フルリモート可能な管理栄養士の業務と必要なスキルを解説
管理栄養士はフルリモートできる業務と、フルリモートワークに不向きな業務があります。この記事ではそれぞれの業務について紹介するとともに、管理栄養士のフルリモート案件の探し方や、リモートワークを成功させるために必要なスキルを紹介します。
近年、新型コロナウイルスや働き方改革の影響で、多くの企業がリモートワークを導入しています。
さまざまな業界、職種で取り入れられている働き方ですが、近年は管理栄養士の業務も一部リモートワーク対応が見られるようになってきました。管理栄養士の仕事がフルリモートできると、勤務形態や働き方の選択肢が増えますね。
この記事では、管理栄養士の仕事でフルリモートできる業務とできない業務、フルリモート求人の探し方のポイントや必要なスキルを解説します。
フルリモートで働きたいと考える管理栄養士の方は必読です。
フルリモート可能な管理栄養士の業務5選
管理栄養士の業務は多岐にわたりますが、フルリモート可能な主な業務は下記の通りです。
- 栄養指導
- 献立作成
- 健康アドバイス
- 特定保健指導
- 食育指導
それぞれ紹介します。
1. 栄養指導
栄養指導は、主に下記の3つの業務に大別されます。
- 健康の維持、増進を目的とした栄養指導
食生活の悩みをヒアリングし、相手に合った食べ方のコツや調理方法などをアドバイス。
- 病気の予防や重症化を防ぐための栄養指導
病気の予防またはすでに病気を患い、重症化を防ぐため食事療法が必要な人に対し、食事方法や献立指導を行う。
- 乳幼児や高齢者など、ライフステージに合わせた栄養指導
乳幼児の食物アレルギーを考慮した献立、食生活のアドバイスや、食欲や嚥下機能が低下した高齢者向きの食事指導など、ライフステージに合わせて行う栄養指導。
管理栄養士による栄養指導は、介護施設や学校、一般企業などさまざまな場所で行われます。こうした指導は対面ではなく、ZoomやSkypeなどWeb会議ツールを使いオンラインで行うことも可能です。
2. 献立作成
予算内で栄養バランスの取れた献立を作成するには、栄養士の専門知識が欠かせません。
学校給食や企業の食堂など、基本的に健常者を対象とした献立づくりは一般的に栄養士が行います。しかしながら、病院や高齢者福祉施設など、入院患者や高齢者、障がいのある人に提供する食事の献立は、管理栄養士でなければ行えません。
栄養バランスだけでなく、アレルギー対応や疾病による食事制限、また宗教的な事情など、細やかな配慮が求められるため、食にまつわる知識だけでなく、栄養学や世界の文化、宗教など広い知見が必要です。
作業に関しては、献立作成は自宅で行えることから、リモートワークに向いています。
3. 健康アドバイス
献立の作成だけでなく、一人ひとりに合わせた栄養相談やセミナー、料理教室の開催など、さまざまな方法を通じて健康づくりにつながる活動を行うのも管理栄養士の仕事です。
近年はアスリート向けの食生活の指導や、ダイエット中の人へのアドバイスなど、自分が得意な分野に特化した健康アドバイスを行う管理栄養士も多くいます。
こうしたイベントや栄養相談も、オンラインで開催できるでしょう。
4. 特定保健指導
特定保健指導は、40〜74歳までの医療保険加入者(被保険者及び被扶養者)に義務付けられている保健指導です。
認定された管理栄養士が、医療保険者の特定健康診査結果をベースに、対象者へ支援業務を行います。主な対象者は、メタボリックシンドロームや生活習慣病予備軍の人たちです。管理栄養士は、このような対象者一人ひとりに合った食生活や減量方法を提示し、生活習慣の改善や健康意識の向上を目指します。
支援のやり方は2つあり、それぞれ動機づけ支援と積極的支援です。
動機づけ支援は個別またはグループで、対面や電話で複数回面談を実施します。積極的支援は、動機づけ支援よりも頻繁かつ継続的に電話やメール、個別面談を行い、健康づくりをアドバイスします。
どちらの支援も、Web会議ツールやメールなどオンラインまたは電話で完結できるため、リモートワーク向きの業務です。
5. 食育指導
近年、保育園や幼稚園、小学校では栄養に関する正しい知識を学ぶ「食育」が実施されるようになりました。子供だけでなく、保護者に対して行うケースもあるようです。
管理栄養士は、子供や保護者が食への興味関心を持ったり、食の大切さを学んだりできるよう食育指導を行います。指導内容は、食育の授業やイベントの企画、立案、実施にとどまらず、子供たちの調理実習のサポートや親子参加型イベントの開催なども含まれます。
業務によっては現場で行うものもありますが、オンライン上でもイベント開催が可能なためリモートワークに適していると言えるでしょう。
フルリモートが難しい管理栄養士の業務
管理栄養士の業務は多岐にわたり、フルリモートで対応できるものとそうでないものがあります。
なかでも、下記の2つはフルリモートが難しい業務です。
- 商品(メニュー開発)
- 調理業務
それぞれ解説します。
商品(メニュー開発)
商品(メニュー開発)は、開発コンセプトに従い、試作や試食を繰り返しながら新しい商品やメニューを開発する業務です。管理栄養士の調理のスキルや栄養学の知識が重宝されるでしょう。
新しい商品やメニューを生み出すまでに、管理栄養士がデータの測定や商品改善のためのマーケティングに携わるケースもあります。また、データ入力や管理、社内外での会議もあり、他のスタッフとの連携や現場で行う作業もあるため、リモートワークには不向きです。
調理業務
管理栄養士は学校給食や企業の食堂、福祉施設などでスタッフや調理師と共に調理を行うことがあります。
いずれのシーンも、決まった時間に食事が用意できるよう、短時間で大量の調理をするため、時間との戦いになるでしょう。
そして調理は言うまでもなくオンラインでは不可能です。調理場に出向いて行う必要があります。
管理栄養士がフルリモートで働くために必要な4つのスキル
管理栄養士の業務は多岐にわたり、フルリモートできるものと不向きな業務があると説明しました。管理栄養士がフルリモートワークを成功させるには、下記のスキルが必要です。
- コミュニケーションスキル
- 自己管理スキル
- 目標達成スキル
- 自己評価スキル
それぞれ解説します。
1. コミュニケーションスキル
リモートワークの欠点は他者とのコミュニケーションが少なく、人間関係が希薄になりがちな点です。たとえZoomやSkypeなどオンラインツールを用いて会話しても、コミュニケーション不足の解消になるわけではありません。オンライン上でのコミュニケーションは、対面と比べ五感でキャッチできる情報が少なくなるぶん、情報量が減る傾向があるからです。
そのため限られた時間のなかで、相手の意図を汲み取り、正確にかつ簡潔に自分の思いを相手へ伝えられるコミュニケーションスキルが求められます。
Web会議だけで不安な場合は、SlackやChatworkなどコミュニケーションツールの活用もおすすめします。文字でのやり取りになりますが、顔を合わせて話すのとは違い、落ち着いて会話できる利点があります。
2. 自己管理スキル
リモートワークは自分のペースで仕事できるメリットがありますが、上司や同僚の目がないため集中力や緊張感の維持が難しい一面もあります。そもそも、自宅勤務は誘惑も多いでしょう。休憩が曖昧になり、退勤後もダラダラ仕事してしまいがちです。長時間労働は過労にもつながるため、気をつけてください。
リモートワークを成功させるためには、スケジュールを守り、体調を整え、モチベーションを持って作業する、そうした自己管理スキルが必要です。
3. 目標達成スキル
勤務態度や仕事のプロセスなど企業側も把握しやすいオフィス勤務と違い、リモートワークの場合は従業員の働く様子が見えないため、成果物だけで評価されるケースが多々あります。
リモートワークの際は、クライアントや上司とまずは達成すべき目標を共有しましょう。目指す地点を明確にしておくことで、やるべき作業もはっきりするでしょう。そのためにも、目標達成できるスキルが求められます。。
4. 自己評価スキル
リモートワークはオフィス勤務と違い、周囲のアドバイスや指導を受けられる機会が減ってしまいます。そのため、自分で仕事のパフォーマンスを評価し、改善する努力が必要です。
成果物のクオリティ、作業効率、設定した目標がどれだけ達成されているかなど、自分の仕事ぶりを日頃から客観的に見つめるよう心がけましょう。
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ここまで見た通り、管理栄養士もフルリモートワークが可能です。
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まとめ
管理栄養士は、下記の業務でフルリモートワークが可能です。
- 栄養指導
- 献立作成
- 健康アドバイス
- 特定保健指導
- 食育指導
しかし、調理や新商品(新メニュー)の開発は現場で行うため、リモートワークは不向きです。フルリモートの仕事を探す際は、仕事内容をよく確認しましょう。
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