テレワークでどこまで監視されてる?【監視の確認方法も解説】
テレワークをしていると、どこまで監視されているのか気になる方もいるでしょう。実際には監視ツールを用いて従業員を監視している企業が多いです。この記事では、監視ツールで監視されていること、監視ツールを回避する方法などを紹介します。
企業で勤務しているときに、常に集中して仕事できている人は少ないでしょう。
同僚と雑談する時間や、おやつを食べながらまったりとした時間を持っているのではありませんか?
業務を行っている時間とのメリハリをつけるため、適度な息抜きの時間は大切です。
そして、適度な休憩時間はテレワーク中でも必要でしょう。
しかしテレワークはオフィスでの勤務とは異なり、同僚や上司の目がないため気が緩んでしまい、休憩時間と業務時間の区別が曖昧になりがちです。
それゆえに、上司は従業員が仕事をサボっているのではないかと疑い、従業員側も「サボっていると疑われているのでは?」と不安になってしまいます。
このような状況を打破するために、ある程度のテレワーク中の監視は大切です。
実際にテレワークを監視している企業は数多くあります。
この記事では企業がテレワークを監視する理由、テレワークの監視ツールで企業にバレてしまうこととバレないこと、監視ツールを回避する方法を紹介します。
監視ツールの仕組みを知って、テレワーク中に上手に息抜きしましょう。
テレワークは監視されている?
テレワーク中に監視されているかどうかは企業によって異なります。特に企業で使用していたパソコンをテレワークで使用する場合は、監視されている可能性が高いでしょう。一般的に、テレワーク中に監視する際は下記のツールが利用されます。
- 勤怠管理システム
- 在席・離席の管理ツール
- アクセス監視システム
- 業務ソフトウェア利用時の監視
- 画面キャプチャログ
- キーログの監視
テレワークの監視によって下記の5つのメリットがあります。
- 上司が各従業員のスケジュールをリアルタイムで把握できる
- 各従業員の業務の進捗状況が視覚化される
- チャットツールを用いたコミュニケーションがスムーズになる
- 長時間労働の抑制につながる
- ミスやトラブル発生を未然に防げる
テレワーク中の監視はあらかじめ従業員に伝えられる場合もあれば、そうでない場合もあります。
事前に伝えられている場合は問題ないですが、伝えられていなくても自分が監視されているかどうかを確認する方法があるため安心してください。詳細は後述します。
企業がテレワークを監視する理由
新型コロナウイルスによって、テレワークが普及しました。場所を選ばずに働けるようになりましたが、上司による従業員の勤務状態や作業状況の把握が難しくなります。
企業がテレワークを監視する理由は、主に下記の5つです。
- 生産性の確保
- サボりの発見
- セキュリティ対策
- 労働時間の調整
- 緊張感の維持
テレワーク中の監視によって上司も従業員も安心して働けます。
ここではそれぞれの理由を詳しく解説します。
生産性の確保
オフィスで勤務する場合、対面でのコミュニケーションを通じて従業員の業務の進捗状況を確認したり、トラブル対応ができたりします。しかし、テレワークの場合は、チャットツールやWeb会議を通じてコミュニケーションを取るための時間を割く必要があり、時間のロスを招きがちです。テレワークの監視ツールの利用によって、従業員が何をしているのか、どのような状態なのかを簡単に把握できるため生産性の確保につながります。
また監視によって、従業員が緊張感を持ち、集中力を高められます。時間に対する意識が高まり、効率的に作業できるようになるでしょう。
サボりの発見
テレワークはオフィスでの勤務と比較すると「サボりやすい」傾向にあります。なぜなら同僚や上司など周囲の目を意識する必要がなく、オフィスよりも誘惑や集中を妨げるものが多い環境にあるからです。
このような環境のため、上司はつい従業員が仕事をサボっているのではないかと疑ってしまいます。逆に従業員も「仕事をサボっていると思われているのではないか。」と考え、ストレスを感じることがあります。
テレワーク中の監視によって、お互いのサボりに対する不安や疑念が解消されるでしょう。
セキュリティ対策
International Association of Privacy Professionals(IAPP)の最高責任者リタ・ハイムス氏によると、多くの企業では業務用に支給されたパソコンにプライバシーを期待してはいけないことをポリシーとして掲げているようです。
これはセキュリティ対策が理由です。
企業で支給された業務用パソコンの多くに、知的財産や機密データが含まれています。そのため、従業員が業務用パソコンを私的に利用して怪しげなWebサイトにアクセスしたり、不正なプログラムをダウンロードしたりするのを防ぐために監視が必要です。
ツールを使えば、雇用主は業務用パソコンの閲覧履歴を確認することもできます。
労働時間の調整
テレワークはオフィスでの勤務と異なり、オンとオフの切り替えが難しいです。オフィス勤務であれば、着替え、化粧そして通勤で仕事モードに切り替えられます。しかしテレワークの場合、着替えや身だしなみを気にする必要がありません。そして通勤もないため、生活リズムが狂って早寝早起きをせずに就業開始が遅れる人もいます。
このような環境に長く身を置いていると、仕事の生産性や集中力が落ちてしまいます。そしてダラダラと仕事をして長時間労働になりがちです。
テレワーク中の監視によって、上司が各従業員の労働時間を把握できるため、長時間労働を防げます。同時に、従業員の実際の労働時間が労働量や作業効率に見合っているかを確認できます。
緊張感の維持
同僚や上司に見られていると意識すると、緊張感を維持できます。自宅はオフィスとは異なり、誘惑や集中力を妨げるものが多いため、適度な緊張感は大切です。ダラダラ仕事したり、息抜きのために頻繁に離席したりが減るでしょう。緊張感によってメリハリをつけて仕事ができ、生産性やタイムパフォーマンスの向上につなげられます。
またテレワーク中の適度な監視によって、従業員側も上司に仕事をきちんとしている姿勢を示せるため安心です。上司との信頼関係の構築にも役立ちますね。
テレワークの監視ツールで何がバレる?
テレワークの監視ツールで下記のことがバレます。
- パソコンを起動してシャットダウンした時間
- 作業の進捗状況
- 在席や離席の確認
- 業務に関係のないソフトウェアの利用の有無
- ブラウザのアクセス履歴
- USBデバイスの接続状況などデバイスの接続履歴
- キーログ機能
- Webサイトへの個人情報の入力
- ECサイトでの私的な買い物
とくに企業から貸与されたパソコンを使用してテレワークしている場合、ウイルス対策ソフトやMicrosoft IntuneやLANSCOPEなどのパソコン監視ツールがインストールされている可能性が高いです。つまり、テレワークでの勤務状況がほぼ筒抜けであると覚悟しておきましょう。
監視ツールでバレないこと
監視ツールでバレないことはあるのでしょうか?
企業から貸与されたパソコンであれば、既にインストールされているソフトウェアによって勤務状況や作業の状態がほぼ筒抜けです。しかし、個人所有のパソコンで、かつパソコン監視ツールをインストールされていない場合は、パソコンを使用しているおおよその住所と業務システムを使った履歴がバレる程度でしょう。
詳細は後述しますが、監視ツールによって何が監視できるか異なります。それぞれのツールの特徴を踏まえて何を監視されて、何が監視されていないかを把握すれば監視ツールでバレないことが判明するでしょう。
監視ツールの機能
監視ツールを通じて下記の6点を監視できます。
- 画面キャプチャ
- 勤怠管理
- ステータスを表示
- 利用したアプリの表示
- アクセス履歴の監視
- 操作したログを表示
それぞれ見ていきましょう。
画面キャプチャ
画面キャプチャは、パソコン画面のスクリーンショットや録画を管理者の指定した時間ごとに記録できるシステムです。従業員ごとにカスタマイズできます。
パソコンが起動されておりマウスやキーボードが定期的に動いていても、必ずしも業務に関連したことをしているとは限りません。画面キャプチャログによってきちんと業務をしているか確認できます。生産性の向上や不正の抑止を目的に使用されています。画面キャプチャを監視ツールとして利用している場合は、仕事をサボることがかなり難しいでしょう。
勤怠管理
勤怠管理システムはテレワークをするうえで最も導入されているツールの一つで、勤務開始・終了の報告を打刻します。監視よりも労働時間の管理という意味合いの方が強いです。勤怠管理システムによって、誰が稼働しているかリアルタイムでわかります。他にも、就業開始時刻に業務を始めているか、適切に休憩時間を取っているか、許可を取らずに残業していないか確認する際にも役立ちます。
最近、始業・終業を打刻するだけではなく、在席・離席など就業中の従業員のステータスを把握できる勤怠管理システムも開発されました。
ステータスを表示
在席・離席の管理ツールは従業員が「在席」「離席」「休憩」「退社」などを打刻するため、現在のステータスが一目でわかります。長時間の離席や休憩を監視したり、現在話しかけられる状態かどうかを確認したりするのに役立ちます。
長時間パソコンの操作がないと、自動的に「離席中」に変わるためサボれません。
また従業員が現状を打刻するだけでなく、カメラをオンにして本当に在席しているか確認できたり、ログインしているかなどパソコンの動作状況を確認できたりするタイプもあります。
利用したアプリの表示
業務ソフトウェア利用時の監視によって、社内のチャットツール、メールアプリ、そしてMicrosoft Officeソフトでの従業員のソフトウェアの起動や稼働状況を確認できます。これらの業務用アプリが起動されていなかったり、起動されていても利用している形跡がなかったりすると、サボっていると疑われる可能性が高いでしょう。
また起動アプリによって、従業員の大まかな作業内容を把握できるため、進捗管理にも役立ちます。
アクセス履歴の監視
アクセス監視システムによって、Webサイトの閲覧の制限やログを残せます。つまり、業務に無関係なWebサイトの閲覧やオンラインゲームをしたり、セキュリティ対策が弱いWebサイトへのアクセスをしたりするのを防げます。
アクセス履歴の監視によって、従業員の作業状況の把握だけでなく、セキュリティリスクの回避にもつながるでしょう。
操作したログを表示
操作ログとは下記のパソコンの動作です。
- パソコンの電源のオン・オフ
- Eメールの送受信
- Webの閲覧履歴
- ダウンロードなどのネットワーク履歴
操作ログの表示で、上記のようなパソコンで行われた操作を見られます。なかにはキーボードの入力内容まで確認できるものまであります。業務に関係がないことをしていないか、機密情報やネガティブな情報をSNSやメールを通して外部に漏洩させていないかをチェックするのに最適です。
なかには事前に決められた動作を設定しておき、それ以外の動作ログが検出されたら管理者にアラートで呼びかけられる機能を持つシステムもあります。
テレワークの監視は法的に許される?
テレワークの監視は「プライバシーの侵害」にあたるのか気になる人も多いのではないでしょうか?
東京地方裁判所で平成13年12月3日に判決が出された電子メール・プライバシー事件の判例を見ましょう。「監視の目的、手段及びその様態などを総合考慮し、監視される側に生じた不利益を比較考慮のうえ、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害となる。」と判決が出ています。
つまり、企業が業務遂行のために貸与しているパソコンを用いた業務時間内での業務に係る必要な勤怠データやアクセスログの確認をする程度の監視であれば、法的に問題ありません。
しかし、Web会議中に自分の部屋に関する感想を述べられたり、カメラにもっと映るように強要されたりする場合は、セクハラやパワハラにあたり法的に問題があります。
監視されているか確認する方法
パソコン監視ソフトによる監視の場合は、パソコンのタスクマネージャーで常駐している監視ソフトを確認しましょう。
Lpcmgr.exeやLogAgent.exeなどのタスクが起動していれば、監視されていると考えてほぼ間違いありません。
パソコン監視ソフトの製品としては、LANSCOPE CATやSKYSEA Client Viewが近年人気です。これらのいずれかを導入している場合も監視されています。
プロキシサーバーやファイアーウォールなどのネットワーク機器を用いて監視されている場合は、インターネットオプションでプロキシサーバーを設定しているか、自宅では閲覧できるのに会社ではできないサイトがあるかどうかなどの方法で確認可能です。
しかし、監視していることがわからないように工夫しているケースもあるので注意しましょう。
監視ツールを回避する方法
ネットワーク機器を用いた監視の場合、通信経路に機器が設置されているため回避できません。
しかし、監視ソフトの場合はパソコン内に仮想環境を構築し、その仮想のパソコンよりインターネットにつなげると、監視ソフトがデータを収集できなくなります。
この方法は、仮想化に関する知識が必要だったり、パソコンのスペックが必要だったりと条件があるため難しいです。
他にもUSBアダプタShadow Mouseの活用があります。パソコンのUSB接続をしてボタンを押すだけで、長時間の離席をしてもパソコンがスリープせずにマウスのカーソルが自動で動き続けます。値段も2,500円程度と比較的リーズナブルであるため手が届きやすいでしょう。
しかし、Shadow Mouseはあくまでマウスの動きを偽装するだけです。操作ログやアクセス履歴などを監視するためのツールを欺くことはできないので注意してください。
監視されている場合の注意点
監視されている場合の注意点は2つあります。
まずは、そもそも仕事をサボってはいけません。1度や2度のサボりならまだしも、サボりが常習化すると仕事のクオリティが下がり、さらにバレた場合は減給や解雇につながる恐れがあります。
テレワークをサボってしまう理由はさまざまですが、下記の工夫を取り入れて集中して仕事に臨む環境をつくりましょう。
- 休憩時間をしっかり取る
- 仕事中はスマホを別室に置いて触らない
- 同僚と適度にコミュニケーションを取る
- 生活リズムを整えて、始業と終業の時間を守る
- その日のゴールを明確にする
- 定期的に自分にご褒美を与える
またしばらく離席する場合は、上司や同僚に申告しましょう。自宅で勤務していると、家事、育児、介護なども同時並行しなければならないケースもあるため、想定外のハプニングが起こる場合があります。それはあなただけではなく、同僚や上司も同じです。しばらく離席する場合は、上司や同僚に「仕事をサボっている」と疑われないようにするためにも、正直に申告してください。また離席が今後も頻繁に起こる場合は、事前に上司に相談するとトラブルを防げるでしょう。
まとめ
テレワーク監視の理由、テレワークの監視ツールや監視されていることを紹介しました。
「監視」と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多いですが、テレワークの監視は上司だけでなくあなたにもメリットがあります。緊張感やモチベーションを維持しやすくなったり、周囲の同僚との情報共有がしやすくなったりするでしょう。
監視ツールの特徴や監視されているポイント、また監視ツールを回避するための方法を抑えながら、上手に休憩を挟んで効率的に仕事を進めてください。