フルリモート勤務可能な正社員求人情報はある? 転職先を選ぶコツ
フルリモートワークができる転職先を探して、求人サイトや企業のリクルートページを検索している方は多いでしょう。転職するなら安定した収入のある正社員として仕事をしたいですよね。今回は、フルリモートOKの求人情報の探し方や転職先を選ぶポイントを紹介します。
転職するなら正社員がおすすめ! 場所にとらわれないフルリモートワーク求人の探し方
広がる新しい働き方
「フルリモートワーク」とは、オフィスへ出社せずに働き手が好きな場所で仕事ができる働き方です。「完全に」を意味する「フル」とあるように、打ち合わせ等のために外出する必要がありません。
一般的な「リモートワーク」は、週に1回や2回程度出社しなければならない可能性があります。求人を選ぶ際は、自分が希望する働き方か募集要項を細部まで確認しましょう。
・テレワークとの違い
新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革推進の影響で、「テレワーク」という言葉を聞く機会が増えたのではないでしょうか。「テレワーク」はリモートワークとよく似た言葉ですが、両者に厳密な違いはありません。
テレワークは大きく3つに分類できます。1つは自宅を就業場所にする「在宅勤務」、2つ目は移動中の新幹線車内などで仕事をする「モバイルワーク」です。3つ目は企業が用意した仮のオフィスやレンタルスペースで仕事をする「サテライトオフィス勤務」です。
テレワークもリモートワークも、オフィスから離れた場所で仕事をする意味で変わりはないといえます。
・新しい働き方の導入率は高まっている
総務省は2022年5月に公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業を対象にした「令和3年通信利用動向調査の結果」を発表しました。この調査によると、テレワークを導入している企業の割合は51.9%と半数以上にのぼりました。「今後テレワークを導入する予定である」と回答した企業を含めると、約6割の企業がテレワークの導入に積極的です。
テレワークやリモートワークは、働く人のワークライフバランスの向上や通勤時間短縮につながるため、働き手だけでなく企業にとってもメリットがあります。そのため、今後もテレワークやリモートワークが可能な仕事は増加すると予想できます。
フルリモートワーク可能な正社員求人はあるの?
出社の必要がない「フルリモートワーク」なら、神奈川県や東京都など首都圏から離れた地方に住んでいても、好きな仕事に就けるので魅力的ですよね。または千葉県などのベッドタウンとされる地域から、満員電車に揺られることなく出社できるようになるかもしれません。
もし転職するなら「安定した収入のある正社員がいい」と思う方が多いのではないでしょうか。フルリモートワークができる仕事はさまざまで、雇用形態や就業形態も多様化しています。正社員求人をはじめ、契約社員やアルバイト・パート、企業と雇用関係にない業務委託などの働き方でフルリモートワークができます。フルリモートワークOKな正社員求人は、アルバイトや業務委託求人などと比べると数こそ少ないものの、増加しています。
リモートワークの正社員求人では、企業の就業規則に従い一定のルールが定められている場合があります。例えば、「出社する曜日とリモートワークする曜日が決まっている」「リモートワークは自宅でのみ可」「サテライトオフィスでのみリモートワーク可」「在勤3か月以上でリモートワークの申請ができる」などです。
自分がどのような働き方をしたいか考えながら求人情報を探すと、入社後のミスマッチを防げますよ。
正社員として働くメリット
フルリモートワークが可能な働き方には、正社員以外にも契約社員やアルバイト、パート、業務委託などがあります。正社員として働くメリットを紹介します。
・経済的不安が軽減される
多くの正社員求人の場合、月給制で月ごとの給与額が固定されています。企業に勤めている以上、業務内容に変化があっても収入額の変動は少ないので、安定した収入が得られるのは正社員として働く大きなメリットです。
フリーランスや個人事業主のように、自分で仕事を獲得して案件ごとに報酬額が設定される働き方では、ある年は年収200万円で別の年は年収500万円など、収入が安定しません。正社員なら、経済的な不安が少ない状態でフルリモートワークを続けらます。
・残業代がつく
業務委託契約を結ぶ働き方と異なり、正社員のように雇用契約を結ぶ働き方では残業代が支給されます。正社員なら、残業をすると基本的には働いた時間分の報酬を得られるため、就業時間が長くなっても損がありません。仕事が長引いても、「残業代が出るから」と思えば残りの仕事も頑張れますよね。
ただし、基本給に残業代が含まれる求人情報もあるため、求人情報の詳細はしっかり確認しましょう。
・福利厚生を利用できる
正社員に限らず、契約社員やパートタイム勤務者であっても、勤め先企業の福利厚生制度を利用できるケースがあります。リフレッシュ休暇や育児休暇、資格取得支援制度など、企業によって多様な福利厚生があるでしょう。
業務委託のように企業に属さない働き方では、福利厚生の利用対象にはなれません。雇用される正社員だからこそ、福利厚生を利用して私生活を充実させられる可能性があります。
・予定が立てやすい
企業に勤めると、企業のカレンダーに従って出社日が決まります。業種によっては土日に出勤して平日休みとなる場合がありますが、多くの企業では土日祝日は休日で、平日5日間が就業日となります。
業務委託は休日を自分で決められる自由さがありますが、業務が終わらなかったら状況に合わせて土日も働かなければならない可能性があります。あらかじめ休日が決まっていて、プライベートな予定を立てやすい点は正社員として働くメリットですね。
フルリモートワークがしやすい正社員求人の特徴
総務省が発表した「令和3年通信利用動向調査の結果」では、産業別のテレワーク実施率が確認できます。全体的にテレワークを導入する企業は増加していますが、特にテレワーク実施率が高いのは「情報通信業」の97.7%と、「金融・保険業」の82.4%です。
一方で、「郵便・運輸業」と「サービス業」は比較的導入率が低いので、テレワークやリモートワークとの相性が悪い業態だといえます。フルリモートワークはオンラインで業務を完結させる特徴から、インターネットを活用する産業やIT企業での導入率が高くなっているのです。
正社員としてフルリモートワークを始めるなら、IT系職種や事務など、フルリモートがしやすい業務を選んで求人を検索してみると探しやすいでしょう。
フルリモートワークと相性の良い仕事9選
フルリモートワークはオンラインチャットツールやオンラインコミュニケーションツールを使ってやり取りするので、インターネット環境さえあれば誰でも始められる気軽さがあります。
一方で、オンラインで業務が完結しない業種では、フルリモートワークが可能な正社員求人は見つけにくい傾向にあります。接客を伴うサービス業や実店舗に商品を運ぶ運輸業が代表例です。
どのような仕事がフルリモートワークとの相性が良いのでしょうか。フルリモートOKな求人情報を見つけやすい仕事を9種類紹介します。
・データ入力
初めてフルリモートワークに挑戦する方におすすめなのが、「データ入力」です。インターネット環境とインターネットに接続できるパソコンやスマートフォンがあれば誰でもスタートできる手軽さが魅力の仕事です。正社員として勤務するならパソコンが必須となるケースが多いですが、スマートフォン1台で仕事ができる求人もあります。
データ入力とは、企業が指示するデータを指定のフォーマットやシステムに打ち込む仕事です。入力するデータは多岐にわたります。
例えば、手書きのアンケート結果をエクセルシートにまとめてグラフ化したり、名刺画像を見て専用の名刺管理システムに氏名や会社住所等を転記したりします。入力するデータは音声の場合もあり、会議の録音音声等を一字一句書き起こす仕事もデータ入力業務です。
エクセルやワードの他、グーグルスプレッドシートを使う可能性があります。企業が指定するさまざまなツールやソフトを使用するため、PCの基本的な操作スキルがあると業務がスムーズに進むでしょう。
・テレフォンアポインター
「テレフォンアポインター(テレアポ)」は、あらかじめ決められた架電リストにある企業や個人宅へ電話をかける仕事です。電話の内容は企業の商品やサービスの紹介をするものが多くなっています。
テレアポの目的は、企業の営業担当者に代わって商談のアポイントを取り付けることです。商品やサービス概要を伝える資料を送付する許可を得る、担当者のメールアドレスを教えてもらうなどの目的で架電するケースもあります。
テレアポは「話すことが苦手だからできない」と感じるかもしれません。多くの企業では台本となるトークスクリプトを用意していたり、事前にしっかりと研修を実施したりしているので、テレアポ経験や自信がなくても挑戦できますよ。
電話をかけるテレアポ業務では「個人の電話番号がばれてしまうのが不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。フルリモートワークOKとしているテレアポ求人のほとんどはオンライン通話システムを使って仕事ができたり業務用の携帯電話を貸し出したりしているので、個人情報が流出する心配はありません。
・オンラインアシスタントスタッフ
バックオフィス業務をサポートする「オンラインアシスタントスタッフ」は、Web上で業務が完結しやすく誰でも始められます。オンラインアシスタントスタッフは事務の仕事全般を担当するので、業務内容は多岐にわたります。例えば、人事や経理、総務、秘書業務などが含まれます。
事務作業やメール、電話での対応など、社内外とのやり取りが多いので、エクセルやワードソフトの操作スキルや、文書作成スキル、やり取りをスムーズにするビジネスマナーなどが身に付いているとよいでしょう。
オンラインアシスタントスタッフとして働きたい場合、求人に応募する前に自分が得意な業務や挑戦したい業務を明確にしておきましょう。簿記検定資格があると採用されやすい経理事務や専門知識が必要な貿易事務など、専門性の高い業務内容に挑戦する場合は、資格や知識を習得してから応募すると採用率がアップしますよ。
・Webライター
「Webライター」は、企業のコーポレートサイトに掲載する記事や個人ブログの掲載記事、企業紹介のためのインタビュー記事など、Web上に掲載されるコンテンツを執筆します。
Webライターになるために特別なスキルや知識は必要ありません。誰でもスタートできる仕事で、フルリモートワークとの相性が良い仕事なので、リモートワーク初挑戦の方でも気軽に始めやすいでしょう。
ライティングする記事の内容は、掲載メディアや企業によって異なります。さまざまなテーマの記事が求められており、自分の興味のある分野や経験のある分野に絞って記事の執筆が可能な点は、Webライターの魅力です。
企業によっては、「わかりやすく平易な文章」や「格式高い雰囲気」など、文体や文章の雰囲気を指定されるケースがあります。さまざまな要望に応えられるように、まずは業務委託などでライティングの経験を積み、慣れたころに正社員求人に応募すると採用されやすくなるでしょう。
・営業
「営業」は意外とフルリモートワークがしやすい業種です。営業といえば、取引先企業に出向いて商品説明をするイメージが強いかもしれません。今は、ZoomやMeet inに代表されるオンラインミーティングツールの普及が進み、Web上で商談ができるようになりました。
オンライン商談では画面越しに商品紹介をするため、対面時よりも高い営業スキルや提案力が求められます。営業は、コミュニケーション能力が高い方や人と接するのが苦ではない方向きの仕事だといえるでしょう。
トークスキルが必要な仕事だからこそ、入社後の研修を丁寧に実施している企業は多くあります。経験がないからと諦めず、営業の仕事に興味があるならまずは応募してみましょう。
営業成績によっては、基本給にプラスしてインセンティブの支給を受けられるかもしれません。フルリモートの営業なら、企業に出向く必要がなく移動時間を節約できる分、より多くの企業への営業を担当できます。実績を増やせるチャンスが多く、頑張り次第で収入アップが期待できるのが魅力ですね。
・ITエンジニア
「ITエンジニア」は、情報通信システムを開発・活用する仕事全般を指します。ITエンジニアは、業務内容によってシステムエンジニアやプログラマーなどと呼ばれます。
システムエンジニアは企業の要望に沿ったシステム全体の設計および開発を担当します。プログラマーは、システムエンジニアが作成したシステムの設計書に従ってプログラムを構築する仕事です。
ITエンジニアは基本的にパソコンを使って作業する仕事ですが、企業の要望をヒアリングするシステムエンジニアは打ち合わせの時間を多く持つことがあります。「思ったよりも対人コミュニケーションが多い」と入社後にギャップを感じないためにも、ITエンジニアの求人を見つけたら具体的な業務内容の確認をおすすめします。
企業のIT化やDX化が進む現代では、IT技術者の需要が高まっています。フルリモートワークが特に導入しやすい業種なので、IT関連のスキルや資格があれば正社員求人で採用されやすいでしょう。
IT業界が未経験の場合は、オンラインスクールや通信講座を活用して基本的な知識を身に付けておくと安心です。
・ Webデザイナー
「Webデザイナー」は、Web上にある広告物の制作などを担当します。デザインと聞くと「専門スキルやセンスがないとできないのでは」と不安になるかもしれません。多くのデザイン業務は、基本的なスキルがあればスキルやセンスによらず担当できます。
注意したいのは、Webデザイナーの仕事にデザインソフトが欠かせないことです。illustratorやPhotoshopに代表される専用ソフトの使用頻度が高いので、あらかじめ操作方法に慣れておくと業務を進めやすいでしょう。
デザインするものは、商品PRのためのバナー画像や企業ホームページのトップ画像、企業や商品のロゴ画像などさまざまです。企業が希望する雰囲気やカラーの制作物を完成させるためには、企業の担当者との打ち合わせや要望のヒアリングが重要です。デザインスキルだけでなく聞き取り力も求められる仕事だといえるでしょう。
・Webマーケター
「Webマーケター」は、インターネット上で情報収集やデータ分析を行って、企業の販売戦略やプロモーション企画を立案する仕事です。Web上で完結する業務内容なので、パソコンとインターネット環境があれば場所にこだわらず業務をスタートできます。
Webマーケターは企業の商品やサービスをプロモーションするため、商品や企業と消費者行動への理解を深めなければ効果的な戦略が打ち出せないところに難しさとやりがいがあります。自分が立案した販売戦略によって企業の売り上げが伸びたら、うれしいですよね。
商品の良いところを見つけるのが得意な方やSNS運用などが得意な方、化粧品など特定分野に詳しく業務に活かせる知識がある方に向いている仕事です。
・翻訳家
「翻訳家」は、外国語を日本語に訳したり、日本語を外国語に訳したりするのが仕事です。グローバル化が進み、日本企業が海外企業とやり取りする機会が増えたことで、翻訳家の需要が高まっています。
翻訳する言語は、英語をはじめ中国語やスペイン語、フランス語、ドイツ語など世界各国の言語です。業務内容は、オンライン会議中の同時通訳や海外サイトの記事を日本語に翻訳して日本企業のサイトに投稿する、契約書を日本語に翻訳するなどがあります。求められる語学力は業務内容によって異なるため、自分のスキルに合った求人情報を探して応募するとよいでしょう。
フルリモートで働くメリット
フルリモートワークを始めると、多くのメリットが得られます。フルリモートで働く方のライフスタイルや性格によっては、オフィスに出社するよりもフルリモートワークの方が働きやすいと感じるでしょう。
フルリモートで働くメリットを3つ紹介します。
・自由な時間が増える
オフィスへの出社が必要な場合は、通勤や朝の支度などに時間を取られてしまいます。公共交通機関を使って通勤するときは、通勤ラッシュによる肉体的・精神的疲労が蓄積することもあるでしょう。
フルリモートワークなら、通勤の手間が軽減されます。仮に自宅を就業場所とすれば、通勤は不要になり朝の支度も最低限で済むでしょう。終業後も同様に、通勤時間の節約ができます。
通勤時間などがなくなると、自分のために使える時間が増えます。増えた時間は家族と過ごしたり、資格取得の勉強にあてたり、リラックスする時間にしたり、さまざまな使い方ができるのがうれしいポイントですね。
・環境に左右されず好きな仕事を続けられる
出産・育児や配偶者の転勤などのライフイベント、家庭の事情などによって引っ越しをするとき、就業場所に縛りのないフルリモートワークなら転居しても仕事を続けられます。また、台風や大雪などの悪天候で公共交通機関のダイヤが乱れるような日でも、自宅で安全に仕事を始められるのも大きなメリットですね。
環境に左右されず仕事を続けられるなら、未経験の職種に挑戦しても長期的な目線でキャリア形成ができるでしょう。気になるフルリモートワークを見つけたらまずは応募して、チャレンジすることをおすすめします。
・人間関係のわずらわしさがない
オフィスに出社して働くときに悩ましいのが、人間関係だという方は少なくありません。「人間関係を円滑にするため、急な飲み会でも積極的に参加しなくてはならない」「沈黙が苦手なので無理に雑談を続けている」「仕事中に話しかけられると集中できない」など、悩む理由はさまざまでしょう。
テキストでのやり取りがメインになるフルリモートワークなら、直接人と関わる機会が減るため人間関係の悩みが軽減されます。人間関係にわずらわされず仕事にもくもくと取り組みたい方は、フルリモートワークが向いていますね。
フルリモートで働くデメリット
メリットの多いフルリモートワークですが、人によってはデメリットに感じる点もあります。転職活動を失敗しないためには、デメリットをしっかり理解しながら自分の性格にフルリモートワークが合っているかのチェックが大切です。
フルリモートで感じやすいデメリットを3つ紹介します。
・孤独感がある
フルリモートワークは基本的に自分1人で仕事をします。企業が独自にサテライトオフィスを用意していれば、同僚と同じ空間で働く可能性はありますが、自宅などを就業場所とすると上司や同僚はそばにいません。
オフィスに出社していれば、ふとしたときに雑談で息抜きしたり、気軽にちょっとした相談ができたりするものです。フルリモートワークでは、上司や同僚の様子が見られないために「今相談してもよいのか」と不安になり、話しかけにくさを感じるかもしれません。
また、フルリモートワークでのやり取りは基本的にチャットツールを使ったテキストコミュニケーションです。相手の表情や声色が読み取れず、連絡するのは事務的な内容ばかりになるため、孤独感を抱きやすいのがフルリモートワークの難点です。
・成果を出すまでの過程が評価されにくい
フルリモートワークは就業場所を働き手が自由に選択できるケースが多く、自由度の高さが魅力的な働き方です。しかし、人事評価をする上司からは仕事ぶりが確認しにくいため、仕事の成果でしか評価ができないのは懸念点でしょう。
正社員であれば、昇給やボーナスの査定額にも影響する人事評価はできるだけ高いままキープしたいですよね。フルリモートワークではどれだけ頑張って工夫しても、成果が上がらなければ「不真面目だ」と結果のみで評価されるケースがあるのです。
自分の頑張りに対して正当な評価が得られないと感じると、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。フルリモートワーク求人を検索する際は、リモートワークに合わせた人事評価制度が導入されているかの確認が大切ですね。
・業務に集中しにくい
フルリモートワークは、自宅やコワーキングスペース、カフェなどを就業場所にできます。上司や同僚などの監視の目がないなかで仕事をするには、集中力を維持する工夫が必要です。
特に、本来はリラックスする空間の自宅を就業場所にするときは注意が必要です。就業中につい近くの文庫本に手が伸びたり、休憩のつもりでベッドに横になりいつの間にか時間が経っていたりするかもしれません。
仕事に集中して取り組めないと、業務時間や残業時間が増えてしまい私生活に影響が出ます。フルリモートワークを始める前に、自分が集中できる環境を整えておきましょう。
フルリモートOKな正社員に転職する方法
「フルリモート勤務する正社員として働きたい」と思っても、どのように求人情報を探せばよいか迷うのではないでしょうか。転職時の求人情報の探し方は複数ありますが、やみくもに探しても「フルリモートOK」としている求人情報は見つけにくいでしょう。求人サイトに多数表示される求人情報を新着順に確認していくと、自分の希望とマッチする求人情報に出会うまでに膨大な時間がかかります。
効率的に自分に合った求人情報を見つけるための4つの方法を紹介します。
・大手求人サイトから求人を探す
パーソルキャリア株式会社が運営する「doda」や求人サイトの情報を総合的に確認できる「Indeed」など、大手求人サイトには数多くの求人情報が掲載されています。掲載されている求人情報数が多い分、希望にあった求人情報を見つけるのは手間がかかりますが、条件を設定して求人を絞り込めば探しやすくなります。
大手求人サイトに掲載される求人情報には「フルリモート不可」の求人も含まれます。そのため、サイト内の検索窓に「フルリモート 正社員」「テレワーク 正社員」「在宅ワーク 正社員」などのキーワードを打ち込んで、検索を実行するようにしましょう。
絞り込み検索をすると検索結果に表示される求人情報の多くはリモートワークが可能なものになるので、希望の求人情報を見つけやすくなりますよ。
・リモートワーク特化のサービスやサイトを活用する
リモートワーク可能かどうか求人の募集要項を1つ1つ確認するのが面倒な方や効率的にフルリモートワーク求人を探したい方には、リモートワークに特化したサイトやサービスの利用をおすすめします。
例えば、「ReWorks(リワークス)」は、フルリモート特化型の転職支援サイトです。掲載されている求人情報はフルリモートワークが可能なものばかりで、正社員求人の数も豊富なのが特徴です。検索条件の「こだわり」でリモートワークを選択すれば、逐一「リモートワークOKか」と確認せずに済むので、転職活動の時短につながりますよ。
「mama works(ママワークス)」もリモートワーク案件が豊富で、「働き方から探す」の在宅にチェックを入れれば希望の求人にたどり着きやすくなります。このように求人サイトの絞り込み条件設定を利用して、リモートワーク求人だけを表示できる求人サイトを利用するとよいでしょう。
・転職エージェントを利用する
転職エージェントは、キャリアコンサルタントや専門スタッフが転職活動を支援してくれるサービスです。転職エージェントに登録すると、非公開求人の紹介を受けられたり、自己分析をサポートしてもらえたり、面接の練習ができたり、さまざまな恩恵を受けられます。また、転職エージェントが転職者の希望をヒアリングし、希望に沿った求人情報を探してくれるため、1人で求人情報を探すよりも効率的です。
フルリモートOKな正社員求人の数は多くないため、転職エージェントに登録してもなかなか求人の紹介がされない可能性があります。できるだけ早くフルリモート勤務する正社員に転職したいなら、転職エージェントサービスだけでなく複数の求人サイトにも登録するとよいでしょう。
・実績を積んでから求人に応募する
未経験の業界や職種に転職する場合、正社員としてフルリモートワークが可能な求人に採用される可能性は低いでしょう。なぜなら、フルリモートワークは働きぶりが見えにくく成果物で評価されやすい特徴があるため、フルリモートで働く正社員には即戦力としての働きが期待されているからです。
もし、気になる求人に応募しても「なかなか採用選考を通過できない」と感じたら、転職活動を一度ストップしてスキルアップに努めてはいかがでしょうか。専門的なスキルや知識が必要な業務ほど、過去の業務実績や保有資格が採用基準となります。まずは業務委託やアルバイトなどの働き方で実績を積んでから正社員求人に応募してみると、意外とスムーズに採用されるかもしれません。
フルリモートワークOKな正社員に転職するコツ
せっかく転職するなら、転職後に後悔しない選択をしたいですよね。転職してから「自分にリモートワークは向いていない」「思っていた仕事ではない」とギャップを感じないためにも、求人情報を探すときのコツを紹介します。
・就業場所を整える
フルリモートワークを始めるにあたって、どこを就業場所とするかはあらかじめ検討しておきましょう。いざリモートワークを開始するとなったときに「パソコンのスペックが足らない」「インターネットがつながらない」のようなトラブルに見舞われないよう、就業環境の事前整備は欠かせません。
自宅を就業場所にするなら気が散りやすい私物はワークスペースから隔離しておく、自宅にインターネット環境がないのなら近所のコワーキングスペース利用を検討するなど、事前に準備しておく事柄は多くあります。
正社員求人のなかには、セキュリティの観点から就業規則で「就業場所は自宅のみ可」としているケースがあります。知らずに就業規則違反をしないように、求人の募集要項を細かく確認したり、面接時などで採用担当者に就業場所について確認したりしておきましょう。
・疑問や不安をそのままにしない
フルリモートワークが初めての方にとって、フルリモートの働き方を具体的にイメージするのは難しいのではないでしょうか。転職活動を成功させるには、些細な不安や疑問であっても、採用担当者へ積極的に確認することが大切です。
例えば、企業の採用担当者は個人のパソコンを仕事で使う前提で話しているのに、転職者は「企業からパソコンを貸与してもらえる」と勘違いするなど、認識のずれが生じるかもしれません。認識のずれがあるまま転職すると、業務がスムーズにスタートできず、仕事への不満が溜まりやすくなってしまうでしょう。
転職後のトラブル回避のためにも、疑問や不安は早めに解消しておくよう心がけましょう。
・求人票や応募元企業の情報は細かくチェックする
高待遇な求人や魅力的に見える求人情報を見つけたら、求人票の詳細をしっかり読み込みましょう。求人票の文体や福利厚生の充実度から、どのような雰囲気の企業か判断できます。
求人票を確認するだけでなく、応募元企業の公式ホームページなどを検索し、企業研究をしておくのも重要です。企業の設立年月日や資本金、これまで行ってきた事業、将来のビジョン、経営理念など、企業の考え方に共感できるか考えてみましょう。
転職後に長く勤められる企業と出会えるように、応募する求人選びにはしっかり時間をかけることも大切です。
・研修制度や資格取得支援制度はあるか確認
フルリモートで働く場合、基本的にはビデオ通話やテキストチャットでやり取りをします。研修期間であっても、先輩従業員が隣で手取り足取り業務を教えてくれるわけではありません。
特に未経験分野に挑戦する方にとっては、未経験でも活躍できる人材になるまでサポートしてくれる研修教育制度がある企業かどうかは、求人選びの重要なポイントです。資格取得支援制度があれば未経験者でも正社員として働きながら専門的な知識を身に付けられるのでうれしいですね。
・人事評価制度をチェック
転職者からはなかなか聞きにくい内容ですが、企業の人事担当者にどのような人事評価制度を導入しているか質問してみるのは転職活動成功のために大切です。フルリモートワークにおける人事評価は、業務の過程よりも成果が重視される傾向にあります。就業中の仕事ぶりは、同じ空間にいない上司からは確認しにくいためです。
フルリモートの働き方が定着している企業では、「1on1」という1対1の面接の機会を定期的に設けたり、短いスパンで自己評価シートの記入を義務付けたりして、成果以外の面を評価する仕組みを用意しています。自分が納得できる人事評価制度であれば、高評価を目指して仕事に前向きに打ち込めるでしょう。
まとめ
オフィスへの出社が必要ない「フルリモートワーク」など、働く場所にとらわれない新しい働き方が普及しています。転職先にフルリモートワークが可能な職場を選ぶ方が増え、フルリモートOKとする求人情報数は増加傾向にあります。
フルリモートワークOKな求人情報は多くありますが、正社員求人は比較的少ないため見つけにくいと感じるかもしれません。安定した収入を得られてワークライフバランスが整いやすい正社員待遇に加え、通勤の手間や時間がかからず場所に縛りのないフルリモートワークの求人はメリットの大きい働き方なため、希望者が多く競争率も高いでしょう。
フルリモートが可能な正社員に転職するなら、リモートワークに特化したサービスや転職エージェントの利用がおすすめです。効率的に自分の希望に合った求人を見つけて、納得できる転職活動を進めましょう。