リモートワークがしたい!上司・会社への申請理由と説得方法について
リモートワークをさせてもらうためには、説得力のある申請理由が必要です。この記事では、上司や会社に納得されやすい申請理由と相談方法を解説します。参考にして、フレキシブルな働き方を実現しましょう。
従業員のニーズに合わせたフレキシブルな働き方が実現できるリモートワーク。「家庭の事情があるけれど、リモートワークなら仕事を継続できる」という人もいるでしょう。
ただしリモートワークは、自分の都合や意思だけですぐに始められるものではありません。リモートワークするには申請が必要で、理由も明確にする必要があります。出社が前提の職場では、特に説得力のある理由が求められるでしょう。今回は、上司や会社に認められやすい申請理由や説得方法を解説します。
リモートワークは、継続的に行うケースとスポット的に取り入れるケースとに分かれます。この記事では、長期と短期の期間別に理由を説明します。リモートワークを希望する人は参考にしてください。
長期的にリモートワークを続けたい、その理由は
長期的にリモートワークを続けたい理由は人それぞれですが、多いのは以下の3つです。
- 精神面の不調
- 通勤時間をなくす、短縮できる
- プライベートとのバランスが良くなる
1.精神面の不調
精神面の不調は、職場の人間関係のトラブルや仕事のストレスが原因であることが少なくありません。在宅勤務は、対面でのコミュニケーションがなく、1人で業務を進められるのであれば、仕事上のやり取りも最小限に抑えられるでしょう。
また、自分のペースで作業できるぶん、仕事のストレスも軽減されます。精神面の不調を抱えている人のなかには、出社するパワーはないけれど、自宅なら仕事が可能な人もいるでしょう。リモートワークすることで、休職せずに仕事を継続できる場合があります。
2.通勤時間をなくす・短縮できる
通勤時間を削減、あるいは短縮できれば、1日の時間を有効に活用できます。リモートワークは、満員電車や通勤による疲労やストレスも軽減できます。例えば、自宅近くのサテライトオフィスを利用すれば、通勤にかかる時間を短縮できるでしょう。在宅勤務の場合、出社用の服に着替える必要もなく、身支度の手間も省けるなど、出勤前の負担も軽くなります。さらに、配偶者の転勤でオフィスから離れた場所に引っ越しても、フルリモートであれば仕事を継続できます。
3.プライベートとのバランスが良くなる
リモートワークのメリットは、ワークライフバランスの実現です。今まで通勤に費やしていた時間をプライベートに充てられます。育児や介護、通院など、家庭の事情と仕事を両立させやすくなり、キャリア形成も可能です。勉強や趣味を始めたり、睡眠時間を確保したりしやすくなります。家族と過ごす時間も増やせるでしょう。このように仕事とプライベートのバランスが改善され、毎日が充実することで仕事への意欲も高まり、好循環が生まれる場合もあります。
長期的にリモートワークを続けたい場合の相談方法
長期的なリモートワークを相談する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- リモートワークがどうしても必要な理由を伝える
- 双方にメリットがある形で提案する
- オフラインとリモートを組み合わせる
順番に解説します。
1.リモートワークがどうしても必要な理由を伝える
長期的にリモートワークを続けたい場合、理由を明確に伝えることが大事です。例えば「家庭の事情」「通勤の負担」「健康上の理由」は必然性が高く、長期的にリモートワークを申請する理由として筋が通っています。
家庭の事情は、子育てや介護、配偶者の転勤などの事情により通勤が困難なケースです。通勤の負担として理解が得られやすいのは、通勤時間が長い、連日交通渋滞が発生しているなどの場合です。健康上の理由には、病気やケガの治療で通院している、職場の人間関係のトラブルで出社に強いストレスを感じているなどが挙げられます。精神的な不調については、必要に応じて医師の診断書の提出も検討しましょう。
2.双方にメリットがある形で提案する
長期的なリモートワークとなれば「業務の生産性に影響するのでは」など、上司は懸念を抱くものです。了承を得るには、自分のメリットだけでなく、企業にとってのメリットも提示しましょう。「在宅の方が業務に集中でき、効率的に進められる」「通勤がなくなるぶん、顧客訪問回数を増やせる」などが一例です。その結果として「チームや部署の目標達成が実現できる」など、企業にとって利益へとつながるように説明できると説得力が増します。
さらに、通勤や移動にかかる交通費の削減やペーパーレス化によるコスト削減、オフィス分散化による災害時のリスク軽減も企業側のメリットです。リモートワークが従業員と企業の双方にメリットがあると理解されれば、申請は通りやすいでしょう。
3.オフラインとリモートを組み合わせる
企業の理解を得るには、柔軟な姿勢を示すのも大事です。上司の不安や疑問が解消されないときは、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方を提案するのも手です。出社には、直接顔を合わせるため意思疎通がスムーズ、チームワークが高まるなどのメリットがあります。メンバー間の信頼関係を築きやすく、より深いコミュニケーションが可能でしょう。ハイブリッド型は出社とリモートワーク、双方の良いところを活かすことができます。「会議や相談がある日は出社」「資料作成に集中したい日はリモートワーク」と使い分ける方が、自分も働きやすいかもしれません。最初からフルリモートワークではなく、まずはハイブリッド型で始め、お互い難しいと感じた点を擦り合わせていくとよいでしょう。
短期でリモートワークをするための申請理由
スポット的にリモートワークを申請する理由で多いのは、以下の5つです。
- 生産性を重視
- 家族の体調不良
- 風邪
- 天候不良
- 外出や出張
それぞれ解説します。
1.生産性を重視
業務によっては、在宅の方が生産性が上がる場合があります。資料作成やアイデア出しなどは、1人で集中して取り組む方が効率的でしょう。オフィスでは、集中していても話しかけられたり電話がかかってきたりと、作業が中断されがちです。また、自宅やお気に入りのカフェなど、好きな場所で働くことで集中力がアップするケースもあります。
ただし生産性を担保するうえでは、作業環境が整備されていることが前提です。大型モニターや長時間の作業に適したデスクや椅子、コミュニケーションツール、静かに集中できる場所は最低限用意しましょう。集中力や生産性を高めるには、規則正しい生活も大切です。
2.家族の体調不良
家族の体調不良時も短期のリモートワークが認められやすいでしょう。リモートワークであれば、家族の看病と業務が両立できるので、仕事に支障をきたさずに済みます。「完治したら出社」と、リモートワークを終了するタイミングも明確なので、上司の理解を得やすいはずです。症状や看病を必要とする期間も事前に伝えておきましょう。新型コロナウイルスなどの感染症では、感染予防の観点からも在宅勤務が推奨されます。
3.風邪
風邪気味のときは体力が落ちているため、通勤はもとより出社して長時間作業するのは体に負担がかかります。また風邪をうつしてしまう、咳で周りの集中力を妨げるなどのリスクも懸念されます。風邪が治るまで自宅で作業する方がいいでしょう。ただし、高熱や咳が止まらないときは、仕事を休んで病院で診察を受けてください。
4.天候不良
大雨や大雪の日には、公共交通機関が遅延や運休になり、出社に時間がかかったり出社できなかったりする場合があります。また出社できても、帰宅が困難なケースも想定されます。リモートワークであれば、天候に左右されず仕事が可能です。天候不良の日には出社を控え、リモートワークするのが合理的でしょう。天気予報などを参考にして、事前に上司に相談しておくとスムーズです。
5.外出や出張
営業職は外出や出張が多く、移動時間も長めです。出張先のホテルや移動中にリモートワークできると、1日の時間をより有効に活用できます。顧客対応のスピードもアップし、交通費や残業代の削減も期待できます。さらに直行直帰が可能になれば、ワークライフバランスも向上しやすいでしょう。業務効率化につながると認められれば、長期的なリモートワークに移行できる可能性も高まります。
上司や企業がリモートワークを認めない場合は
リモートワークを申請したものの、企業側が渋るケースもあるでしょう。上司を説得するには、相手の懸念点を理解したうえで、それを払拭する提案を行うことが大事です。根気強く交渉しても上司の考えが変わらないときは、思い切った判断が必要かもしれません。上司や企業がリモートワークを認めないときの対処法は、以下の4つです。
- 実施計画書を提出する
- 仕事で成果を出して説得する
- 自分の価値について伝える
- 場合によっては転職を検討する
それぞれ解説します。
1.実施計画書を提出する
リモートワークのメリットは理解できても、実務上の問題が気になり申請を許可できない上司もいるかもしれません。そのような場合は、実施計画書の提出が有効です。作業場所やインターネット環境に問題がなく、スムーズに仕事を進められることやセキュリティ上の問題も起きにくいことを示しましょう。
また「通勤の負担がないぶん業務に集中できる」「業務上1人で進める方がはかどる」点も伝え、生産性低下への懸念を払拭しましょう。勤怠管理や業務の進捗状況を確認する方法を決めておくことも大事です。
2.仕事で成果を出して説得する
実務計画書の内容に納得してもらえたら、仕事で成果を出して説得しましょう。1カ月〜数カ月程度を目安に、試用期間を提案するのも手です。特に試用期間中は、数字でわかりやすい成果が示せると効果的です。また、仕事の進捗状況も定期的に報告しましょう。リモートワーク中にもきちんと仕事が進んでいることが確認できれば、上司は安心できます。こまめに連絡することで必要なサポートも受けやすくなり、成果も上げやすくなるでしょう。
3.自分の価値について伝える
企業にとっての自分の価値をアピールするのも大切です。経験値や実績、専門性の高さに裏付けられた仕事への貢献度を伝えましょう。この他、モチベーションの高さやチームワーク力、課題解決力、リーダーシップ、業界内の人脈なども、企業に対して示せる価値です。
それでもリモートワークが不可の場合、離職も検討するのであれば正直に伝えるのも手です。新たな人材の獲得は、採用や教育面でもコストがかかります。特に専門知識や希少性の高い人材は、すぐに見つからないでしょう。リモートワークであれば仕事が続けられ、企業にも余計なコストがかからないため、win-winであることを理解してもらいましょう。
4.場合によっては転職を検討する
実際にリモートワークが不向きな企業や業種はあります。例えば、対面のコミュニケーションが必須の医療、介護業界や接客サービス業はリモートワークが難しいでしょう。大きな設備や機器を使う、紙ベースの業務が多い建設、製造業もリモートワークの導入は遅れ気味です。運転を伴う運輸業や郵便業もリモートワークのハードルは高いでしょう。
また、企業規模によっても差が見られます。規模が小さい企業ほどリモートワークの環境整備が進んでいない傾向にあるようです。
一方で、パソコンを使うオフィスワークでは、フルリモート可能な仕事が増えています。システムエンジニアやプログラマー、Webデザイナー、編集者はその代表例です。社外に出ている時間が長い営業もリモートワークに向いています。また事務や総務の仕事は、フルリモートまたはハイブリッド型で対応できるでしょう。
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まとめ
リモートワークが必要で、上司や会社を説得する際は、まず自分の理由を明確にしましょう。そのうえで上司の不安や懸念点を払拭し、企業にとってもメリットのある提案を行うことが大事です。また、出社とリモートを組み合わせたハイブリッド型で様子を見るのも手です。
上司の反応次第では、根気強く交渉する必要もあります。諦めずに「仕事で成果を出す」「自分の価値をアピール」することで、最終的にリモートワークを認めてもらえる場合もあるでしょう。
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