすめです。
まずはドロップインでコワーキングスペースを体験し、雰囲気をつかんだうえでお気に入りの場所を見付けるのもよいかもしれません。
コワーキングスペースは仕事することを前提にした場所のため、作業に必要な設備が整っているのも魅力です。以下に主な特徴を挙げました。
- オフィスと変わらない環境で、長時間の作業に適した机や椅子が完備されている
- フリースペースやフリードリンクのカフェコーナーがある
- 会議室、Web会議や電話がOKな部屋がある
- コピー機やプリンターなどOA機器がそろっている
- ロッカーがある
- 登記サービスがある(コワーキングスペースの住所を登録先として利用できる)
- 郵便物の受け取りや転送ができる
※施設により設備やルールが異なり、有料オプションの場合もあります。
メリット
- 異業種交流で情報交換でき、知識の習得やスキルアップ、新しい発想やアイデアにつながることも
- 業種を問わずさまざまな人と交流できるため、新しいビジネスチャンスに出会えることがある
- 幅広い人脈を形成できる
- 孤独感やコミュニケーション不足を解消できる
- 時間を気にせず作業できる
- 周囲の人も働いているため、集中力が続きやすい
デメリット
- 不特定多数の人がいるため、情報漏洩リスクがある
- 周囲の話し声や雑音が気になる人には不向き
- 混んでいると作業スペースを確保できないことがある
- 人との交流があるため、人間関係に悩む可能性がある
コワーキングスペース主催のセミナーや交流会が開催されることもあるので、積極的に参加してみるとよいでしょう。また、託児所や見守り保育を導入しているコワーキングスペースもあります。コストはかかりますが、仕事と育児の両立や作業に集中したいときに便利です。
施設により特徴や雰囲気が異なるため、作業のしやすさや通いやすさなどを含め、自分に合ったコワーキングスペースを探してください。
4.レンタルオフィス
レンタルオフィスは、すでにオフィスとして成り立っている場所を期限付きで間借りし、事務所として利用する仕組みです。
レンタルオフィスは、Webで探すとさまざまな物件を見付けられます。
1人用の小さなオフィスから会議できる広さの部屋や完全個室、部分的に仕切られた半個室タイプなどさまざまです。利用目的や予算に合わせて選びましょう。
賃貸物件の契約と異なり、1週間あるいは月単位など短期間での契約が可能なケースが多いのも特徴です。オフィスと同じような環境で働きたい人におすすめです。
メリット
- 職場に似た環境のため、集中して作業できる
- プリンターやコピー機などOA機器の他、ホワイトボードやプロジェクターといったインフラ設備が整っていることが多い
- プライバシーが守られる
- 第三者がいないため混雑もなく、作業場所が確保されている
- オフィスなので、オンとオフの切り替えがしやすい
- 施設によっては、会議室や商談ルームがある
デメリット
- 共有スペースは他の利用者もいるため、情報の取り扱いには注意が必要
- カフェやコワーキングスペースと比べるとコストがかかる
- 完全個室になっていない商談ルームでは、話し声が漏れる可能性がある
またセキュリティ環境は施設によって異なるため、利用の際は忘れずチェックしましょう。
5.図書館
図書館でもリモートワークは可能です。最近は、個別のワーキングデスクや会議、電話ができるスペースを設けている施設も増えています。
また、起業や経営に関するビジネス書や資格取得に関する本を並べたコーナーや、商用データベースの閲覧など、ビジネス支援サービスを行う図書館もあります。
静かな環境で仕事できるだけでなく、業務に役立つ情報やアイデアが欲しいとき、すぐに利用できて便利です。
メリット
- 無料
- 静かで落ち着いて作業できる環境
- 開館時間内であれば長時間の滞在が可能
デメリット
- 自分の話し声やパソコンのキーボード音に注意する
- 飲食禁止の施設が多い
- 私用のパソコン使用が禁止の施設もある
- 電源が確保できないことがある
- 不特定多数の人が利用する場ため、のぞき見など情報漏洩リスクがある
図書館は落ち着いて作業したい人におすすめの場所です。ただし公共施設であり、利用者の多くが静かに本を読んだり勉強したりする場所でもあるため、館内のルールに従い周囲の邪魔とならないよう気を付けましょう。
事前に公式ホームページなどで確認しておくと安心です。
6.ホテル
リモートワークの場所として、ホテルを選ぶ人も増えています。デイユースしたり、宿泊を兼ねてワーキングスペースとして活用したり、目的別に利用方法はさまざまです。最近は、日帰りで比較的リーズナブルに利用できるテレワーク応援コースなど、便利でお得なプランを出しているホテルもあります。
メリット
- 個室で長時間、落ち着いて作業できる
- 電源や机、椅子など仕事に快適な環境が整っている
- 施設によっては、大浴場や温泉がありリフレッシュできる
- 完全なプライベート空間なので、情報漏洩のリスクが低い
- 好きなときに休憩したり、食事したりできる
- 館内のカフェスペースで、打ち合わせや商談に対応できる
- 気分転換にラウンジで作業したり、Web会議のときは部屋に戻ったりシチュエーションに合わせて場所が変えられる
デメリット
- カフェやコワーキングスペースに比べコストがかかる
- 利用には予約が必要
- 部屋の空き状況やチェックインなど手続きが必要で、思い立ったときにすぐ利用できない
ホテルはコストがかかるため、頻繁に利用するのは現実的ではありません。出張がてら部屋にこもって仕事したり、日割り利用で集中して作業したりするにはおすすめです。
リモートワークする場所を選ぶポイント
ここでは、リモートワークする場所を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
- 長時間滞在できるか
- 集中できるか
- 料金は適切か
- 電源は確保できるか
- 会議、ミーティングできるか
それぞれ解説します。
1.長時間滞在できるか
利用時間が限られている場所では、仕事を中断しなければならず、作業効率が低下してしまいます。また不特定多数の人が利用するカフェなども、長時間利用には不向きでしょう。
周囲に気兼ねなく落ち着いて作業したい場合は、コワーキングスペースなど長時間滞在できる場所を選びましょう。
2.集中できるか
人それぞれ集中できる環境は異なります。例えば、静かで落ち着いた環境でなければ仕事が進まない人がいれば、周囲に程良い雑音がある方が業務がはかどる人もいるでしょう。
いずれにせよ、作業に集中できる環境が一番です。仕事の内容にもよりますが、自分の性格を踏まえ、作業効率や生産性が上がる場所を見付けることが大切です。
3.料金は適切か
作業する環境の利便性や快適さも大切ですが、コストも忘れてはならないポイントの一つです。リモートワークの頻度にもよりますが、継続して利用するためにも予算を設定し、金額に合わせて無理なく利用できる場所を選びましょう。
その際は施設利用料だけでなく、交通費やモバイルWi-Fiなど、諸費用を含めることも忘れずに。また、企業によっては手当が出る場合もあるので、確認しておくとよいでしょう。
4.電源は確保できるか
長時間のパソコン作業には、電源が必須です。カフェや図書館などでリモートワークする際、電源コンセントが設置されていれば大丈夫ですが、完備されていないお店や施設もあります。パソコンを持ち込んで作業する場合は、事前に電源の有無を確認しておくと安心です。また、コンセントがあっても使用禁止の場合もあるため、注意が必要です。
5.会議・ミーティングできるか
リモートワークの業務の一つに、オンライン会議やミーティングがあります。就業時間中は、予定がなくても急な会合にいつでも対応できるよう備えておくことも必要です。
オンライン会議やミーティングに適しているのは、自由に声が出せて、周りに声が聞こえない場所です。
近くに人がいては思うように会話ができず、自分たちの話し声で周囲に迷惑をかけてしまいます。また声が聞こえてしまうと情報漏洩のリスクが高まるため、配慮が必要です。会議やミーティングを行う可能性がある場合は、対応できる場所かどうかチェックしておきましょう。
リモートワークする際の注意点
リモートワークとオフィス勤務とでは、作業環境が異なります。セキュリティ対策されたオフィスに比べ、リモートワークする際は従業員がそれぞれ責任を持って安全性を確保する必要があります。
特に気を付けたい点は、以下の2つです。
- 無料Wi-Fiは使わない
- 機密情報を扱わない
それぞれ解説します。
無料Wi-Fiは使わない
カフェやコワーキングスペース、ホテルなどで作業する場合、無料Wi-Fiが設置されていても使わない方が無難です。
Wi-Fiは無線でインターネットに接続し、電波を使って情報をやり取りします。ケーブルを気にしなくてよいので便利な反面、特に無料Wi-Fiは注意が必要です。
例えば最近は、飲食店やホテル、公共施設でも無料で利用できるフリーWi-Fiが設けられています。しかし無料Wi-Fiのアクセスポイントは、セキュリティ対策がされておらず、通信内容が暗号化されないため、第三者に内容を見られてしまう可能性があります。
実際、公衆のWi-Fiを使って送信した電子メールが原因で、秘密情報が競合企業に知られてしまった事例があります。利用の際は、十分注意しましょう。
また通信内容が暗号化されていても、パスワードが公然であれば、アクセスポイントのなりすましによる情報漏洩のリスクがあるため、気を付けましょう。
オフィスと電子データのやり取りを行う場合は、VPNなど通信経路を暗号化した回線を用いるのが安全です。
※VPNとは、Virtual Private Networkの略で、インターネット上に仮想の専用回線を用意し、安全な状態で通信を行える仕組みのこと。
機密情報を扱わない
リモートワーク中は、できる限り機密情報を扱わないようにしましょう。機密情報とは個人情報や顧客情報、開発途中のプロジェクトや企画書など、企業が社外秘とする重要な情報や書類のことです。
オフィスに比べ、社外で働くリモートワークは情報漏洩のリスクが高くなります。
以下に主な例を挙げます。
- 作業中、パソコン画面をのぞき見られた
- トイレで席を外した際、パソコンを盗まれてしまった
- パソコン画面が映り込んだ写真がSNSに投稿されてしまった
- 会議の内容を周囲の人に聞かれ、新商品の情報がSNSに投稿されてしまった
実際、外出先でテレワーク中に、顧客情報をパソコン画面に表示したまま放置し、第三者に盗み見された事例があります。このケースでは、インターネット上の匿名掲示板に情報を書かれてしまい、顧客から取引停止を申し渡されたということです。
このように機密情報の漏洩は、企業にとって大きな損失になります。機密情報はデータだけでなく、紙にプリントされた資料も社外に持ち出さないよう注意しましょう。
まとめ
リモートワークのメリットは、オフィスに出社する必要がなく、自分の好きな場所で働ける点です。しかしオフィスと違う環境だからこそ、仕事する場所によっては業務の効率が低下してしまったり、集中力が続かなかったりすることもあります。
リモートワークで生産性を高めるためには、作業しやすい快適な環境を見付けることが大切です。また場所を選ぶ際は、利便性や使い勝手の良さ、雰囲気なども重要ですが、情報漏洩を防ぐためにセキュリティ対策も必要です。
社外での業務は常にリスクを伴うと考え、自分の性格や業務内容に合ったリモートワークの場所で、効率良く仕事できるよう心がけましょう!