「テレワーク」と聞くと、通勤のストレスから解放され自分のペースで仕事できるというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

しかし、日常的にテレワークしている人を見ると、さまざまなストレスや、心身の不調を感じている人が多い現実があります。状況によっては、ストレスが限界に達し、うつ病など精神疾患につながる可能性もあり看過できません。

この記事では、テレワークでストレスを感じる原因や対処法、緩和するための便利アイテムを紹介します。

テレワークでストレスを感じているものの、どのようにして改善すればよいか困っている人は必読です。この記事を参考に、快適なテレワーク環境をつくりましょう。

テレワークは通勤の負担や社内での人間関係といったストレスから解放されるため、快適で楽しく仕事できるとイメージしている人も多いでしょう。しかし、テレワークでもストレスを感じる人は多くいます。
テレワークでのストレスが限界になる原因は、主に下記の4つです。

1. 生活習慣の乱れ
2. 集中力、緊張感の低下
3. コミュニケーション不足
4. 家族関係

それぞれ解説します。

1.生活習慣の乱れ

毎日出勤する必要があれば、早寝早起きを心がける人も多いでしょう。またプライベートの時間を確保するため、仕事を少しでも早く終わらせようと努力する人も少なくないかもしれません。

しかし、テレワークは出勤する必要がないため、起床や就寝が遅くなりがちです。またスーツに着替えたり化粧したりするなど、出勤の準備も不要になります。就業とプライベートのオンオフが切り替えしづらく、ダラダラ長時間労働になってしまうことも多々あります。

このような環境に長く身を置くと、常に仕事しているような気分になったり、プライベートの時間を割いてまで仕事している気分になったりしやすいため、ストレスを感じやすくなるでしょう。

結果的に生活習慣が乱れる要因となるので、気をつける必要があります。

2.集中力・緊張感の低下

出勤して仕事すると上司や同僚の目があり、在宅に比べて周りの誘惑も少ないため集中して仕事に取り組めます。

またスーツや制服を身につけていることで、無意識のうちに仕事モードになり、ほど良い緊張感も保てるでしょう。

しかし自宅で勤務する場合、普段生活している空間で作業するため、着替えや化粧をせずに、私服やパジャマで作業している人もいるかもしれません。 また仕事しながら家事や育児を同時並行する場合は、マルチタスクになり作業効率が下がりやすくなります。

そのため、仕事とプライベートの時間の区切りや業務時間と休憩の切り替えが難しいと感じる人も多いでしょう。このような状態が続くと、疲労回復が万全にできないこともあり、集中力や緊張感の低下を招く恐れがあります。

3.コミュニケーション不足

テレワーク中は、主にオンラインツールを用いたコミュニケーションになるため、対面でのやり取りが不足しがちです。同僚とは業務の関わりだけでなく、愚痴を言い合ったり、日常会話を楽しんだりしている人も多いのではないでしょうか。

しかしテレワークにより、これまで社内コミュニケーションの場であったランチや飲み会がなくなってしまい、リフレッシュする機会も失われました。こうした変化もストレスの蓄積につながります。

特に入社したばかり、あるいは経験が浅い従業員からすると、テレワークは悩みや相談をしづらい環境です。モヤモヤした気持ちを抱きながら仕事するため、孤独を感じストレスが溜まりやすい傾向にあります。

4.家族関係

テレワークでは、場合により1日中家族と同じ空間で過ごすことになります。常に誰かが近くにいると、家事や育児など家のことを気にしながら仕事することになり、作業効率や集中力が落ちてしまいがちです。

また、夫婦が共にテレワーク勤務する場合は、これまで平気だったパートナーの言動が気になるようになったり1人の時間がなくなったりと、お互いストレスを感じることもあるでしょう。新型コロナウィルスの流行によりテレワークが普及し、「コロナ離婚」も増加しました。

テレワークによって、家族関係にストレスを感じる恐れがあることを念頭に入れておきましょう。テレワークを成功させるには、家族の理解と協力も必要不可欠です。

テレワーク中にストレスを感じると、心身にさまざまな不調をきたします。主な不調は下記の通りです。

1. 肩こり
2. 目の疲れ
3. むくみ
4. 律神経の乱れ
5. ストレス

心身の不調を軽視すると、うつ病など精神疾患を発症するリスクもあります。テレワーク中に何かしら症状が見られた場合、早めの対応が必要です。
次にそれぞれの不調を見ていきましょう。

1.肩こり

リモートワーク中、リビングやダイニングで仕事する人も多いでしょう。ここで長時間パソコン作業すると、肩こりを引き起こすことがあります。これはリビングやダイニングのテーブルやチェアは本来食事用で、仕事するためのものではないからです。

オフィス用デスクの高さは平均72センチメートル、対してダイニングテーブルは65〜70センチメートルです。そして椅子の座面の高さはオフィス用が40〜42センチが平均的な高さであるのに対して、ダイニングチェアの場合は45センチメートルとやや高くなっています。

少しの違いですが、このようにテーブルが低く、椅子が高い環境で作業すると猫背になるリスクがあります。長時間猫背で作業し続けていると、肩こりを発症するケースもあるでしょう。

2.目の疲れ

テレワーク中は、業務はもちろん会議や打ち合わせもすべてオンライン上で進めるため、1日中パソコンに向かうことになります。

1日中パソコンやスマホ画面を見ていると、眼精疲労を引き起こす可能性があるので要注意です。下記の症状がある人は、眼精疲労の恐れがあるので注意してください。

• 視界がかすむ
• 目が充血している
• 頭痛の頻度が高まる

眼精疲労は目の疲れだけでなく、倦怠感や頭痛などの症状も引き起こす可能性があります。仕事中、パソコンやスマホから離れる時間を意識的につくるよう心がけましょう。

また長時間パソコン画面を凝視すると、まばたきの回数が減ってドライアイになることもあります。意識的にまばたきするよう心がけたり、パソコンやスマホから離れ、しばらく目をつぶったりすることによりドライアイの予防になります。

3.むくみ

テレワークを始めるようになってから、普段より足のむくみを感じるようになった人はいませんか。テレワークによって足がむくむ理由は、主に2つあります。

1つ目は長時間同じ姿勢でいること。ずっと同じ姿勢でいると、血の巡りが悪くなり、体内の水分が重力の影響で下半身に溜まりやすくなります。これがむくみの正体です。

2つ目はストレス。睡眠不足や過労によるストレスを抱えていると、血液をポンプのように送り出している心臓の動きが鈍くなってしまいます。それゆえ血行不良となり、足のむくみにつながりやすくなるのです。

むくみは、悪化すると全身の倦怠感を引き起こすこともあるので、仕事の合間にストレッチや散歩を取り入れるなど工夫しましょう。

4.自律神経の乱れ

オンとオフの切り替えが曖昧になり、長時間労働が慢性化したり、同僚や上司とのコミュニケーション不足によって孤独を感じたりしている人もいるでしょう。こうした状態が続くと、自律神経の乱れにつながるかもしれません。

自律神経が乱れると、下記のような症状や不調を感じることがあります。

• 熟睡できず夜中に目が覚める
• 胃に不快感が生じる
• 疲れやすい、または疲れがとれない
• めまいや頭痛を感じることが多くなった
• 食欲不振または暴飲暴食気味である
• 心臓の動悸を感じる
• 情緒が不安定である

これらの症状を改善するため、入浴で10分以上ゆっくり湯船に浸かる習慣をつけたり、就寝前にスマホに触れないよう睡眠環境を整えたりすることをおすすめします。

5.ストレス

リモートワークに憧れを抱く人もいますが、次の特徴がある人はリモートワークに不向きである傾向があります。

• 外出によってリフレッシュできる人
• ワンルームで生活をしていて自分の部屋がない人
• 平日と週末で生活リズムが大きく異なる人
• 新しく仕事を始めたばかりの人
• 対面でのコミュニケーションを重視している人

これらの特徴を持っている人は、注意しないとテレワーク中にストレスを感じ、心身に下記のような影響を及ぼすかもしれません。

• やる気やモチベーションの低下
• 落ち込み
• 憂鬱感
• 孤独感

こうした不調を放置すると、うつ病など精神疾患につながることもあるので、早めに対処するよう心がけましょう。

テレワーク中のストレスを解消する方法は、下記の3つです。

1. 仮眠を取る
2. ストレッチする
3. 作業用BGMを聴く

それぞれ解説します。

1.仮眠を取る

みなさんは「パワーナップ」という言葉を聞いたことがありますか？パワーナップは12〜15時に取る20〜30分の昼寝です。コーネル大学のジェームス・マース氏によって提唱されました。

パワーナップを日常的に取り入れることで、下記のメリットがあります。

• 集中力アップ
• ストレス軽減
• 記憶力アップ
• 作業能率向上

現在、日本国内でもパワーナップを取り入れている企業が多いようです。テレワークに導入してはいかがでしょうか。

方法は簡単です。静かで薄暗い環境のなかで寝やすい姿勢になり、20〜30分横になるだけです。仮眠後は軽くストレッチすると目覚めが良くなります。30分以上寝ると眠りが深くなり、目覚めづらくなってしまうので、仮眠の時間だけ気をつけてください。

2.ストレッチする

テレワークにより長時間同じ姿勢で作業したり、運動不足で血行不良になったりする人が多くいます。そこでおすすめは、こうした悩みの改善にもつながる、仕事の合間のストレッチです。

例えば、胸の前で合掌して手のひらを押し合うことで胸筋が鍛えられたり、かかとの上げ下げで体内の血の巡りを良くしたりします。また、ストレッチする際は呼吸にも意識を向けてください。大きく息を吐くと、筋肉がゆるみ血行不良の改善や代謝アップが期待できるからです。

仕事中ではなく、入浴中や就寝前でも構いません。1日2〜3分でもストレッチの時間を取り入れることで、リフレッシュできテレワーク中のストレス軽減につながります。

3.作業用BGMを聴く

BGMは、そもそも労働者の生産性を上げるために使われ始めました。

好きな音楽や作業に適した曲を耳にすると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、逆に快感ホルモンと呼ばれるドーパミンやβエンドルフィンが分泌されるからです。

作業BGMを聴くのに適した場面は下記の通りです。

• 単純作業中
• 得意な作業をしている途中
• クリエイティブな作業をしている途中
• 仕事を開始する10〜15分前
• やる気を出したいとき

自分が好きな音楽でもよいですが、おすすめはクラシックやジャズ、イージーリスニングなどインストゥルメンタルです。例えば、YouTubeで「作業BGM」と検索すると数多くの結果がヒットします。お気に入りのBGMを探してみましょう。

テレワーク中は、心身共に不調を感じることがあります。何らかの不調が出た場合、おすすめな改善方法は下記の3つです。

1. 作業環境を整備する
2. 病院へ行く
3. 転職する

それぞれ解説します。

1.作業環境を整備する

自宅で仕事する場合、プライベートな環境との切り替えが難しく、集中して仕事に取り組めないと悩む人も多いでしょう。

そこで、まずは作業環境の整備をおすすめします。仕事の効率を上げて、テレワークのストレスを軽減するため、長時間の作業に向いているデスクやチェアを購入してはいかがでしょうか。

また、日当たりが良い場所で仕事するのもよいでしょう。日光にあたることでセロトニンが分泌されます。セロトニンは、ストレス軽減と集中力アップに効果が期待できます。

もし自宅の作業環境を変えることが難しければ、コワーキングスペースやレンタルスペースの活用を検討するのもよいでしょう。

2.病院へ行く

テレワークにより、心身にさまざまな不調をきたすケースがあります。

オフィス勤務と違い、テレワークでは上司や同僚と触れ合う機会が減り、また日常的にも人との関わりがないぶん、自己管理しなければなりません。体調や顔色など、自分で異常に気づけない人もいるでしょう。

下記のような症状が見られた場合、「テレワークうつ」の可能性もあります。早めに医師の診断を受けましょう。

• 寝坊や体調不良により、いつも始業が遅れる
• 業務時間が長く、仕事のスピードが落ちている
• ミーティングで声が小さく、覇気がない
• ケアレスミスが増えた
• メールなどの文章がおかしい
• 情緒不安定気味で突然泣いたり怒ったりする
• 仕事に対する意欲が感じられない
• チャットやメールのレスポンスが遅い

医師に相談したり薬を服用したりすることで、不調の改善につながるでしょう。

3.転職する

さまざまな対処法を試しても不調が改善しない場合、転職を視野に入れるのも手です。

完全なテレワークではなく出社勤務もある仕事に転職したり、ストレスが少ない職に就いたりすることで、環境も大きく変わり体調の改善も期待できるでしょう。

転職サイト「ReWorks」は、完全在宅勤務で働ける「正社員」の仕事探しをサポートしています。下記のように多種多様な職種の求人を提供しているので、あなたに合った仕事を見つけられるはずです。

• 営業
• マーケティング
• データ入力
• タイピング 
• 編集、制作
• 人事、総務
• 経理
• 広報
• デザイナー
• エンジニア

興味がある人は早速チェックしてみましょう。

テレワークのストレスを緩和するアイテムは多々ありますが、下記におすすめの一例を挙げました。

1. ゲーミングチェア
2. リストレスト
3. 目薬
4. ホットアイマスク
5. 姿勢矯正クッション

それぞれのアイテムのポイントを解説します。取り入れやすいアイテムを活用し、仕事の効率を上げ、テレワークのストレスを軽減しましょう。

また企業によっては、こうしたアイテムの購入を在宅勤務の環境整備費用として一部負担してくれる場合もあるため、上司に相談するのもおすすめです。

1.ゲーミングチェア

前述の通り、ダイニングやリビングに置かれたチェアは、一般的に食事あるいは寛ぐためのものが多く、長時間のパソコン作業には不向きです。

そのため長時間の作業向きで、かつ自身の体に合った椅子を選ぶことでテレワークのストレスや疲労が軽減されるでしょう。深く座ったときに、足の裏がぴったりと床につく高さが理想です。

他にも、ゲーミングチェアを選ぶ際には下記の点に気をつけてください。

• 種類（チェアタイプまたは座椅子タイプ）
• 背もたれの高さ（ハイバックまたはミドルバック）
• 素材（レザー、ファブリックまたはメッシュ）
• アームレストの種類（連動式、可動式または跳ね上げ式）

自分に合ったゲーミングチェアで、快適な就業環境をつくりましょう。

2.リストレスト

リストレストとは、パソコンのキーボードやマウスの手前に置いて手首や手のひらの負担を軽減するアイテムです。

パソコン操作中は手首が反り、余計な力が入ってしまいがち。しかし、リストレストにより高低差が解消され、手首を水平に保つことができます。また、リストレストの活用でタイピングスピードが向上し、仕事の効率アップも期待できます。

パソコンでの長時間作業により手に疲れを感じている人や、キーボードやマウスを快適に操作したい人、腱鞘炎を防ぎたい人におすすめです。リストレストを選ぶ際は、下記の点に注意しましょう。

• 種類(キーボード用、マウス用)
• 厚み
• サイズ
• 中身の素材(ウレタン製、ジェル製、木製など)
• 滑り止めの有無

3.目薬

目の疲れを解消するには、こまめに休憩時間を取ったり、パソコンやスマホから離れる時間を意識的につくったりすることが大切ですが、さらに役立つのが目薬です。

ドラッグストアや薬局には、多種多様な目薬が販売されています。疲れ目や眼精疲労に効果があるものや、なかにはブルーライト対策になっているものもあります。

目薬を選ぶ際は成分や効果だけでなく、差し心地も気にしたいところです。またピントが合わないときはネオスチグミンメチル硫酸塩入りの目薬を、目に潤いを与えたい、あるいは目の疲れを解消したいときはビタミンA入りの目薬がおすすめです。

血管収縮剤入りの目薬は、目の充血を抑えるためのものですが、充血を抑えるだけで、疲れが解消されるわけではないので気をつけてください。効果が切れると再び充血する可能性があるので、あくまで緊急用にとどめておきましょう。

4.ホットアイマスク

ホットアイマスクの活用で3つの効果が期待できます。

1つ目は目の疲れの改善です。
ホットアイマスクにより、眼球の奥にあるピント調整機能のコリや疲れがほぐれ血の巡りが良くなります。疲れ目やドライアイの緩和につながるでしょう。

2つ目は睡眠の質の向上です。
アイマスクにより外部の光を完全に遮断できるため、リラックスして入眠できます。目の周辺を温めることで筋肉がほぐれ、ぐっすり眠れるようになります。

3つ目は肩や首のコリの改善です。
「アイマスクは目だけによいのでは？」と思う人もいるかもしれません。しかし目の筋肉は、頭や首、肩の筋肉と連動しています。つまり、目をほぐすことで首や肩の筋肉のコリをほぐすことにもつながるのです。

ホットアイマスクは、下記のように多くの種類の商品が販売されています。

• 1回使い切りタイプ
• 電子レンジで温め、繰り返し使用できるタイプ
• USB充電式タイプ

フィット感や機能など、好みに合わせて選びましょう。

5.姿勢矯正クッション

目の疲れと同様に多いのが、腰痛の悩みです。テレワークをしていると、1日中座りっぱなしという人も多いのではないでしょうか。

また社内では周りの目もあり、姿勢に気をつけながら仕事している人でも、自宅では他の目も気にならないため、足を組んだり頬杖をついたりするなど姿勢が悪くなってしまいがちです。このような状態で作業を続けると、腰周りや臀部への負担はますます増えるでしょう。

姿勢矯正クッションにより正しい姿勢がキープでき、腰やお尻への負担も軽減します。姿勢矯正クッションは、下記の点に気をつけて選びましょう。

• 自分のお尻や椅子のサイズに合ったものを選ぶ
• へたりにくい素材を選ぶ
• 自分の悩みに合ったタイプのクッションを選ぶ

テレワークは、通勤の負担がなく、社内での人間関係によるストレスも回避できるなど、多くメリットがあります。しかし、生活環境の乱れやコミュニケーション不足によりストレスを感じがちです。

こうした状態を放置すると心身の不調を招き、場合によってはうつ病など精神疾患につながる恐れもあるため、軽視してはいけません。

テレワークにより、上司や同僚と顔を合わせる機会も減り、なかなか自分の変化に気づくことができないケースもあります。自分の体調面にも気を配り、積極的にストレス解消に取り組むなど、早めに心身の不調を改善するよう心がけることが大切です。

本記事を参考にしながら、快適なテレワークを実現してください。