テレワーク中の郵便物をどうする?受け取りや発送方法、費用を解説
テレワーク中の郵便物をどうするかお悩みの企業は多いと思います。しかし、バーチャルオフィスや郵便局のサービスの活用などを通じて従業員の自宅から郵便物の受け取りや発送をすることが可能です。この記事ではそれらの方法や費用について詳しく解説します。
近年、新しい働き方として普及しつつあるテレワーク。メリットが多く、導入する企業も増えていますが、デメリットもあります。
例えば、郵便物の受け取りと発送です。テレワーク中の郵便物の扱いに困惑している企業もあるようです。
この記事では、テレワーク中の郵便物の受け取りや発送方法のアイディアを費用の目安と併せて紹介します。
テレワーク中の郵便物の扱いに困っている人は、ぜひ参考にしてください。
テレワーク中でも出社せず郵便物を受け取れる
テレワーク中でも企業にはどんどん郵便物が送られてくるため、対応に困っている企業が多いのではないでしょうか?
そのため郵便物の受け取り作業が発生し、テレワーク中であっても従業員が毎日出社しなければならないケースもあります。
しかし、出社せず郵便物を受け取ることは可能です。郵便物を出社せず受け取ることができれば、業務効率や従業員の満足度を上げる効果にもつながるので、導入の検討をおすすめします。
テレワークでも郵便物を受け取る方法
テレワークで郵便物を受け取る方法は、主に下記の5つです。
- 転送する
- 私書箱を設置する
- バーチャルオフィスのサービスを利用する
- クラウド郵便サービスを活用する
- 交代で出社する
それぞれ解説します。
1.転送する
郵便局の転送サービスを活用することで、テレワーク中も郵便物の受け取りが可能です。
まず、転送先の住所を決める必要があります。一般的には、代表や総務担当者の住所を活用します。転送サービスの有効期限は1年間なので、更新を忘れないよう気をつけてください。
転送先の住所に郵便物が届いた後、中身を確認し担当者に対応を仰ぐ流れになります。転送サービスは無料で、インターネット上で手続きが簡単にできる点もメリットです。しかし、すべての郵便物が転送できるわけではありません。キャッシュカードなど重要書類やネコポスのような郵便局以外の配送サービスで送られてきたものは転送されず、差出人に戻ってしまいます。
転送できる郵便物は下記の通りです。
- 日本郵便が取り扱う普通郵便
- 簡易書留
- レターパック
- ゆうパック
また規模の大きな企業や、日々膨大な郵便物を受け取る企業であれば、転送先の業務に影響する恐れもあります。郵便局の転送サービスは、中小企業や郵便物が少ない企業におすすめです。
2.私書箱を設置する
私書箱は、郵便局が提供している「郵便私書箱」と民間のサービス企業が提供する「私設私書箱」の2つに分けられます。
郵便私書箱とは、事前に郵便局に申し込むことで郵便局内に私書箱を設置し、郵便物を受け取るサービスのことです。郵便物に宛名や郵便局名、私書箱番号を記載する必要があります。利用する場合は、差出人にあらかじめこれらの情報を伝えておきましょう。
郵便私書箱は無料で利用可能ですが、下記のように条件が多いため注意してください。
- ほぼ毎日郵便物の受け取りがある
- 郵便私書箱を最低6ヶ月は利用する
- 郵便物を定期的に受け取りにくることができる
次に「私設私書箱」について解説します。
私設私書箱とは、郵便局を除いた民間業者による郵便物受け取り代行サービスのことです。私設私書箱を利用すると、自宅で企業の郵便物を受け取ることができます。
郵便私書箱のように利用条件がなく、住所の表記が一般住所と同じなので差出人に通知する必要がありません。また私設私書箱は、業者によりサービス内容や料金体系が異なるため、複数の業者を比較検討して、自社に合った業者を選定しましょう。
私設私書箱は便利ですが、コストがかかり、場合によって受け取りできない荷物がある点がデメリットに挙げられます。
3.バーチャルオフィスのサービスを利用する
バーチャルオフィスとは、オンライン上にある架空の事務所を指します。テレワーク導入の企業のなかには、コスト削減のためオフィスを解約し、バーチャルオフィスに切り替えた企業もあるようです。
バーチャルオフィスを提供する企業の住所を借り、契約者が郵便物の受け取りや転送できるサービスがあります。サービスによっては基本料金に転送手数料が含まれていることがあり、一定期間ごとに郵便物の転送依頼が可能です。
また速達や簡易書留、レターパックなどの郵便物も受け取ることができます。契約書や請求書など、重要な郵便物が送られてくることが少ない企業におすすめです。
4.クラウド郵便サービスを活用する
クラウド郵便サービスは、サービス企業が郵便物をスキャンしてPDF化し、クラウドを通してユーザーにどのように対応するか確認を取るサービスのことです。最近登場したサービスで、注目を浴びています。
具体例を挙げて説明しましょう。
サービス業者があなたの企業の郵便物を受け取ります。次に、郵便物の外見をカメラで撮影し、担当者にクラウドを通して写真を送付します。担当者はその写真を見て、「開封して中身をスキャン」、「未開封のまま転送」、「廃棄」と郵便物を分類し、サービス企業に対応を依頼するという流れです。
この方法なら郵便物に触れずに仕分けでき、さらにクラウド上に書類が保管されているため社内で書類を共有したり、簡単に検索できたりするメリットがあります。
また メールと同じよう仕分けと管理ができ、誰でも操作しやすいことも利点です。
私書箱と同様に、クラウド郵便サービスも、業者によってサービス内容や料金体系が異なるため、複数社を比較検討し自社に合ったところを選ぶとよいでしょう。
5.交代で出社する
従業員が交代で出社し、郵便物を受け取る方法もあります。
確実で安心、コストがかからないという点はメリットですが、完全なテレワークにならない、郵便物の受け取りだけに出社するため効率が悪いというデメリットがあります。
月刊総務オンライン(https://www.g-soumu.com/)によると、多くの企業でテレワーク中も最低1人は従業員が出社し、その理由の90%近くが郵便物の対応のためだそうです。
完全なテレワークを目指すのであれば、取引先に事情を説明し、郵便ではなくできるだけデータやファイルなどオンラインでの送付を依頼しましょう。ペーパーレス化の実現だけでなく、従業員が交代で出社する必要もなくなります。
郵便物を受け取るサービスの費用相場
ここまで、郵便物を受け取るサービスを紹介しました。下記に、それぞれの費用の相場についてまとめました。
サービス | 費用の相場 |
郵便局の転送サービス | 無料 |
私書箱の設置 | 【郵便私書箱】無料 |
バーチャルオフィス | 月額660〜11,000円 |
クラウド郵便サービス | 月額1,500〜30,000円 |
郵便局のサービスは無料、民間のサービスは有料となっており、上記の表のようにサービス内容や企業により金額に幅があります。
それぞれの方法にメリットやデメリット、向き不向きがあるため、よく検討したうえで自社に合ったサービスを検討しましょう。
テレワーク中に郵便物を発送する方法
続いてテレワーク中に郵便物を発送する方法を紹介します。
下記の2つの方法がおすすめです。
- 自宅に集荷を依頼する
- 発送代行サービスを活用する
それぞれ解説します。
自宅に集荷を依頼する
本来は郵送ではなく、オンラインでメール送付することでコストを抑えられます。しかし、請求書や見積書、納品書、発注書などの書類を紙ベースで受け取ることを希望する企業も多く見られます。郵便物を発送する際は、自宅に集荷を依頼するとよいでしょう。
それぞれ従業員の自宅に集荷を依頼し、郵便物を発送できます。扱う郵便物によっては最寄りのポストに投函したり、確実に届けてもらうためレターパックを利用したりするなど、配送方法を工夫しましょう。
いずれにせよ外注の必要がないため、コストを抑えて郵便物を発送できます。
発送代行サービスを活用する
郵便業務の代行サービスを利用しましょう。コストがかかるものの、手間を省くことができます。
このようなサービスは月額制が多く、サービスによっては基本料金に発送サービスが含まれていることもあれば、オプションとして別料金を払うケースもあります。確認してから選択しましょう。
また、日本郵便の「Webレター」というサービスもおすすめです。
郵送物の書類をPDFやWord文書にし、日本郵便の専用サイトにアップロードします。差出人と宛先を入力することで、日本郵便が印刷や袋詰め、発送を請け負うという仕組みです。1通99円〜と比較的安く、最短で翌日には配達されます。書類などの郵送をする際に便利ですね。
テレワーク中に郵便物を受け取る際の注意点
テレワーク中に郵便物を受け取る方法を紹介しましたが、それぞれ注意点があります。
まずは、従業員が出社して郵便物を受け取る方法です。この場合「当番制」や「交代制」をおすすめします。全員が出社する形であれば負担が分散されるため、不公平感や不満を感じにくいからです。
次に、民間の郵便受け取りサービスを利用する場合です。郵便物のなかには、企業機密など重大な情報が含まれていることもあるかもしれません。こうした郵便物は、特に取り扱いに細心の注意を払いましょう。
また民間サービスを選ぶ際は、コストだけでなく代行業者の信頼性や機密情報の取り扱いなども考慮することで安心して利用できます。
まとめ
テレワーク中の郵便物をどうするか悩む企業も多いでしょう。下記の方法で郵便物の受け取りができます。
- 転送する
- 私書箱を設置する
- バーチャルオフィスのサービスを利用する
- クラウド郵便サービスを活用する
- 交代で出社する
また郵便物の受け取りだけでなく、下記の方法で発送も可能です。
- 自宅に集荷を依頼する
- 発送代行サービスを活用する
こうした方法を活用することで、出社することなく完全なテレワークを導入できます。テレワークは、優秀で多様な人材確保や従業員満足度を上げ離職率を下げる効果も期待できます。テレワーク中の郵便物の取り扱いに困っている企業は、これらの方法を用いて、より快適な作業環境づくりを目指しましょう。